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Channel: まちかど逍遥
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箱根の木造文化財旅館めぐり 福住楼3

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福住楼の続き。



こちらは見晴らしのいい3階の角部屋、「桜五」。部屋に入ると、すりガラスのガラス障子の中央に刳り抜かれた
長円形の透明ガラス部分から、まるで絵のような谷あいの風景が目に飛び込んでくる。


広縁に面した障子は等間隔でなく4本、3本、2本の吹き寄せになっていて、心地よいリズム感。


部屋全体が比較的おとなしめな代わりに、2畳の畳床の横の書院がとても凝っている。障子は織物のような模様の
組子の格子。その外側にあるガラス障子は、型板ガラスと透明ガラスを交互に並べたボーダー状。
そして欄間部分には梅とウグイスだろうか、美しい透かし彫りが施されている。


廊下の窓を開けたところに手洗い場が設けられていた。便利~~


ところでお風呂場は竹棟の半地下にあるのだが、こちらもまた凝縮された意匠が見られるのだ。


脱衣所の中に床の間のような部分があって、その壁にこんなカラフルな玉砂利をみっしりと貼りつめてある。
普通の洗い出しよりもだいぶ粒が大きく1cm以上ある。謎の空間・・・


天井は六角形の竹の籠目。


こんなコブ付きの柱や、虫食い板など、変わった材がそこかしこに。


男女別の浴室の他にいくつかの家族風呂があった。かわいい小さな冨士山も見つけることができた!


岩風呂やタイル貼りなど、小さくてもひとつひとつ個性的なお風呂。


さて、いちばん奥にある棟へ。


大きな石を組んだ立体的な中庭は狭いながらもダイナミックな印象。
各棟が中庭を囲むように建てられており、どこからでも美しく見えるように計算されているのだろう。


月の間、金葉という続き間の大広間は合計66畳敷という箱根初の大空間。交通網の発達により増えてきた団体客に
対応するため、1918(大正7)に増築されたという。金葉の間には舞台が設えられている。


高い天井は網代の形をした格天井。変わっているなぁ!


格式の高い床の間を備える。


このまゆ形の窓の枠は、曲げ木でなく木を丸ごとくりぬいてある。




裏庭の奥にはさらに小さな建物が張り出して建っているのが見えたが、そこは非公開だった。。。


こちらは茶室かな。。


もともと川沿いの崖立地であることや増改築が繰り返されているため、廊下がくねくねと伸び、あちこちに階段が
上へ下へと続き、自分がどこにいるのかすぐには認識できない(汗)。古い旅館の例に漏れずここも迷路宿の様相。。。
広い建物のほぼ全域にわたって見るには駆け足でも1時間半たっぷりかかった。
非公開の部屋もちょいちょいあったものの、この高級宿に泊まらずして、小沢先生の分かりやすい解説付きで見学とは
あぁ本当にありがたいイベントだったなぁ!参加してよかったぁ~~。


今度は客として泊まってみたいなぁ~~


しかしここで終わりではない。次へ続く。

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