Quantcast
Channel: まちかど逍遥
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1991

野田郷の玉石垣のまちなみ

$
0
0
鹿児島の続き。

湯川内温泉から戻ってきたらもう日没間近だったけど、野田郷の玉石垣のまちなみを見に行く。
車がぎりぎりすれ違えるくらいの幅の道の両側に、ずらりと並ぶ玉石垣と生垣。
これが延々1km以上も続いているのだ!


普通の生活幹線道路に面したこの特異な景観、前回知らずに通りかかって心底驚いたのだったが、
しかし、駐車できる場所も寄り道する時間もなく通り過ぎてしまい、ずっと心残りだったので、
今度行く時は必ず、と思っていた。
検索してみると、江戸時代初期の面影を残す武家屋敷通りなのだとか。

野田郷駅にほど近い旧小松神社のところにちょっと車を置かせてもらい、歩いて行ってみよう。

高さ1m程度の石垣の上に生垣が高塀のように立ちはだかる。
石の大きさはだいたい片手で持てるくらいの玉石から人の頭大の丸みを帯びた川石で、乱積みもあれば
谷積みや布積みもある。生垣の木はマキかお茶、カイヅカイブキなどが密に茂り、完全に外部からの
視線をさえぎっている。どこのお宅もきれいに刈り込まれ、ボーボーに荒れた家は一軒もないのはすごい!


お屋敷自体はそれほど大きなものでもすごく古いものでもなさそうで、建て替えもされているようだが、
この石垣景観は早い時期から意識して残しているのでないとここまで完璧には残らないだろうな。
直接道路に面したガレージなどができてしまうのが常だ。


石垣は連続しているが、敷地境界にはこのように柱が立っていて、間に水路が通っていたりする。
柱が一本だけで境界を示しているところもある。


立派な門の中にはたいがい枡形のような石垣や、沖縄のヒンプンを思わせる衝立のような石垣があり、
家屋を直接見通せないようになっている、武家屋敷らしい造り。






玉石垣の景観は、この通りに直交する道にまで少し広がっていた。


う~ん、なんて美しいんだろう。。。


ここは珍しく石垣が2段になっている。そのぶん石垣が厚く場所をとるのであるから、敷地も広い裕福な
お宅なのだろう。


普通はこのくらいの厚み。


前栽には樹齢数百年と思われるソテツの大木がよくみられ、南国らしい風情を作り出しているが、
ここのソテツは生垣を突き破っている。まるで、我先にと道路へ逃げ出しているみたい!?(笑)
それとも、ヘイ!タクシー!!って(爆)


この押しの強さ(笑)。歩道を超えて車道まで張り出す勢い。


「石敢当」の文字が彫られた石柱が。三叉路の突き当たりなどに建てられる魔よけである。
沖縄とやはり民俗的に共通するものがあるのだろうか。長い武家屋敷通りの中でもここのみらしい。


この門柱はかわいいな!しかし、武家屋敷通りの南端に近いこの敷地は明らかに打ち捨てられた様子で
そこだけうっそうと薄暗い森になっていた。。。きれいに手入れして石垣めぐりの休憩スポットとなる
カフェを開いたらどうだろう。素敵だと思うなぁ!


普通のまちなかにこんな美しい石垣が途切れなく続いているなんて、ほんとに素晴らしいな!!
あぁ、1年半越しの願いがかなって見れてよかった~~


続く。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1991

Trending Articles