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Channel: まちかど逍遥
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日本丸館を見学。

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2023年3月の九州北部の旅、続き

豆田町のシンボル的な建物のひとつ、日本丸館は、建ちの高い2階の上に展望楼が載った独特のフォルム。


日本丸とは、安政2年創業の老舗岩尾薬舗がかつて製造していた薬の名前。「にほんまる」でなく「にほんがん」と読む。
この建物の1階では今も薬屋を営業されているが、建物の大部分は資料館として一般公開されている。
日田に着いた日は時間がなかったので翌日の朝にゆっくり見学させてもらった。


店舗に併設する蔵の奥には昔の作業場が残されており、石畳の床や流し台なども見られる。道具類もたくさん
置かれていて、ここで生薬を煮たり砕いたりして薬を作っていた光景を彷彿とさせる。


この流し台が変わっているな!表面に墨流しのような模様が入っているのだ。「人造石仕上げ」と説明が書かれて
いたが、いったいどうやって作られたのだろう?色を付けたモルタルを交互に流し込んだとしてもこんな細かい
縞はできないだろう。


一部欠けた部分を見ると、表面だけでなく内部まで縞になっていた。
陶芸の練り込みのように粘土で作ったのだろうか?・・・ということは焼き物??不思議・・・




蔵の2階と3階には資料が満載!そこここに古いホーロー看板やらパッケージやら、ノベルティやらが所狭しと
飾られていて楽しい楽しい!


日本丸は、岩尾家に300年来伝わる家伝薬を明治20年に岩尾昭太郎が商品化したもので、昭和40年代まで
製造されていた。日の丸をイメージしたという赤い丸薬は、梅仁丹のようだ(笑)。


蔵から母屋3階の展望楼へ上ることができる。もとの展望楼は昭和初期に造られ、四方が杢枠付きの窓だったが、
1991(平成3)年の台風19号により損壊したため修復された。




現在はシンプルな部屋だが、そこからの眺めは素晴らしい。ほぼ同じ高さに、私たちの泊まっている若の屋の部屋が見えた。


母屋の2階の2間続きの座敷にはこの時おひな様が飾られていた。1階は明治初期、一部は江戸末期の築だが
2階は明治後期に増築されており、床の間や欄間、火灯窓など凝った意匠が見られる。


そして、なんと座敷の前には庭があるのだ。えっここは2階では・・・!?
なんと空中庭園である!かつては噴水もあったとか・・・すごいな!


空中庭園の横の通路から、離れの「隠宅」につながっている。


そしてこの通路の途中にタイル貼りのトイレがあるなんて、なんと面白い!無釉モザイクタイルの市松貼り。
モダンなこと!


階段の柵もこのような、洋風なのか中国風なのかわからないが面白いデザイン。


離れは江戸後期~明治時代の建物ということだが、2階の座敷は明るく洗練された近代和風らしい空間だ。


増改築が繰り返された日本丸館はいろんな時代の要素が入り混じり迷路のようで楽しかった!



前後するが前日の夕方、教えてもらった喫茶店で閉店ギリギリ駆け込みでマイセンのタイルを見せてもらった。
ドレスデンにある世界一美しい牛乳屋「プフント兄弟のドレスデンの牛乳屋」の壁にあるのと同じものとか。


青いタイルは「ブルーオニオン」シリーズ。50年以上前に製造終了となっており大変貴重で入手困難だそうで
ご主人の自慢の品だ。


続く。

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