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Channel: まちかど逍遥
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内野邸と近隣の建物

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内野邸の続き。

店舗兼住宅の裏手には工場が広がっていた。案内してもらった木造の工場の中には今も巨大な桶がずらりと
並んでいたが、干からびて朽ちかけている。


天窓のおかげで内部は明るい。上を見上げると木造トラスの小屋組。昭和55年に稼動を止めてからもう
40年にもなるが、トラスはしっかりしていてまだまだ使えそうだ。


こういった醸造蔵にはそれぞれ菌が住みついていて、醸造過程でそれらの菌が作用しその蔵独自の味わいが
生まれると言うが、菌の住み着いた柱や梁は腐らないと聞いたことがあった。


一方こちらの建物は崩れかかっている。人間が使わなくなった建物はもろいものだな。。。


内野邸の一部の座敷を利用して「武功庵」というカフェをやっていた。せっかくなのでお茶を頂くことに。
いったん外へ出てこの小さな木戸をくぐってお庭へ入るのが楽しい。




縁側から「隠居所」と呼ばれる離れのようなお座敷に上がり、お抹茶と和菓子を頂く。
鄙びた風情の座敷で、お茶室としても使うことができるようだ。




現代的改修や修景などはほどんど加えられることなく往時の姿をとどめているように見える内野邸。
旧東海道に面して佇む自然な姿が往時の賑わいと風格を今に伝えているが、やはり傷みが目立ってきている。
近年猛威を振るう台風や豪雨の影響も大きいのだろう。


一部が欠けてしまっている蔵の扉。


軒先の一部が崩れて下地が見えている。黒く塗られた漆喰の下は黄色っぽい土が露出し、下地の竹材に巻きつけた
麻紐が垂れ下がっていた。まるで蔵造りの構造を示した展示のようだが(苦笑)、このまま放っておくと水が回って
どんどん崩れてきそうだ。心配だなぁ~今ごろちゃんと補修が完了していればいいが。。。


建物の見学は入館料150円。カフェも建物の公開日に合わせてごくごく限られた日にオープンしているのみ。
貸室もやっているようだが、維持費をまかなうには程遠そうだな。。。


火山の石が骨材に使われたと見えるコンクリート。


内野邸の近くには古い建物がポツポツ残っていて、駅から内野邸までの道のりだけでもいくつか見られる。
こちらバリバリ現役で住まわれている洋館。健全だなぁ~(笑)


旧大窪村役場庁舎の、小田原市役所大窪支所。1928(昭和3)年築。


この後ろにある小さな建物も古そうだが、何だろう?


1906(明治39)年創業の下田豆腐店。この日開いていなかったのは日曜日だったからだろうか。


ここを歩いたのが去年11月だったのだが、その後今年の3月末にこの下田豆腐店が閉店したというニュースを見た。
店主が高齢となり体調も崩されたようだ。


建物は活用するべく事業者募集していたようだが、その後どうなったかな。。。うまく活用されればいいが、
豆腐屋を継ぐ人がいれば尚いい。近年台湾でも有機大豆を使ったおしゃれな豆腐屋さんなどができていて
人気があるので、そういう同業種で続いていけばいいなぁ。・・・とまぁ理想の話ではあるが。


続く。

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