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Channel: まちかど逍遥
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商家博物館 むろやの園

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柳井の続き。

伝建地区、柳井のまちなみの中で一般公開されている「商家博物館 むろやの園」は、西日本有数の油商であった
小田家の建物群で、名前は屋号の「室屋」に由来する。

金屋通りに面した主屋の間口は約20mとかなりの広さだが、敷地の奥行は何と119mもあるとか!
敷居内には、1732年ごろに建てられたとされる主屋をはじめ11棟の建物があり、江戸中期の屋敷構えをそのまま
残している。現存する町家では最大級のものという。


入ってみよう。道路に面した主屋には店の間や座敷など8室がある。
数寄屋のような風変わりな装飾やこれ見よがしな贅沢さはないが、いい材料を使ってきっちり建ててあるという印象。
商売も堅実だっただろうと思わせる。


格子に見えた欄間は、近づいてみると木の葉型の連続した七宝つなぎのようなデザインだ。






濡れ縁の先にお風呂場があった。


こちらのトイレは残念ながらタイルはなし。低くて口の大きい朝顔形の小便器でドアや仕切りはない。
もちろん隣の大便所にはドアがあった(笑)


主屋は2階建てで、小田家が代々使ってきた生活用具や商売道具など、もろもろ展示されていた。
これらも大変貴重な資料らしく、生活用具1500点、古文書1100点が、山口県の有形民俗文化財に指定されているとか。


奥様の部屋?やその他女中部屋や下男部屋もあった。


1階へ戻り、主屋からつながる廊下を、奥へ。


途中に中庭というか坪庭を挟んでいる。このあたりで、一般的な大きめの町家の一軒分だろうというサイズ感。




奥に家族用のお風呂とトイレがあった。五右衛門風呂で、上は湯気抜きが丁寧に作られている。
家族用とはいえおしゃれな丸窓なども配されゆったりバスタイムを楽しめそうだ。




レンガの焚口。


その先には土間の台所が続く。


これは金庫ではなく、銅板貼りの古い冷蔵庫!レトロ〜




奥へ伸びている部分は敷地の間口の左端約1/3の幅である。中央部にはぽっかりと空いた庭があり、反対側の端には
蔵の列がある。中央部の庭にも元は蔵が建っていたといい、その基礎が花壇のように残っているのだ。
まぁここはむしろ庭になっている方が明るくていいな。蔵があったときにはかなり暗かっただろう。


その庭の奥には、またなんと離れの一軒家が建っていた!半閑舎と名付けられたその建物は、岩国藩主の宿泊のために
建てられたという。


敷地内にもかかわらず、板塀に囲まれ、門までついていて独立した邸宅の趣。残念ながらこの中は見ることができなかった。。


その他、油絞り場、馬小屋、長屋などもそのまま残っていて、その間を路地のような通路がめぐり、
敷地内はもうちょっとした「集落」の様相(笑)。忘れかけているがここはいわゆる大邸宅でもなく、鰻の寝床の町家なのだ!

いやはや、豪商はすごいな。

続く。


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