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Channel: まちかど逍遥
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別府の青い温泉 ~後編

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別府の続き。

実はこの旅、会社から直で行くため身軽に身軽にと荷物を最小限にすることに腐心していたら、
なんたることか、カメラを持って来るのを忘れてしまった。今回の写真はすべてスマホ・・・ガックリ。

豊山荘を出て鉄輪へ戻り、ゆっくりランチを食べた後、バスで次の温泉へ向かう。
目指すは観海寺温泉のいちのいで会館。ここでは食事と入浴がセットになっており、必ず食べないといけない。
・・・しかし、おなかがいっぱい(苦)。ちょっと運動を兼ねて散策するため途中で下車し、
南立石公園をぐるっと一周歩いたあと、近くの気になる温泉を見に行こう。


「百花村温泉」。その名前に惹かれて見に来たのだが、何と素敵な佇まい!古い木造の小屋の基壇部は
カラフルな別府石で飾られている。正面側は化粧板で改修されているが、側面と背面はオリジナルだろう。
そして何と言ってもこの立地がいい。辻のど真ん中にデンと建っているのだ。ぐるりと四方が道路。
地域のシンボル、ランドマークのような位置づけだろうか。


とっても入りたかったが、マップにも組合員のみの浴場と書いてあるし、「組合員以外は100円」などの
表記が見当たらない。。。残念だがあきらめて次へ行こう。


もうひとつ、百花村温泉からほど近いところにある、新六角温泉を見に行く。
ここは、地図を見ていたら必ず目に留まる、くもの巣のような六角形の街区の中央にある温泉。


立て看板の説明によると、昭和8年に国武合名会社がこのあたりを郊外型高級別荘地として開発を計画した。
「緑ヶ丘」「雲雀丘」「百花村」「鶯谷」の4つのエリアに分け、それぞれの中心に共同温泉を
配置したのだという。そうか、さっきの百花村温泉もそうして建てられたんだな。
この緑ヶ丘はもちろんイギリス発祥の田園都市の思想に基づいたもので、
放射状の街路が集まる中央部に六角形の広場があり、元は六角形をした「緑ヶ丘中央温泉(通称六角温泉)
が建っていたとか。


平成16年に台風の被害を受けて大破し、新六角温泉はその翌年に新しく建て直されたものらしい。
ところでこの六角形の敷地内に、高級別荘地らしからぬ古いアパートが建っている。これは何だろう?
湯治用の建物だったんだろうか??


ここも組合員しか入れない温泉ということだが、ちょっと中を覗いたら、浴槽は六角形だった。ヒュ~♪
六角形はこのまちのシンボルマークになっているのだな。


さてここから再びバスに乗り、いちのいで会館へ向かう。事前に電話して聞いたところでは、最寄の
明豊キャンパス前バス停からでも20~30分歩かねばならず、タクシーで来るのが普通だとか。
しかしgoogleで見ると1kmぐらいしかなく、15分くらいだろうと見込み歩いていくことに。
ところが・・・・住宅街を抜け川を越えたところから信じられないくらいの急勾配の坂道!!
猛暑日の炎天下、心臓破りの坂を汗だくになりながら上ること7~8分。いちのいで会館に到着。
確かに15分ぐらいで着いたが・・・ワンメーターならタクシーがいいな。。。

男湯と女湯は日替わりになっていて、奇数日の今日はまちを見渡せる景観の湯が女風呂。やったー!
スリッパに履き替えて建物の裏手へ出、山道(!)を少し上ると、小さな小屋の向こうに・・・

おぉ!!青い!
プールほどもある広い温泉。ぬるくて気持ちいい~~。あぁ、汗だくになりながら来てよかったぁ!
誰も先客はおらず、この温泉も風景も独り占め!泳いだり、浮かんだり。


ちなみに、石で組まれた浴槽二つは、熱くて入れない!おそらく源泉が直接注ぎ込まれているのだろう。
メタケイ酸は空気に触れて時間が経つと青くなるというので、プールの方は少し時間を置いたお湯
なのだな。

それにしてもプールサイドのコンクリートの熱いこと熱いこと。裸足では一秒も立っていられない(苦笑)。

青い温泉でひとり優雅に過ごしたあと、クーラーのよくきいた座敷で松花堂弁当を食べ(こちらは割とショボめ)、
リラックス。。。
さっき電話に出たお兄ちゃんが「歩いて来たんですか?帰り車でどこかまで送りましょうか?」と。
「えっ!?そんな、申し訳ないですから」「帰るついでだからいいですよ」。なんて親切なの~~~!?
そうして急坂もラクラク下り市街地まで戻ってくることができた。お兄ちゃん、ありがとう~~~
いちのいで会館の株は急上昇(笑)

車を下りる直前に目に止まった建物を見に行くと、うわぁ~、タダモノでない雰囲気の玄関。




松下金物店、ここも前回も見ていなかったな。スクラッチタイルとテラコッタが使われている。




さて、フェリーの時間までまだ少しあるので、お茶をしようか、それとも・・・あっそうだ!
前から入ってみたいと思っていた春日温泉へ行ってみよう。
表側は公民館になっているが、横の路地を入っていくとお風呂である。
写真を撮っていたら、お風呂に入りに来たおばちゃんと目が合った。にこっと笑って会釈。


写真を撮ったあと私も100円払って中へ入る。
「どこから来たの?」「大阪です。暑いですねぇ」「大阪のほうが暑いでしょう」「あぁ確かに」
おばちゃんたちと和やかに世間話をしながら、この素朴な温泉を楽しむ。
しかし・・・・結構熱いお湯。


おばちゃん曰く、この建物は大正時代に建てられたものだとか。壁の板はペンキを塗り重ねられてこってり。


男女の仕切り壁の奥に古い石の柱が建っており、人の名前が彫られている。この温泉の建設に
関わった人々の名のようだ。その柱の上の方はカーテンで囲われていたのでちょろっとめくってみると
柱の上にはお地蔵さんが鎮座していた。(大仏さんのような頭だが、お地蔵さんなのだそうだ)

今も定期的に行われる「おせったい」とは、地蔵盆のようなものだろうか、子供たちが家々を回って
お菓子をもらうのだとか。そんなお話もいろいろと聞かせていただいた。
私より先に上ったおばちゃんたち、「お元気でね」「またどこかのお風呂で会いましょう」と優しい
言葉を残して去って行った。あぁ、別府は人も温かいなぁ。また行きたいなぁ~。

終わり。


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