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Channel: まちかど逍遥
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GW新潟 サフラン酒本舗

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からの続き。



今度の建築スポットは長岡市。駅前にある桜亭台町茶寮にやってきた。マンサード型のドーマーウィンドウ
がちょこんと乗ったかわいい建物だ。


ここはかつて長岡藩主の料理番が住んでいた場所で「台所町」と呼ばれていたらしい。
この建物はもともと福島江・刈谷田川大堰水利組合の事務所として建てられ、今は洋風料亭となっているが、
この日は予約のみとの張り紙が出ていた。披露宴か何かのようだ。


入口庇の持ち送りは鉄製で古そうだが、窓のサッシはアルミだし、元の部材を一部使っての復元か、
大規模改修をしたのかもしれないな。


昭和11年11月20日当時の新聞記事のコピーが玄関に飾られていた。長岡の建築士星野三治氏による
「最新式木造建築」とあり、「採光通風申し分なき間取り」等とベタ誉めで、こと細かに解説された記事からは
落成の喜びがが伝わってくる。

きれいに改修され、地域の人の祝い事の場として今も愛され使い続けられている、幸せな建物だな!

お昼ごはんを長岡でと考えていたのだが、時間が押している(汗)。先に見るべきものを見てから考えよう。
長岡での次の目的はサフラン酒本舗。ちょうどゴールデンウィーク中に公開されるという情報を
mayumamaさんがチェックしてくれていた。ラッキー!
付近は酒造がいくつもあり、間違いそうになりながら進んでいくとのぼりが見えた。


そして門を入るといきなり目の前に現れるド派手な蔵!ほぼ全身をなまこ壁で覆われ、
180度開け放たれた分厚い窓の扉の内側には、赤、青、緑、、、鮮やかな彩りの鏝絵が!


蔵の長手方向の壁には両開き窓が2つと片開き窓が3つ、扉の数は合計6枚。
また妻面には両開きの窓が2つ上下にあり、計4枚の扉が。それぞれ全て違う動物と植物が描かれている。


さらに軒周りにも唐草模様がびっしりと。
遠目なので陰刻なのか盛り上げた鏝絵なのかよくわからないが、いやはやこの派手さは!!


主屋の受付で200円の寄付金を払ってボランティアガイドさんにあらためて説明してもらうと、
この鏝絵は近所に住んでいた左官職人伊吉が手がけたそうで、軒の部分に「左伊」の銘が入っていた。


「吉」の字のマークは、創業者である吉澤仁太郎を示す。吉澤仁太郎は1884(明治17)年に
サフラン酒の製造を始め、1894(明治27)年にこの地へ出てきた。
この鏝絵蔵は、事務棟として1926(大正15)年に建てられたもの。

平成16年の中越地震で被害を受け、なまこ壁の張り瓦もやり替えたらしい。

少し奥まって主屋が建ち、主屋の玄関の脇に蔵の入口がある。こちらの面にも窓があり鏝絵もあった。




サフラン酒とは養命酒のような薬酒で、最盛期はこんな道楽建築を建てるぐらい儲かったようだが、
今は事業を維持する程度に細々と製造されているとか。
運転するので試飲はできなかったが買って帰って飲んでみると、ほぼ養命酒(笑)。甘くて美味しい~


主屋の内部は非公開なので、ガイドさんについてお庭の方へ。
途中に衣装蔵が建っていたが、こちらはしっくいが所々剥がれ落ち下地の竹が見えるほど状態が悪かった。


白い埃にまみれているが、さっきの鮮やかな鏝絵と同じものがこちらにもあるようだ。
あの鏝絵の蔵も修復される前はこんな状態だったのだろう。予算の都合でこちらの衣装蔵の修復まで
手が回っていないと見える。しかし比べてみるとやはり手入れの大切さを感じるなぁ。

外側に貼られたトタンの波板は応急処置のためかと思いきや、何と建築当時からのもので、
輸入品の高級建材だったのだとか。

庭園には、浅間山から運んできた溶岩をうず高く積み上げた岩山や、噴水のある深い池など、、、
こちらも道楽である。わざわざ噴水ためのタンクを家の裏手に設置したのだとか。


「赤玉」とガイドさんが言われていたこの真っ赤な石は、後から見る新潟の庭園には必ず置かれていた。
ネットで検索してみると、佐渡赤玉と呼ばれる新潟県産出の銘石で、チャートらしい。
チャートというと海老茶色のものを思い浮かべるが、この赤玉は血のように赤いな!
赤玉の隣には「黄玉」もあった。こちらは検索してもわからなかった。。。


続く。

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