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Channel: まちかど逍遥
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鹿児島の近代建築めぐり 尚古集成館など

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鹿児島の続き。

春日町を後にして、尚古集成館の方まで行ってみることに。そのエリアは海ぎわに盛り上がった
小山によって鹿児島のまちから隔離されているので、山を迂回する海沿いの道を行く。


その間に、薩摩の名石工岩永三五郎の手による石橋が移設保存されている石橋記念公園がある。
鹿児島のまちの中心部を貫いて流れる甲突川に架けられていた五つの石橋は、水害対策として全て
撤去され架け替えられてしまったということだが、そのうち3つがここに保存されているという。
ん?2つしか見なかったな(汗)。


鹿児島は熊本と同じく石の文化圏として知られているが、石というのは火山の溶岩である。
柔らかい溶結凝灰岩が豊富にあることで何でも石を加工して作る方が木や他の材料を使うより
手っ取り早いのだな。

みごとなアーチ、美しい全体のフォルム。生活の風景から消えてしまったのは残念だけれど、
広々とした公園に再現されて今もその雄姿を見られるのはうれしいことだ。

さて山を抜けて磯エリアにやってきたら、いきなり大観光地で団体客がぞろぞろいて驚く(苦笑)。
尚古集成館は幕末の島津斉彬の事業の一つで機械工場だった建物。これも溶結凝灰岩でできている。




島津家別邸の名勝仙厳園も一応見ておこう。桜島を築山に、錦江湾を池に見立てる発想は壮大。
入場料1000円を払って庭園の方へ入って行くが、途中まで土産物屋とかレストランばかりで、
ほんとにこの先に料金に見合うだけの庭があるのかと疑心暗鬼(苦笑)。
庭園の中央に御殿が建っていたが、ここに入るには入場園とは別に600円かかるという。
はぁ~高っ!!さすがにやめておく。


望嶽楼。琉球国王から贈られたものだとか。やはり意匠がちょっと変わっているな。


床に敷き詰められたセンという敷き瓦も、琉球っぽいというのか、なかなか見かけない模様。




「濾過池」と書かれた石造の小屋。



結果的に、素晴らしい庭園を楽しんだが、やっぱり1000円は高すぎるなぁ。
外国人ツアー客向けの場所だな。

そのあとは磯地区の一隅にある旧鹿児島紡績所技師館へ。通称「異人館」。
仙厳園と打って変わって、お客はポツポツとしかおらず静かで落ち着いて見ることができた。
こちらは入場料200円。


内部は写真撮影禁止だったので写真は外観のみだが、大阪の泉布観と同じような明治初期の
ベランダコロニアル建築。建物の四方に回廊がめぐり、正面に張り出したベランダが特徴。
二階は建具がはまっているがもとはオープンエアーの空間だったことが、古写真を見るとわかる。
部屋には暖炉もあり、この南国で実際に必要だったのかどうかは疑問だが、本国直輸入的な設計は
時代を語っている。


係員の方の説明を聞くと、この建物は一時、鶴丸城跡地に移築され県立鹿児島中学校の本館として
使われていて、昭和になってから現在の場所に再移築されたのだとか。別の場所へ移築されていた
からこそ今に残ったのだという。建物の運命も分からないものだ。

建物の正面側に古いアパートのような建物が建っていて、写真を撮るにも引きを取れなかったのだが、
世界遺産の登録に向け、撤去して周辺を整備することになっているという話だった。この訪問時すでに
ユネスコからの勧告は出ていて、地元は大いに盛り上がっているようだった。

市街地へ戻っている間ににわか雨に降られてボトボト。。。

続く。

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