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Channel: まちかど逍遥
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網干の山本邸を見に行く(中)

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山本邸の続き。

離れの和館は洋館と同じく大正期に建てられたものらしく、二間続きの上質な座敷が
お庭に突き出すように作られている。しかし特筆すべきはバックヤード側。
トイレや浴室に面した廊下には、六角形のステンドグラスがはまったトップライトが!




浴室は玄関と同じく大理石のモザイク床。緑色の蛇紋岩を使った鮮やかなコントラストでタイルのよう。
浴槽も大理石製だ。


上を見ると唐傘天井で中央部には湯気抜きが。


そして圧巻はこちらの洗面室。部屋の一角がタイル張りになっていて大理石製のシンクが置かれて
いるのも面白いのだが。。。


遠目で見ても気になっていた緑色に水玉模様の壁。水玉模様の正体は何かと近寄ってみれば・・・
貝!!それも普通の貝殻ではなく、貝合わせの貝なのだ!内側が金色に塗られ、人物や花鳥などの絵が
描かれている。実際にゲームとして使われたものを利用したのか、ここに貼り付けるためにわざわざ
作ったものなのか、ガイドさんに聞いてみたが分からないという。


しかし絵は皆違うし細かく描かれており、インテリア用に作ったのではなさそう。
壁に貝を埋め込むなんて、なんと奇抜な発想・・・面白いなぁ!!


ちなみに天井はダブルの、いやトリプルの格天井で、照明の部分だけ折りあがっている。
まるで宝石箱のような秘密の小部屋。なんで洗面所をこんなに手の込んだものにしたのか・・・
とても不思議。


洗面シンク周りには控えめなマジョリカタイルのボーダータイルが使われていた。


この晴れやかな座敷の裏側にあんな濃密な空間があるなんて、全く想像もつかないな!


さて洋館の2階に上がる。あの望楼の部分が吹き抜けの階段ホールである。


流れる水のように滑らかにねじれる手すり。


2階が座敷だったのは意外!数奇屋風意匠の床の間もありつつ、縦長の観音開き窓など洋風も折衷している。


正面には同じ格子パターンの引き違い窓があるのだが、さらに面白いことにその外側にはよろい戸が
付いている。観音開きで左右の扉がそれぞれ中折れする、ほんとによろよろしたよろい戸だ(笑)




続く。

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