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Channel: まちかど逍遥
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麻野館に泊まる

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2020年1月の伊勢・鳥羽の続き。

さて今宵の宿は、海沿いの旅館街の中の1軒、麻野館。1893(明治26)年創業の老舗旅館だ。
以前二見浦をうろついた時も、こんな宿に泊まりたいなぁと思って見ていたのだが、10年の時を超えて実現(笑)。
実際のところ比較的リーズナブルなのだ。


左側のむくりのついた破風の玄関は現在は使われておらず、その前が業務用の車の置き場になっていたのは
残念だが(苦笑)、老舗らしい風格ある佇まいに気分が上がる~~


あらかじめ指定していた「寿」の間に通される。おぉ~~、よいねぇ~~!!


海に面したいちばんいい部屋。窓の外には青い海が!!


この部屋はその名の通り、おめでたい意匠がたくさんあるのだが、いちばんの見どころはこれ!
次の間との境の2枚の欄間に、七福神の顔が透かし彫りされているのだ!




そして床の間の袖壁には、この部屋の名になっている「寿」の文字が、透かしで入っている。面白い!
どうやって作ったのだろう。土壁を糸のこで切り抜いたのかなぁ!?こんなきれいに切り抜けるのかな!?


アルファベットの「SU」の文字が見える。「寿」の音が文字の中に組み込まれているなんて、粋だなぁ!


袖壁の裏側は棚になっている。垂れ壁の小口には曲げた竹をつかって美しく納めてある。


書院の欄間には、扇型に水車(観覧車ではないよな笑)、波に千鳥、太鼓橋に松の木。おめでたい雰囲気の
モチーフが盛りだくさん!


他の部屋も皆違った意匠があるらしいので、空いている部屋を案内して頂いた。
こちらは「菊」の間。欄間には菊の垣が。


床柱に四方竹、花灯窓。


「桐」の間の欄間は桐の花が大胆にあしらわれている。


こちらは、「鶴」の間。松に鶴のダイナミックな構図。


おや、この床の間の壁を扇型に抜いた意匠、見たことあるぞ・・・デジャブかな?いや、賓日館で見たのと
同じじゃない?翁の間にこういうのがあったな。


実はこの麻野館は賓日館と同じ建築家(棟梁?)が手がけたのだとか。賓日館ほどのきらびやかさはないが
共通する意匠はこのほかにも見かけた。


こちらは「宝」の間。




この障子は賓日館のさくらの間で見たものに似ているし、その下の透かし彫りも大広間にあったのと雰囲気が似ている。


窓を開けると階段ホール。


各部屋違ったデザインの下地窓が廊下を飾る。




細竹を組み合わせた格子。うまくできているなぁ。


おや、ここは何?


ちらっと覗いたら大広間だった。賓日館の120畳の大広間には及ばないが、80畳敷きの折り上げ格天井の
大広間は十分豪華!


続く。

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