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Channel: まちかど逍遥
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えびのの石橋2つ

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えびのの続き。

さぁ、このあとえびの高原へ向かう道へ入り、白鳥温泉下湯に行こうと思っていたのだが、、、
ナビがなんか言っている。
「回避できない問題が発生しているので目的地の変更を検討して下さい」

えっ、回避できない問題って!?ほんとに!?
ナビがこんなことを言うのを聞いたことがなく真偽のほどはわからないが、行って引き返すのは嫌だな・・・
仕方ない、予定を変更しよう。さっき亀の湯に貼ってあった資料にあった石橋を見に行くことに。
スマホで撮っておいた地図を頼りに走ると順調にたどり着いた。車を停めて小道を歩いて行く。
うわぁ・・・いいなぁ!


案内板によると、これは熊本営林局により造られた木材搬出用のトロッコ軌道の橋で、
1928(昭和3)年に完成。正式名は「月の木川橋」と言うらしい。へえ~~!




鹿児島県串木野の肥田佐兵衛が請け負い、この有島川の上流から切り出した石を木馬で運んだとか。


欄干が低くて端に寄ると怖い~~~

トロッコ軌道は1962(昭和37)年に廃止。

横からアーチを見たいと坂を下り河原の広場へ行き、下から見上げる。三連アーチだ!
おぉ~~~高い!!


アーチの頂点部分はほんとに薄いな!輪石の上に1層しか載っていないんじゃないか??


こんな繊細に見えるのに、木材を載せたトロッコがガタガタとこの上を走り、約90年もの間
この美しい曲線は崩れることなく保っているのだ。。


径の違うアーチが並ぶとちょっとバランスが悪い?違和感があるが・・・


しかしこれだけの高さは、熊本で見た霊台橋歳祢橋ぐらいはあるんじゃないか!?
この橋の全長は58.2m、中央のアーチ径28.8m、アーチ高さ15.2m。

あらためてデータを見ると、霊台橋は径間28.4mで、長らく単一のアーチ式石橋では径間日本一と
されてきたが、1998年の調査で大分県の轟橋が32.1m、出会橋が29.3mと判明し、現在は
第3位ということである。しかしこの月の木川橋は中央のアーチだけを見れば、霊台橋よりも大きい。
高さの方は年祢橋が24mだからこちらは全然かなわないや。お見それしました(笑)。

さて、この先にもう一つあるはずだ。車を走らせること3分、あれだ。
こちらはまわりが開けた場所にあった。


橋の中央に水路が通っている。
説明板によるとこの橋は「享保水路太鼓橋」といい、有島川を越えさせるための水路橋である。
ほほ~う。川と水路の立体交差!道路の部分はまた逆サイホンで渡してあるのだろうか。
この橋の建造年月は不明だが、江戸末期頃と言われているようだ。


享保水路とは、川内川上流から水を引き飯野平野の水田へ送水するために造られた用水路で、
1732(享保17)年に完成。5ヶ所の隧道を含む総延長は6.8kmあり、大変な苦労をして
造られたという。

水路を覗き込むと、きれいな水がダクダクと流れている。これは素敵だなぁ!
この橋ができるまでは200mほど上流で木樋で通水しており、大雨のたびに流されていたが、
この橋ができて大量の水を安定して送ることができるようになり、下流の飯野平野の人々は
大きな恩恵を受けたのである。


この橋は壁石が垂直でなく角度がついていて、さらに勾配の途中で段差になっているのが珍しいと
説明書きにあった。確かに斜め横から見ると末広がりになっているな。


あぁ、温泉だけでなく素敵な石橋に出会えてよかった!
自然に逆らうことなく共存して生きる人間の知恵の結晶。近代までのこういった土木構造物に
私はとても心惹かれるのである。

そろそろレンタカーのタイムリミットだ。空港へ戻ろう。

空港からは鹿児島市内行きのバスに乗り込みしばし休憩。。。
せっかく24時間千円のレンタカーを借りてるのに鹿児島市内まで走ればいいじゃないかと
突っ込まれそうだが(笑)、一日中運転は疲れるし、帰りもまた、疲れた体で日暮れ後に空港まで
運転して戻るのは自信がないのである。。。バス代は余分にかかるが、まぁいいよ。

鹿児島駅前でバスを降りたら、その足でレンタカー屋へ・・・
実はここでもまた千円レンタカーを借りているのであった(爆)。


泊まった宿はまた地元系ビジネスホテル。夕食付きプランなので1階の六白亭という店で豚しゃぶを。
そこに地鶏のたたきと肝刺しをつけて鹿児島の食を満喫~♪

続く。

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