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福田家のタイル

竹の庄からの続き。

翌日、路線バスの時間に合わせて竹の庄をチェックアウト。すぐ近くにバス停があるから便利~♪
向かうは、ここから修善寺方面へ4kmほど行った湯ヶ野温泉の旅館、福田家である。
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河津桜祭りとあって、修善寺方面から来て河津駅へ向かう車はこの朝っぱらからずらりと列をなしノロノロだが、
逆方向の修善寺行きは空いている。逆でなくてよかった~~と思いながら、一組の夫婦と一緒にバスを待つ。
・・・しかし、予定時刻が過ぎているというのに、待てども待てどもバスは来ない。
ハッと気づいたが、修善寺行きのバスは伊東の方から来て河津にたどり着くまでに花見渋滞に巻き込まれているのだ。
バス会社に電話して聞いたら40分ぐらい遅れる見込みと。なぬ~~~っ!?・・・しかしどうしようもない。
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わさび漬けを買ったりしながら辛抱強く待つ。わさび漬け屋の奥さんも気の毒がって、下田から来るバスがあるから、と
わざわざ教えに出てきてくれたり(苦笑)。遠くにバスの姿が見えて「来た!」と色めき立ったら、バガテル公園の
方へ曲がってしまうというぬか喜びを3~4回経て、ようやくやって来たのは予定時刻をもう1時間以上過ぎてから。
あぁ恐るべし、河津桜祭り・・・
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バスに乗ったら数分で湯ヶ野に到着。川べりに旅館が数軒固まっているだけの小さな温泉街である。坂道を下りていくと、
おお、いいねぇ。いろいろ惹かれる風景が目につくが、、、、とにかく、目当ての福田屋へ行こう。
福田家は河津川の対岸に建つ一軒宿で、木造の橋を渡っていく。あぁなんて絵になるんだろう。
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1879(明治12)年創業で、川端康成が19歳のときに滞在しここを舞台にし小説「伊豆の踊り子」を書いた
ことから「伊豆の踊り子の宿」として知られている。またそれ以外の文豪も多数滞在したようだ。
古く風情のある建物と絵になる佇まい、また泉質のよさを誇る「日本秘湯をを守る会」のメンバー宿となっている。
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大きく張り出した2階の客室。全面ガラス窓で建物全体が行灯のようだ。ここが川端康成の泊まった部屋だろうか。
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その下の1階部分もまた全面ガラス窓で、手すりには家や木や帆船などかわいいモチーフの透かし彫りが施されている。
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・・・こんにちは。貸切湯入れますか?・・・どうぞ。
ちょうど入れ違いにお客がひと組出て行ったところで、タイミングがよかった!
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玄関脇にある、榧(かや)風呂、という浴室に案内される。浴槽がカヤの木で作られているのだろう。
伊豆の踊り子の主人公である「私」(川端康成)もこの榧風呂に入浴したという話だ。
あとから知ったがこの宿には露天風呂もあるようだ。立ち寄り湯がこちらのお風呂でよかった!!
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浴室の戸を開けると、目線は下に・・・半地下に降りた階段の下に真四角の浴槽がドンとあり、その周囲の
洗い場の壁にマジョリカタイルがたくさん貼られていた!!キャイ~ン!!
びっしりではないがかなりの密度。そしてその上は土留めの石積み。ここは半地下なのだ。
床には緑色の伊豆石。
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黒っぽいコンクリートの背景に真っ白なタイルか目立って派手な感じ。なんと斬新なセンスなのだろう。
後でご主人に聞いたらこのタイルも昔からのものという。
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但し、日本で乾式のマジョリカタイルが作られ始めたのは明治40年頃以降、主に大正時代なので、
創業時からのものというわけではないはず。ま、旅館の創業年がこの建物の建築年とも限らないし、
お風呂場などは設備更新で改修する場合が多いので、建物の改修歴を調べなければ正確には分からないが、
ご主人曰く古いものということだし、大正中ごろにはすでにこのお風呂があり、タイルも貼られていたんじゃ
ないかという気がする。だいいち、このタイル貼りの感覚は昭和ではないだろう。
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お湯が直接かかりにくい場所のタイルは湯あかもつかず新品のような美しさ。
カラン前の床に貼られていたタイルが1枚だけど割れていたが、あとは全く剥がれもせず割れもせず。
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ひとしきり写真を撮ったあとお湯に浸かる。ぐるり見渡せばタイルビュー、極楽すぎる・・・
お湯の中にマジョリカタイルが映りこんで、2倍の枚数に見えるのも、計算の上だろうか。素晴らしいな!!
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あぁ、1時間バスを待った疲れも癒された。来てよかったなぁ~

廊下沿いにあった手洗いが黄色の豆タイル貼り!
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かわいい~
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立ち寄り湯なので館内の部屋などは見ることができなかったが、良さそうだな。1ヶ月ぐらいこんな宿で
隠遁生活を送るのもいいかも(笑)
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続く。

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