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Channel: まちかど逍遥
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八女のまちなみ

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八女の続き。

古い町家や商家が並ぶまちなみをキョロキョロ見回しながら歩く。


地図を見ると往還道はまっすぐでなくカクカク曲がっている。城下町だった八女福島では敵の侵入を防ぐため
コの字形や鍵形の町筋が作られたのだ。三重にめぐらされた堀割跡の水路は今も町家の裏手に残る。


かわいい玉石を積んだ水路。


福島城の廃城後も、この地方の物産を売買する市が定期的に開かれて賑わった。また酒造業がさかんで、
造り酒屋が堺屋を含め17軒もあったという。


このような特徴的な商家を「居蔵造り」と呼ぶようだ。
入母屋屋根の一段下に、左右に流れる屋根が付き(左右に空間がない場合は省略)、さらに一段下に
道路側へ流れる屋根が付く。漆喰塗り壁の2階にはよろい戸付の縦長窓が並ぶ。
古い商家はみごとに同じスタイルである。






提灯の房作りを営む今里家は天保9(1838)年に今のような居蔵造りに改築されたとか。

残念ながら今里家は閉まっていた。。

仏壇屋が目につく。家具の産地である大川が場所的に近く、指物師が多く住んでいたところから、
仏壇も作るようになったという。




ちょっと洋風な板張りの住宅もあった。




また歩いているとあちこちで石の祠に出会う。覗いてみるとえびす様が祀られている。
商人の町であった八女福島の町らしい風景。




八女のまちは基本的に近世の街なみだが、後年改装された家はタイルも貼られている。
二丁掛や小口平と呼ばれるサイズの外装タイルは今でも作られているが、戦前から昭和の中頃ぐらいまでの
ものはやっぱりいい。




整形は乾式のプレスでもたっぷりかかった釉薬が美しい陰影を作り出していたり、窯変により一片一片異なる
微妙な味わいを醸していたり、工業製品でありながら色合いや質感にまだ工芸品のような豊かさが感じられる。
いわば美術タイルの普及版。




あぁ日本の地方のまちなみは美しいなぁ。


続く。

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