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Channel: まちかど逍遥
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竹の庄のお風呂のタイル

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河津の続き。



竹の庄のご主人いわく、この建物はもともと東京にあった遊郭の建物の部材を譲り受けて建てたものとか。
遊郭時代の屋号は三井楼。その後この峰温泉の地で温泉閣と名を変え、旅館営業を続けてきた。
鴨居に飾られた古い欄間板は遊郭時代のものだそう。


さて浴室を見に行こう。ガラリと戸を開けると、、、おうっ、天井が高くて開放的!ガラス障子が二方の連続した
L字型の出窓に立てられ、その上には湯気抜きが。




そしてタイルは男女の仕切り壁に!!ストレートエッジの白無地タイルをベースに、額縁の中に赤と白の無地タイルが
市松状に貼られているのだ。その上の格子のパーティションもかわいい~~!


無地とは言っても、透明釉のかかり具合が味のあるグラデーションを作っている。そして赤色も真っ赤でなく、
スカーレットとか紅色と言った方がいいかもしれない、ほんのり上品な赤である。


そして中央には、縦長の額縁の中に薄い緑色の無地タイルが。こちらもきれいな色。


足下は伊豆石だろう、緑がかった凝灰岩で大谷石よりも目が細かくミソがあまり入っていない。滑らないので
お風呂場によく使われている石だ。うーん、素敵!


ちなみに、男風呂はどうなっているのか?聞けば、お風呂はこちらのみで壁の向こう側の浴室は使っていないと言う。
なんでも、ヒノキの浴槽を入れ替えたときに水漏れがしたのでお湯を抜き、長いこと置いておいたため浴槽がもう
完全にダメになってしまい撤去したそうだ。
同じタイルがあるということだったので、頼み込んでチラリと見せてもらったら、知らない間に鳥が住み着いていたと
話されていた通り確かに浴室は荒れ果てていたけど、タイルは健在だった。
しかも、ちょっと違うじゃないの~~!縁が薄いピンクで中央が緑と白の市松だった。こっちの方がより素敵!


館内には今は使われていない部屋が多くあり、そのうちいくつかの部屋をチラリと見せてもらった。
物置になっている部屋は凝った意匠の座敷。


座敷の網代天井。キラキラ青く光る壁は、もう今ではできないものだそう。


お庭の心字池はもともと縁の下まで入り込んでいて、水の上に建物が浮かんだような演出になっていたとか、
配置された石が鶴亀を表しているなどのお話も聞いた。
しかし、今は池の水は抜かれ、庭には雑草が、、、夕涼みにぴったりのテラスももうかなりガタが来ているようだな。。。
ちょっと哀愁、、、


今はもう使っていない2階の客室。


竹のデザインの透かし彫りの欄間。



ここは素泊まりのため近くの店へ夕食を食べに出かけ、ついでに少し夜歩き。


川沿いも夜桜を楽しめるようにライトアップされていた。・・・しかしちょっと暗すぎ。照らし方ももう少し
工夫すれば良くなるだろうになぁ(苦笑)




峰温泉大噴湯公園と、隣接する旅館のやぐらも見る。もくもくと湯気が立ち上る源泉。


温泉は熱すぎずつるつるする気持ちいいお湯。宿のタイル風呂を夜も朝も貸切で満喫した。


続く。

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