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Channel: まちかど逍遥
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吉島家住宅

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飛騨高山の続き。

重要文化財の旧日下部家住宅の隣には、吉島家住宅がある。何とこちらも重要文化財。2軒も並んでいるとは!!


隣と同じくずいぶん引き込まれた玄関に、「二つ引き両紋」を染め抜いた麻の暖簾がかかっている。
吉島家は代々酒造業を家業とした豪商で、生糸や繭の売買、金融業も営んだ。


中に入ると、こちらもまた吹き抜けの大空間!!農家や邸宅ばりのスケールで、これが町家であることを忘れさせる。
まるでジャングルジムのような小屋組!


現在の建物は1905(明治38)年の火事で焼け残った部分に増築する形で、元の建物を建てたのと同じ大工、
西田伊三郎の手により1907(明治40)年に完成。日下部家よりも少し規模が大きいようだ。


土間に張り出したオープンな畳敷きのスペースは、「部屋」と呼ぶにはどうにも違和感があり、「小上がり」「テラス」、
または「床」・・・?何と呼ぶべきか。。


土間にはかまどもある。


奥へ抜ける手前にあった手洗い場の人研ぎシンク。これはあとからつくられたのかな。


中庭には井戸もあった。


1階の仏間や座敷や次の間などの配置は日下部家とも似ている。




この釘隠しは、吉島の「吉」の字を崩したデザインだというが・・・どこがどう「吉」なのか??ちょっとよくわからない。
館内にはうさぎの形の釘隠しもあるらしいが(見つけられていない汗)、吉の字の釘隠しがいくつか盗まれたため
別のところから持ってきて取り付けたのだと言う。盗む輩、許せん!!


襖の唐紙は、五七の桐模様が立体的なレリーフになるほど顔料がたっぷり乗っている。


奥の離れの和室から直接つながった土蔵。


この家は2階がまた面白い。ひと部屋ごとに床が上がっているスキップフロアになっているのだ。
しかも各部屋間の段差は約30~60cmとかなり高く、踏み段が設けられているほど。


いちばん奥の座敷にたどりつくまでに少なくとも3回は段差を上っていて、合わせると半階分くらいの高低差がある。
隣同士の部屋の関連性は薄そうで、上手の部屋に座っている人と目線の高さを合わすというような
よくある目的でもなさそう。
何か忍者屋敷みたいで面白い(笑)。遊び心なのだろうか。

この下の1階部分の天井は高さが違っているのか、気になったが確認するのを忘れたな・・・(汗)

2階の奥の座敷は、いちばん高いところにあるからと言って格式ばった感じは全くなく、数寄屋風の意匠も取り入れられ、
リラックスした雰囲気。


竹を使った欄間。軽やかに飛ぶツバメの姿が透かし彫りになっている。




かわいいなぁ~


庭に向かって大きな窓が取られ明るく風通しがよい、居心地よさそうな部屋だ。


床柱はまるで雑巾を絞ったようにねじれた木が使われている。どうやったら木がこんなにねじれるの!?


ちなみにこの家にはタイルはなさそうだった(笑)

続く。

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