しばらくあいたが、台湾続き(汗)。
翌日朝から宜蘭へ向かう。どんより曇った天気。北へ進むにつれ山がどんどん迫ってくる。
太魯閣渓谷を過ぎると山はますます迫って屹立し、荒々しい山肌を見せてくる。山自体が石灰岩の岩盤なのだろう。
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駅ごとにセメントのプラントや石灰石の積み出し施設や、貨車が留置されたヤードが広がり、ワクワクする風景の連続!
民家は少ない。
蘇澳へ分岐する蘇澳新駅では、かなり広いヤードにいろんな貨車が停まっていて車庫もある。
うわ〜楽しそう。後で寄ろう。時間あるかな?
宜蘭駅を降りると晴れてきた。駅舎はそれほど古くないがどっしりと風格あるデザイン。
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宜蘭県の名にもなっている宜蘭のまちは、古くは客家人が住み着いた場所といい、円形の城壁に囲まれていた。
客家円楼の巨大版を想像してみる。台北と同じく日本統治時代に城壁は撤去されその跡に道路が作られた。
今もまちの中心部が環状の道路、旧城路に囲まれているのが地図を見ればよく分かる。
まずは旧城路沿いに歩こうと歩き出しかけると、駅前に古そうなレンガ建築が!
宜蘭は日本統治時代の近代建築がガイドブックにもいくつか載っているくらいだから
他にも見るべきものがあるだろうと踏んでいたのだが、いきなり現れたな。
有名物件も旧城路に沿って並んでいるので回りやすい。まずは日本統治時代に作られた旧宜蘭監獄署の門。
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これは門だけを文化財とした、いわば日本的手法の保存物件。
監獄はとうの昔になくなり今は大規模な商業ビルが建っているが、もう一つ、灯台のような形をした塔が
弧を描いた旧城路沿いに残されていた。この「監獄崗哨」は脱獄者を見張るためにおかれたもの。
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少し歩くと公園内に日本家屋がいくつか固まっていた。レンガや石の塀に囲まれ、集落的な様相を保っている。
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メインの建物は行政長官の旧公邸を活用した宜蘭設治紀念館。周囲の平屋の一戸建ては住宅は宜蘭庁官舎区。
庶務課長や農林学校校長の住まいが修復・改修され一般公開されている。まだ時間が早くて入れなかったが。
ここも今残る遺跡を石垣や生け垣も含めて丸ごと保存活用している。
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公園の床に、宜蘭のまちの変遷を示した絵図が埋め込まれていて、これは焼き物でできている。
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城壁が撤去された跡地には、一時期は線路が伸びていたようだ。面白いなぁ〜
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先へ進むと高い煙突が見えてくる。宜蘭酒廠だ。
在台の友人に聞くところによれば、台湾では今もたばこもお酒も専売制で、国営企業みたいなところが
独占的に製造販売しているらしい。各主要都市に日本時代に作られた工場があり、徐々に集約しているのか
郊外に移転しているのか、市街地に大面積を占める工場は廃止されていっている。
跡地はマンションやオフィスビル建設など高度利用されるのかと思いきや、どこでも敷地一帯を公園に整備し
産業遺産として大切にされているのが驚きである。
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宜蘭の工場はまだ半分以上の施設が現役で、実際にお酒を作っている。道に面した側の数棟の建物だけが
資料展示や商品の直売所、飲食店、土産物屋などとして使われていている。
観光バスの客が紅麹ソーセージにかぶりつきながら歩く中庭では日本の歌謡曲をアマプロみたいな
おっちゃんが熱唱して並べたCDを売っていた。そしてそのとなりの棟では黙々とお酒が作られているのだ。
俗っぽい観光用のエリアは現役工場のエリアと仕切られておらず、すごくきれいに改修されているわけでもない。
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ありのまま、という感じなのだ。どこに行ってもそういう大らかさというか余裕を感じる。
急いで売り払う必要がない。ただちに事業で採算をとる必要がない。それは公営の企業だからできること
なのかもしれない。しかしそんな産業遺産・歴史遺産公園がまちの中心部に整備されることで、まちの魅力が
ぐっと増し、文化とにぎわいと潤いのあるまちになっているんじゃないか。
いったん更地になってから突如できた公園よりもずっと存在価値があり、わがまちのシンボルとして愛着を
持ち続けられる空間なんじゃないか。・・・などといろいろ考えながら紅麹ソーセージを食べる(笑)。
城壁も半周を過ぎた。おや、おしゃれな手作り風の案内看板が。
歴史を解説したレリーフなどによるとこのエリアは宜蘭で最初に人が住み着いた場所らしく、入り組んだ
路地に古い民家や井戸などが残っているようで興味深い。
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そろそろと入って行くとさらに細い路地に分かれ、案内板によれば古井戸は人の家の裏庭にあるようなので
ためらっていると、その辺の住人らしきおっちゃんが、古井戸を見に来たのか?そこを入るんだよ、
どうぞどうぞ!(言葉は想像)と言ってくれたので、安心して入って行く。ほんとに、人んちの中庭だ。
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家の犬にワンワン吠えられながら古井戸を見る(そりゃ怪しいわな)。
城壁路をぐるりと一周したあと円の内部に入り込み市場を見に行く。
・・・と、こんなのを発見!宜蘭戲院、映画館だな。天井が抜けているところを見るとすでに廃墟か。
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いろいろと張り紙がしてあり、のぞき込むとおばちゃんが猫にエサをやっていた。声をかけて
見せてもらおうかと思ったが、ちょっと異様な雰囲気を感じたので見つからないようにささっと
写真を撮ってその場を後にした。
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市場はすごい熱気!!ぎゅうぎゅうの人波の中をゴミ収集のパッカー車が進み、店の人はここぞとばかり
ゴミを持ち出して車に押し込む。それをよけながら、お客は買い物をしている。すごいパワーに圧倒。。。
古い商店建築もちらほら見られた。
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さぁ、荷物を受け取って、蘇澳へ移動しよう。
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まだ続く。
翌日朝から宜蘭へ向かう。どんより曇った天気。北へ進むにつれ山がどんどん迫ってくる。
太魯閣渓谷を過ぎると山はますます迫って屹立し、荒々しい山肌を見せてくる。山自体が石灰岩の岩盤なのだろう。

駅ごとにセメントのプラントや石灰石の積み出し施設や、貨車が留置されたヤードが広がり、ワクワクする風景の連続!
民家は少ない。
蘇澳へ分岐する蘇澳新駅では、かなり広いヤードにいろんな貨車が停まっていて車庫もある。
うわ〜楽しそう。後で寄ろう。時間あるかな?
宜蘭駅を降りると晴れてきた。駅舎はそれほど古くないがどっしりと風格あるデザイン。

宜蘭県の名にもなっている宜蘭のまちは、古くは客家人が住み着いた場所といい、円形の城壁に囲まれていた。
客家円楼の巨大版を想像してみる。台北と同じく日本統治時代に城壁は撤去されその跡に道路が作られた。
今もまちの中心部が環状の道路、旧城路に囲まれているのが地図を見ればよく分かる。
まずは旧城路沿いに歩こうと歩き出しかけると、駅前に古そうなレンガ建築が!
宜蘭は日本統治時代の近代建築がガイドブックにもいくつか載っているくらいだから
他にも見るべきものがあるだろうと踏んでいたのだが、いきなり現れたな。
有名物件も旧城路に沿って並んでいるので回りやすい。まずは日本統治時代に作られた旧宜蘭監獄署の門。

これは門だけを文化財とした、いわば日本的手法の保存物件。
監獄はとうの昔になくなり今は大規模な商業ビルが建っているが、もう一つ、灯台のような形をした塔が
弧を描いた旧城路沿いに残されていた。この「監獄崗哨」は脱獄者を見張るためにおかれたもの。

少し歩くと公園内に日本家屋がいくつか固まっていた。レンガや石の塀に囲まれ、集落的な様相を保っている。

メインの建物は行政長官の旧公邸を活用した宜蘭設治紀念館。周囲の平屋の一戸建ては住宅は宜蘭庁官舎区。
庶務課長や農林学校校長の住まいが修復・改修され一般公開されている。まだ時間が早くて入れなかったが。
ここも今残る遺跡を石垣や生け垣も含めて丸ごと保存活用している。

公園の床に、宜蘭のまちの変遷を示した絵図が埋め込まれていて、これは焼き物でできている。

城壁が撤去された跡地には、一時期は線路が伸びていたようだ。面白いなぁ〜

先へ進むと高い煙突が見えてくる。宜蘭酒廠だ。
在台の友人に聞くところによれば、台湾では今もたばこもお酒も専売制で、国営企業みたいなところが
独占的に製造販売しているらしい。各主要都市に日本時代に作られた工場があり、徐々に集約しているのか
郊外に移転しているのか、市街地に大面積を占める工場は廃止されていっている。
跡地はマンションやオフィスビル建設など高度利用されるのかと思いきや、どこでも敷地一帯を公園に整備し
産業遺産として大切にされているのが驚きである。

宜蘭の工場はまだ半分以上の施設が現役で、実際にお酒を作っている。道に面した側の数棟の建物だけが
資料展示や商品の直売所、飲食店、土産物屋などとして使われていている。
観光バスの客が紅麹ソーセージにかぶりつきながら歩く中庭では日本の歌謡曲をアマプロみたいな
おっちゃんが熱唱して並べたCDを売っていた。そしてそのとなりの棟では黙々とお酒が作られているのだ。
俗っぽい観光用のエリアは現役工場のエリアと仕切られておらず、すごくきれいに改修されているわけでもない。

ありのまま、という感じなのだ。どこに行ってもそういう大らかさというか余裕を感じる。
急いで売り払う必要がない。ただちに事業で採算をとる必要がない。それは公営の企業だからできること
なのかもしれない。しかしそんな産業遺産・歴史遺産公園がまちの中心部に整備されることで、まちの魅力が
ぐっと増し、文化とにぎわいと潤いのあるまちになっているんじゃないか。
いったん更地になってから突如できた公園よりもずっと存在価値があり、わがまちのシンボルとして愛着を
持ち続けられる空間なんじゃないか。・・・などといろいろ考えながら紅麹ソーセージを食べる(笑)。
城壁も半周を過ぎた。おや、おしゃれな手作り風の案内看板が。
歴史を解説したレリーフなどによるとこのエリアは宜蘭で最初に人が住み着いた場所らしく、入り組んだ
路地に古い民家や井戸などが残っているようで興味深い。

そろそろと入って行くとさらに細い路地に分かれ、案内板によれば古井戸は人の家の裏庭にあるようなので
ためらっていると、その辺の住人らしきおっちゃんが、古井戸を見に来たのか?そこを入るんだよ、
どうぞどうぞ!(言葉は想像)と言ってくれたので、安心して入って行く。ほんとに、人んちの中庭だ。

家の犬にワンワン吠えられながら古井戸を見る(そりゃ怪しいわな)。
城壁路をぐるりと一周したあと円の内部に入り込み市場を見に行く。
・・・と、こんなのを発見!宜蘭戲院、映画館だな。天井が抜けているところを見るとすでに廃墟か。

いろいろと張り紙がしてあり、のぞき込むとおばちゃんが猫にエサをやっていた。声をかけて
見せてもらおうかと思ったが、ちょっと異様な雰囲気を感じたので見つからないようにささっと
写真を撮ってその場を後にした。

市場はすごい熱気!!ぎゅうぎゅうの人波の中をゴミ収集のパッカー車が進み、店の人はここぞとばかり
ゴミを持ち出して車に押し込む。それをよけながら、お客は買い物をしている。すごいパワーに圧倒。。。
古い商店建築もちらほら見られた。

さぁ、荷物を受け取って、蘇澳へ移動しよう。

まだ続く。