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Channel: まちかど逍遥
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筑後吉井の朝散歩 長尾製麺

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2020年2月の筑後吉井の続き。

翌日は、朝から散歩に繰り出す。・・・さむっ!!
いつものようにまちの大外から歩こう。古い町家や邸宅の門など、気になる建物がたくさん現れる。。。
筑後吉井は、城下町久留米と天領日田を結ぶ豊後街道の宿場町として栄え、製蝋業や醸造業、金融業など
各種産業が発達して大いに繁栄したところ。


町家に挟まれた長いアプローチの先に大きな門が。お寺かと思ったが、邸宅のようだ。。。


奥まったところにあった茅葺きの薬医門。ちょっとタダモノではなさそうな物件が次々。。


こういう小さな石の祠がまちなかにたくさん見られ、心惹かれる。いずれもきれいに保たれている。


おや、水路沿いに建つこの下見板張りの建物は何だろう。古そうだな。


表側に回って驚いた!これは、すごい!!下見板貼りで縦長窓が並び、中央部に洋風のレリーフ装飾がついている。


窓の下に「長尾製麺」の文字が直接壁に書かれている。長尾製麺の工場だ!おしゃれな工場だなぁ~~~


カッコいい鉄の持ち送り。


これは元々国の建物で役所や農協本部や公民館などに使われて来たのを、払い下げられ購入したのだと、
後からお店の人に聞いた。二階には大ホールがあるそうだ。
1920年ごろの地図ではこの敷地は空き地になっているので、建物は大正後期以降のものと思われる。
長尾製麺自体は江戸時代創業で200年の老舗だという。


奥行も結構あり、裏側はさっきの水路までが敷地である。
昔からの巨大工場は、防犯上の理由と思うが堀で囲まれ外界から分断されていることが多い。
何だかそれに似て大工場の風格が漂っている(笑)。


入口の脇の壁に、ほうきが1本吊るされていた。天然素材の細いほうきだが、こんな目立つところが所定位置?
これはおそらく、看板の埃をはらうための専用ほうきと思われる。会社の顔である看板を、毎日これで優しく
撫で清めているのだろう。実直な会社だということが、このほうきから伝わってくる。


以久波のお姉さんが教えてくれた、おいしいうどん屋「井戸」はこの長尾製麺所のやっているお店。
但し、工場が休みの日曜しか営業していない。今は朝早いので開いていないけど、今日は日曜日。うまくタイミングが合うかな?


角地に建つこの米穀商も大きいなぁ。とにかくすべて商店の規模が大きい!それだけ消費する人口を有していたのであり
まちの繁栄ぶりが偲ばれる。


おや、あれは・・・タイルだ!


無釉のモザイクタイル。ひし形を3つ並べた六角形が立方体に見えるので俗に3Dタイルとも呼ばれる(笑)
無釉モザイクでもこれは戦前のものと見える。


町家の窓下に二丁掛のタイルが貼られているのはよくあるが、こんな出窓の格子の下に、しかも床ではよく見かける
無釉モザイクを垂直に貼っているのは変わっているなぁ!!面白い。


こちらもまた変わっているぞ!戸袋に乱貼り風タイルが。


まちなかにはところどころ干からびた水路が見られた。かつては生活用水として使われていたのが、上下水道が整備されて
不用になったのだろう。しかし景観のためにも水路は是非活かしてほしいなぁ。


こちらは改修済みの建物。


続く。

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