唐津の続き。
前回来たときはまだ工事中だった大島邸が2017年にオープンしていたのでそちらもあわせて見に行く。
気になる付近のお屋敷を覗き込みながら、長い塀沿いに歩いて行くと、きれいに整備された門があった。
大島邸は、唐津藩士大島興義の長男、大島小太郎の旧宅で、主屋は1893(明治28)年の築と考えられている。
建物はもともとここから300mほど西に建っていたが、小学校校舎の建設に伴い解体、移築復元された。
大島小太郎は現在の佐賀銀行の前身である唐津銀行を創立し、また街のインフラ整備に尽力し唐津の近代化に大きく
貢献した、唐津の名士である。
入場料100円を払って入ると、天井が高い!建具は開け放たれ、奥まで続く座敷が見通せた。
建物が移築される場合、ほとんどの部材は新しくなるし、耐震補強やバリアフリーなどで形もだいぶ変わってしまう
ことが多い。ここもそれほどの期待をせずに一応見ておこうというぐらいの気持ちで立ち寄ったのだが・・・
結果的にはとてもおもしろかった。細部のパーツのひとつひとつが実に素晴らしいのだ!
麻の葉模様の組子が雪の結晶みたいでかわいい欄間。
入って右手にある和室は南面のお庭に張り出したかたちで、明るく特別感のある部屋。ここの書院の欄間は
まるで切絵のようなタッチ。梅の枝に遊ぶ小鳥は鶯かな。
釘隠しも凝っている。見ていくといろんなデザインがあって面白い。ちょっとピンボケしているのもあるが(汗)
こういう外せるパーツはちゃんと古いものが元通りに取り付けられている。
それに柱や長押などの木部も新しいものは特に目立たず、オリジナル度は高そう。
8畳の座敷からさらに庭へ突き出した廊下の先に、トイレがあった。
さっき行った高取邸で、大島邸のトイレもここと同じような感じと聞いていたので期待していた。タイルはなかったが、
男性用小便器も大便器も美しい染付のものが据えつけられていた。場所柄やはり有田焼だろう。繊細な模様が美しい。
部屋ごとに違った建具の唐紙を見ていくのも楽しい。唐紙は少し古そうなものと新しいものの両方が使われているようだが
型から復元して刷ったのだろうか、新しいものも違和感なくなじんでいる。
欄間も全て違うデザイン。三階菱が連続して現れるこのダブルの格子も、思いのほか細かい仕事だ。
15畳の主座敷は手前に10畳間、脇に幅1間の細長い6畳間が控える。座敷を縦にも横にも拡張できる造りだ。
巻物をモチーフにした筆返し。ケヤキ材かな。こんな美しい筆返しを見たことない!
こちらは北側の庭に突き出した仏間。仏壇は高取邸ほど大きなものではないが、幅1間分の物入れの中に
特注品の仏壇が納まっていた。
中を覗き込むと、雲の間に遊ぶ天女を描いた豪華な彫刻が見えた。
その下の蓮の花が描かれた地袋も素晴らしいなぁ。
その横には書院が付いていて、下の方だけ密度を高くしたシンプルな格子が端正なイメージ。
・・・と思いきや、その横に並ぶ床の間は、野趣溢れる床柱や自然な曲がり木の落としがけ、塗りっぱなしの
土壁の垂れ壁、勾配のついた天井など、庭に向けて数寄屋風に流れていく。面白いなぁ~
続く。
前回来たときはまだ工事中だった大島邸が2017年にオープンしていたのでそちらもあわせて見に行く。
気になる付近のお屋敷を覗き込みながら、長い塀沿いに歩いて行くと、きれいに整備された門があった。
大島邸は、唐津藩士大島興義の長男、大島小太郎の旧宅で、主屋は1893(明治28)年の築と考えられている。
建物はもともとここから300mほど西に建っていたが、小学校校舎の建設に伴い解体、移築復元された。
大島小太郎は現在の佐賀銀行の前身である唐津銀行を創立し、また街のインフラ整備に尽力し唐津の近代化に大きく
貢献した、唐津の名士である。
入場料100円を払って入ると、天井が高い!建具は開け放たれ、奥まで続く座敷が見通せた。
建物が移築される場合、ほとんどの部材は新しくなるし、耐震補強やバリアフリーなどで形もだいぶ変わってしまう
ことが多い。ここもそれほどの期待をせずに一応見ておこうというぐらいの気持ちで立ち寄ったのだが・・・
結果的にはとてもおもしろかった。細部のパーツのひとつひとつが実に素晴らしいのだ!
麻の葉模様の組子が雪の結晶みたいでかわいい欄間。
入って右手にある和室は南面のお庭に張り出したかたちで、明るく特別感のある部屋。ここの書院の欄間は
まるで切絵のようなタッチ。梅の枝に遊ぶ小鳥は鶯かな。
釘隠しも凝っている。見ていくといろんなデザインがあって面白い。ちょっとピンボケしているのもあるが(汗)
こういう外せるパーツはちゃんと古いものが元通りに取り付けられている。
それに柱や長押などの木部も新しいものは特に目立たず、オリジナル度は高そう。
8畳の座敷からさらに庭へ突き出した廊下の先に、トイレがあった。
さっき行った高取邸で、大島邸のトイレもここと同じような感じと聞いていたので期待していた。タイルはなかったが、
男性用小便器も大便器も美しい染付のものが据えつけられていた。場所柄やはり有田焼だろう。繊細な模様が美しい。
部屋ごとに違った建具の唐紙を見ていくのも楽しい。唐紙は少し古そうなものと新しいものの両方が使われているようだが
型から復元して刷ったのだろうか、新しいものも違和感なくなじんでいる。
欄間も全て違うデザイン。三階菱が連続して現れるこのダブルの格子も、思いのほか細かい仕事だ。
15畳の主座敷は手前に10畳間、脇に幅1間の細長い6畳間が控える。座敷を縦にも横にも拡張できる造りだ。
巻物をモチーフにした筆返し。ケヤキ材かな。こんな美しい筆返しを見たことない!
こちらは北側の庭に突き出した仏間。仏壇は高取邸ほど大きなものではないが、幅1間分の物入れの中に
特注品の仏壇が納まっていた。
中を覗き込むと、雲の間に遊ぶ天女を描いた豪華な彫刻が見えた。
その下の蓮の花が描かれた地袋も素晴らしいなぁ。
その横には書院が付いていて、下の方だけ密度を高くしたシンプルな格子が端正なイメージ。
・・・と思いきや、その横に並ぶ床の間は、野趣溢れる床柱や自然な曲がり木の落としがけ、塗りっぱなしの
土壁の垂れ壁、勾配のついた天井など、庭に向けて数寄屋風に流れていく。面白いなぁ~
続く。