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Channel: まちかど逍遥
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えびの駅の木造駅舎

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吉田温泉からの続き。

前回都城から吉都線に乗ったときにホームから見ていたえびの駅を見にいく。古い木造駅舎が残っているのだ。

うわぁ、、、ため息が漏れる美しい佇まい。その前に車を停めるのもはばかられるフォトジェニックな姿。
少し外して車を停め外に出ると、吹きすさぶ寒風。ひぃ~~っ!
駅の周りは建物がなく吹きさらしなのである。防寒グッズを全て装着してからあらためて車の外へ。


ほぉ~っ、全てが木造のまま。風雨に耐えてきた年月に思いを馳せずにはいられない、色あせた
下見板張りの外壁。屋根瓦などは苔むしてビロードのような緑色を呈している。


霧野、という表記が見られるのは、映画の舞台になったため。そのロケの時に、駅舎は古めかしく
化粧されたのかもしれないが、見たところ自然で、特に嫌みなところはない。




改札ラッチは復元かもしれないが、出札口のアクリルパネルなどは現役時代のものに見える。
室内には映画のロケの名残の品々が。


えびの駅は国鉄吉都線の開通にあわせて1912(大正元)年に加久藤駅として開業。
えびのというメジャーな地名が駅名になったのは意外と新しく、1990(平成2)年のことである。


当初は貨物の取扱いもあった比較的大きい駅舎であるが、旅客の需要は少なかったのだろうか、
貨物の取扱いが廃止されたあと国鉄民営化に先んじて早々と無人駅化されている。
もう30年以上も無人のままにしては建物も美しく保たれているのは、やはりロケの時に手を入れた
からだろうか。


霧野駅としてこの駅舎が登場した「美しい夏キリシマ」という映画は、公開が2003年なので
ロケはその前年か前々年だろう。ロケ前はどんな状態だったんだろうな。


ホームに国鉄顔の列車がやってきて、数人のお客を乗せて去って行った。降りる人はいない。


ホーム側から見た駅舎。深い軒がぐるりとめぐっているのは貨物取扱いの名残だろうか。
古き良き国鉄駅舎だ。




吉都線開業時から残る駅舎はここだけといい、登録有形文化財になっている。


静かな時間が流れるえびの駅に身を置く、至福の時・・・


続く。

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