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Channel: まちかど逍遥
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佐田岬半島の石垣、再び(3) 松

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明神からの続き。

興奮の赤石垣を見たあとは、いよいよ松へ。
松では青石でできた「スベリ」と呼ばれる施設が残っているというので、前から見たいと思っていた。
例の石垣マップには載っていないのだが、ECPRという冊子に写真が載っていたのを見たのだ。
前回の石垣めぐりのきっかけは、近代建築写真展の撤収のときにこの冊子をもらって読んで、
それで俄然愛媛に行きたくなったのだった(笑)。

神崎への道のりに負けず劣らずのくねくね道を走り、松の漁港へ到着。
意外なことに今までになく人がたくさんいる。ここは釣りのメッカのようだ。

おお〜っ、これかぁ!スベリとは、船小屋へ船を滑り上げるための斜面のことである。
これもタテハというのだろうか、矢羽根状に並べて敷かれた青石は明るい青緑色だ。


水に浸かっている部分も青石の石畳が続いている。水に洗われた青石はひときわ鮮やかな色を放つ。
あぁ・・・美しいなぁ。寝転びたい衝動に駆られる・・・


たぶん一人なら靴を脱いで水に入っていただろう(笑)。


陸地に目をやれば、簡素な船小屋が数棟並んで建っている。


壁はなく屋根だけのオープンなもので、高さは低い。簡素なつくりの割にやたら柱が太いな!
海際で波風にあおられても大丈夫なように、丸太を地中深くまで打ち込んであるのだそうだ。
屋根はほとんどトタンに変わっているが、朽ちて草に埋もれかけた古い船小屋には瓦が見られた。


縦列で2艘の船を格納できるようになっている。エンジンを積んだ船が入れてあった。現役だな。
佐田岬半島でこのような船小屋が残るのももうここぐらいだといい、貴重な産業遺産である。
(現役だから遺産ではないか!?)


長く伸びた突堤の先で釣り人が何人か糸を垂れている。この突堤ももちろん青石積みなのだが、
コンクリートでがっちり固められているので味わいは薄い。


先の方へ歩いていくと、おや、横の崖が青い。緑色というより水色と言っていいような明るいブルー。きれ〜い!
スベリに使われているのもここの石だろう。青石と言っても実にいろんな色合いがあるものだ。


波に打たれて自然にボロボロと崩れていっている。不思議なことに、ミルフィーユのように積み重なった
層の方向だけでなく、層に対して垂直方向にもきれいにスッパリと割れるのだという。


山深い入江の小さな港。なんだか夢の中のような景色。。。


日暮れまでここにいたい気がしたが、そういうわけにもいかない。後ろ髪引かれながら
松の港をあとにする。。。


佐田岬の先端に立つ佐田岬灯台は、駐車場からアップダウンの山道を片道20分ぐらい歩かねばならないらしい。
今日は石垣三昧でいきましょうということで、今回もやっぱりパス(汗)。
その代わりと言っては何だが、通り道にあった見舞崎灯台を鑑賞。

佐田岬半島のいちばんの観光スポットである佐田岬灯台へ行ける日はいつか来るのだろうか(苦笑)。

続く。



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