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Channel: まちかど逍遥
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深川製磁 再び

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波佐見からの続き。

西の原でもゆっくりしてしまったのでさらに時間が押してきた。。。波佐見をあとにして有田へと向かう。
有田では前回日暮れ前の2時間しか見れておらず、しかも前半に陶山神社の磁器製鳥居を見てしまったので、まちを歩きだしたときには
もう香蘭社も深川製磁も閉まりかけだった。それでも何とか深川製磁の玄関先のタイルとステンドグラスは見せてもらったのだが
タイル博物誌の本に載っていた、花型のタイルは見ることができなかった。今回はそれを見たい!!と思って深川製磁へ直行した。


まずは明るいところで外観をじっくり楽しもう。相変わらず素敵だなぁ!!トリコロールの小旗がおしゃれ~


冨士山のステンドグラスも健在。優美な楕円アーチ窓で山すそまで。


さて、入るか。。。


ここで一時停止がお決まりのルール(笑)。床にはモザイクタイルのカーペット貼り。扉のレールはあとからつけたのだろうな。


そして見上げると深川製磁の文字のステンドグラスとテラコッタ。う~ん、イカス~~!




玄関先で立ち止まって写真ばかり撮っているのも店の中からは丸見えだっただろう(汗)
ようやく店内へ踏み込む。前回は閉店後にちょろっと見せてもらったのであまり、というか全然見れていなかったのだが、
落ち着いて店内を見回すと床もモザイクタイル貼りだったんだな。木造のカウンターや階段もある。


例のタイルをみたいと店員のお姉さんに告げると、あれは2階の部屋で公開していないという。ええっ、そうなの!?
しかしお願いして何とか見せてもらえることになった。
お姉さんについて2階へ上り、部屋のドアをぱっと開けると・・・・おぉ・・・・・
その部屋は、一瞬声も出なくなるほど神々しい雰囲気に包まれていた。。。


ここはちょうど「深川製磁」の文字のステンドグラスのはまった入口の真上。
アールになった壁の腰から下が海老茶色の土壁(漆喰塗り?)になっていて、そこにタイルが埋め込まれている。


窓からの光が逆光となって、壁に貼られたタイルは最初一瞬見えなかったが、目が慣れてくるに従いぼうっと浮かび上がってきた。
あぁ、これだ。
丸い菊の花と直立した茎のフォルムはデフォルメされたデザインだが、葉っぱの形は確実に菊だとわかるし、
葉脈や対生する葉の根元についている小さな芽など、妙にリアル。表面には磁器らしい繊細なレリーフがつけられている。
このような独創的なスタイルは見たことがないが、新茶屋の朝顔のタイルに通じるところがあるかもしれない。


この部屋は応接室として使っており、面接をしたりもするとか。こんな部屋で面接を受けたら舞い上がってしまうだろう(爆)
よく見ると、曲面になっていない方の2面の壁にも、同じ菊のタイルが付けられていた。あぁ何と!!
惚れ惚れといつまでも眺めていたかったのだが、お姉さんを待たせているので手早く数枚写真を撮る。

「そろそろよろしいですか」「はいっ!」
あぁ、ほんとにいいものを見せてもらった。今回佐賀も嬉野も端折って来た甲斐があった。。。
もうこの旅の目的はまっとうした・・・満ち足りた気分で階下へ降りたのだった。

ショールームには繊細で上質な商品が並び、贈り物にしたら喜ばれそうだなぁと思いつつ贈るあてもなく(汗)
自分で割らずに使う自信もなく(爆)、、、買わずに申し訳ない。むしろ見学料を取ってくれたらいいのだけど。。


外壁のタペストリータイル。




尚、タイル博物誌にはスクラッチタイルと書いてあるが、これは引っかいた溝では
ないのでスクラッチタイルではない。


この建物から少し奥まったところにあるピンク色の木造建築は深川製磁の工場だ。前回はもう真っ暗だったので
あらためてよく見よう。




この古き美しき一群の建物が、よくぞ現役で働いてくれているものだ。あっぱれ!!


「就業中面会謝絶」。あれらの上質な製品が作り出されるストイックな環境がしのばれる。


ところで写真を見ていて気がついた。ここの屋根の上の鬼瓦は、こないだ瀬戸蔵ミュージアムの展示で見たのと
同じような磁器製の鬼瓦じゃないか!?光学ズームがあまり利かないし、ここにピントを合わせて撮っていなかったので
拡大して見てもあまりクリアでない(汗)
あの鬼瓦も屋根の上ではこんな風だったんだろうな・・・ここのも間近で見てみたいなぁ~~


続く。

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