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Channel: まちかど逍遥
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箱根の木造文化財旅館めぐり 福住楼2

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福住楼の続き。

竹棟から奥に続く桐、桜の客室棟は木造3階建で大正5~6年に増築されたらしい。
新しいからと言って簡素なわけではなく、むしろいちばん力を入れて作りこんだ客室棟であり、木や竹など
天然ながら珍しい材料を集め、多様な技法を駆使したまるで見本帳のような意匠の数々が見ものである。
個性際立つ客室だけでなく廊下や階段ホール、トイレなどの共用部にもがふんだんに意匠が散りばめられ、
お客を楽しませようというもてなしの心が感じられる。


廊下の壁。板を縦に並べる張り方を「木賊張り」と言うらしい。確かに木賊っぽい。丸太の板と細竹を交互に。
手前の手すりの透かし彫りは「光琳桐」。


トイレは古い旅館でよく見られる飛び石風の意匠。網代の船底天井、節くれ立った柱・・・などなど、数寄屋風。


窓も多彩。手前に石組みの手水場がある。


客室も数寄屋風意匠がいっぱい。「桐三」の次の間は、桜の細い皮つき丸太の棹縁天井で端が網代になっている。




こんなインパクトある主室の床の間。いや、床の間は左側で窓のある部分は書院か。じゃあその横の袖壁が張り出して
いる部分は何??もうどう説明してよいかも分からない・・・(汗)


月と星の斬新すぎる意匠も(笑)


こちらは「桐六」。




しかし窓とはこんなにも自由奔放なものか。現代の住宅の四角いガラス窓と同じ言葉で表すのが不思議なほど。




桜棟へ。ここの欄干は蛾でなく蝙蝠っぽいな(笑)。


こちらも竹や変木が多用されている。「桜一」の天井。


書院の繊細な格子と鳳凰の透かし彫りの欄間。素晴らしい~~


窓の外には早川の流れ。窓の飾りが少し中国風な雰囲気。


こちら「桜二」。菊の花の欄間は、菊の御紋と同じだと畏れ多いということでわざと割ってあるのだとか。


「桜三」の出書院の扇天井。天井板の張り方も均一でなくて面白い。


階段ホール。三階へ上ってきた。


早川を見下ろす。紅葉はちょっとまだ早いか。。。


「桜四」のすす竹の格天井。


竹が交差する部分の納まりが見事。しかも互い違いに組んであるので、いったいどうやって施工したのか・・・


ひと部屋ひと部屋、材料の珍しさや技術のすごさや独創的なデザインに感嘆しながら見ていくのだが、薄暗い屋内で
大急ぎで撮って回ったためブレブレのものも多く、カメラの設定が知らないうちに変わってしまっていたり(泣)。
なのでここに載せているものは「たまたまブレずに撮れた、まぁ見れる構図の」写真のみである(苦笑)。
部屋全体の雰囲気は福住楼の公式サイトを参照→こちら

続く。

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