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Channel: まちかど逍遥
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台湾 阿里山森林鉄道に乗ってきた。

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嘉義からの続き。

阿里山森林鉄道(「阿里山森林鉄路」とも)は、台湾に行きだしてからずっと憧れていた。
嘉義を朝9時に出発して阿里山上で日の出を見て、翌日夕方山から下りる定番ルートだと、必然的に
3泊4日以上の旅程が必要なので、長期の旅程でないと厳しい。
また災害や事故で不通の期間が続いていたりで、、、今までなかなか実現しなかったのだった。
今も全通はしていないが、嘉義から途中の奮起湖まで復旧しており、バスに乗り換えて阿里山まで
行けるようになっている。

嘉義の宿をチェックアウトしてから駅の行李房に荷物を預けて身軽になり、一番ホームへ行くと
すでにお客がたくさん待っている。


来た来た!阿里山鉄道は762mmのナローゲージで車両も小さい。
この阿里山森林鉄道は黒部峡谷鉄道と姉妹提携を結んでおり、雰囲気もよく似ている。→比較表があった。

停まっていた列車に乗ろうとしたら、待て待てと止められた。団体専用列車のようだ。それがひと足先に出発し、
そのあと入線してきたのが私の乗る列車で、9時ちょうどに出発。

空席が残ったまま嘉義駅を出発した列車は北門駅でお客をたくさん乗せ、満席となった。
昨日見た車庫園区の一番端の線路を歩くほどの速さでチンタラ進む。。。
都心部を過ぎるとようやく快走、とは言っても原チャリより若干速いぐらいか(笑)
ガタンゴトン、ガタンゴトン、揺れる揺れる。

安全のためだろう、機関車は下手にいて、行きしなは5両の客車を押して進む。

そうこうしているうちに竹崎駅に到着。ミントグリーンのペンキで塗られた可愛らしい木造駅舎だ。
構内は広く、貨車なども停まっている。すでに木材の運搬はしていないので保線用だろうか。
蒸気機関車が活躍していた当時は、この先の急勾配路線に備え水や燃料の補給等もしていただろう。

降りて散策したいが、、、全席指定なので無理(涙)。

あっ、三角線(デルタ)があるのか!慌ててカメラを構えたがうまくとれず(汗)。
分岐部分にはちゃんと看板が立てられていた。


ここまでは平地を走ってきた阿里山鉄道だが、竹崎駅から先が森林鉄道の名にふさわしい山間路線。
山に入った途端どんどん上る、上る。すごい勾配だ!それにありえないほどの小さいRでクネクネ、
チマチマ、崖に沿って進んでいく。ガタゴト、キーキーいいながら、みるみるうちに街ははるか下になった。


私の席は進行方向に向かって右側の一人用の席だったのだが、左側の方が谷側で視界が開けていることが多く
風景はよかったなぁ。。。満員だからあっちこっち動くこともできず。。。おまけに窓ガラスは
汚れているので・・・(苦笑)


樟脳寮駅はスイッチバックの駅で、ちょっと賑やか。バスで巡っている観光客たちだろうか。
ここでちょうど電池がなくなったり・・・行きも帰りもうまく撮れず悔しい。

奮起湖から阿里山間が不通の今、一番のクライマックスは独立山の三重ループ線だ。
まるでヘビのとぐろ。。。こんなループ日本では見たことない!


北陸本線や肥薩線のループ線は経験したことあるが、径が大きいので回っている感覚もあまりない。
しかしここは、ほんとにくるくる回っていることを実感できるのだ!
行きしなは山側だったのでよく見れなかったが、帰りは谷側だったので、ヘビの肩あたりからシッポを
見ることができた(笑)。但し一瞬だったので写真は撮れず。。。(悔)


茶畑やそそり立つ岩壁や靄が湧き出る深い山の風景を見ていると居眠りする暇もない(笑)。


朽ちかけ森に返りかけてる古い高架線があったり。


水社寮駅。
こんな高地にも集落があり、住んでいる人々がいる。観光客が来るような場所ではない。




竹崎から奮起湖まで距離はわずか31.6km、そして高低差が1278m。平均で単純計算しても
40パーミル!?ほぼ休憩もなしに2時間走り通すのだから、この機関車の頼もしいこと!




2時間20分の旅を終え奮起湖駅に到着。


この暫定終着駅、奮起湖駅の広い構内には貨車や小さな機関車が停まっていて、木造の車庫もある。
ここも山間の傾斜地に張り付いたような集落で、駅前には老街と呼ばれる穴ぐらのような商店街があり、
山で採れるわさびや愛玉の実や火車餅などのお土産など売っている。
お昼時でもあり鉄道弁当も人気で、皆散策したり食事したりしている。しかし、賑やかなのは駅前だけ。
30分もあればもう見尽くしてしまう。
名に負う「奮起湖」はどこにあるのだろうか。付近の地図にも見当たらず。


奮起湖から阿里山までの鉄道不通区間はバスになるが、阿里山行きの直通バスは1日1本しかなく、
バスは14:40発、ここで約3時間も待つことになる。う~む。


そこで小さなバスで石棹という町まで行き、嘉義から来る阿里山行きのバスに乗り継ぐ計画を実行した。
なんとうまい具合に、石棹に着いたら嘉義から来たバスが待っていて、全く待たずに乗り継ぐことが
できた!嘉義からのバスの時間は分からなかったため1時間ぐらいは待つ覚悟での冒険だったが、
ちゃんと連絡しているのだな。
こうして正攻法で行くよりも2時間早く阿里山上に到着することができたのだった。めでたし!

続く。

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