名古屋からの続き。
鳴海から名鉄で常滑へ移動してきた。午後にアポイントを入れていた東窯工業さんへ。
ここはだいぶ前にmayumamaさんがふらりと敷地内へ入って行って事務所内のタイルを見つけたところで
私も一度伺おうと長いこと温め続けていたのだった。一度電話したらここも平日しか対応できないということだったので
休みを取れる機会をうかがっていた(その後数ヶ月はすでに有給を入れてしまっていたので)。約半年後にようやく。。。
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古い古い工場は一見廃墟かとも思ってしまう(失礼!)が、実は現役バリバリ。
ガラリと戸を開けて木造の事務所へ入ると、社長さんが事務所の中でストーブにあたりながら待っていて下さった。
うわぁ~~~っ!!足下にはさまざまな模様のモザイクタイルが!!
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はやる心を抑えつつご挨拶し、お茶を頂きながらお話を伺う。
常滑はもともと鉄道用土管から始まった焼き物産地だったとか。
現在は砥石を製造されている東窯工業さんは、創業が天保15年ごろという、約170年の超老舗だ。
近代に入って伊奈製陶(後のINAX)と協業で土管を製造していたという。
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帝国ホテル向けのスクラッチタイルを常滑で製造した頃から、こちらでもタイルを手がけるようになり、
戦前までせっ器質の無釉モザイクタイルや施釉タイル、クリンカータイルを作っていたという。
ここは、少し前に見に行った関の粘土工業所と同じように、施工例のショールームを兼ねていたそうだ。
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せっ器質の無釉モザイクとは、この床に貼られているタイルのことで、低温で焼き締まり吸水率が低い。
土自体に色がついている素地タイルなので磨り減って色がはげることもない、床用にぴったりのタイル。
くっきりした色のタイルを自由自在に組み合せて模様が描ける。
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花模様、ボーダー、チェック、その他の幾何学模様・・・いろんなパターンで貼られていた。
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斬新なデザインの床!!
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事務所の床のタイルは白い土埃をかぶっていたが、雑巾で拭くと驚くほど鮮やかな色があらわれた!!
途中からまた掃除大会が始まった(笑)
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あっ、これは、少し前に京都で見た石田愛商店のタイルそのままじゃないか!あれは東窯工業製品だったのか。
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素地タイルを作っていたメーカーもたくさんあっただろうが、メーカーの差別化としては貼りパターンしか
なかっただろう。各社独創的なデザインの考案にしのぎを削っていたに違いない。
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創業家の杉江さんの名にちなんだ、杉の木が3本並んだ社章もモザイクで表現。
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タイルの裏形にも同じマークがあしらわれていた。
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廊下やエントランスホールなどカーペット状に敷き詰める場合のボーダー部分のパターンか。
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戦後の無釉モザイクタイルとは土の質が違うように思われる。戦後のは厚みが薄く、マイルドな色合いなので
見ればだいたい判別がつく。
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そして、事務所の四方の壁には施釉タイルが貼られていた。これが驚くことに、一見泰山か山茶窯かと思うような
美しい窯変の美術タイル系!!こういうタイルが常滑で作られていたイメージは全くなかったなぁ。
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常滑で釉薬タイルを製造していたのはINAXと東窯工業と陶栄社という3社だけだったという。
INAXは外装タイルやテラコッタなど大物のイメージだった。陶栄社という会社は知らなかった。
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鮮やかな辰砂の赤色。鮮やかな赤色を均一に出すのは難しいとか。
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釉薬は全て自社で調合して作っていたと言う。大山崎山荘美術館のマントルピースのタイルが東窯工業製品だそうだ。
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もしかしたら、これまで泰山っぽいと思って見ていたタイルのうちには、ここの製品もあったかもしれない。
・・・というか、大いにあり得る。意外と目にしているところにあるのかもな。タイルは何も語らないが。。。
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見る人が見れば、他社にはない特徴的な釉薬や焼き加減による発色の違いなどで、メーカーを判別できるだろうか。
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地味だが味わいのあるタイルたち。
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この網代模様も、山茶窯の専売特許ではなかったんだな。
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金庫の後ろの壁にはこんなレリーフタイルも隠れていた。
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しかし戦前の昭和一けた代には軍事物資として砥石の製造をするようになり、軍需工場として操業停止を免れたそう。
戦後もタイルを作っている余裕などなく、実用品の砥石に切り替えたのだとか。
砥石も「焼き物」だということを初めて知った。
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社長さんもタイルを作っていた時代はまだ子供だったので詳しくは知らないということだったが、
興味深いお話を聞きながらUさんと2人でタイルオフィスの拭き掃除&撮影の1時間半は至福の時間だった。
ありがとうございました!!
続く。
鳴海から名鉄で常滑へ移動してきた。午後にアポイントを入れていた東窯工業さんへ。
ここはだいぶ前にmayumamaさんがふらりと敷地内へ入って行って事務所内のタイルを見つけたところで
私も一度伺おうと長いこと温め続けていたのだった。一度電話したらここも平日しか対応できないということだったので
休みを取れる機会をうかがっていた(その後数ヶ月はすでに有給を入れてしまっていたので)。約半年後にようやく。。。
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古い古い工場は一見廃墟かとも思ってしまう(失礼!)が、実は現役バリバリ。
ガラリと戸を開けて木造の事務所へ入ると、社長さんが事務所の中でストーブにあたりながら待っていて下さった。
うわぁ~~~っ!!足下にはさまざまな模様のモザイクタイルが!!
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はやる心を抑えつつご挨拶し、お茶を頂きながらお話を伺う。
常滑はもともと鉄道用土管から始まった焼き物産地だったとか。
現在は砥石を製造されている東窯工業さんは、創業が天保15年ごろという、約170年の超老舗だ。
近代に入って伊奈製陶(後のINAX)と協業で土管を製造していたという。
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帝国ホテル向けのスクラッチタイルを常滑で製造した頃から、こちらでもタイルを手がけるようになり、
戦前までせっ器質の無釉モザイクタイルや施釉タイル、クリンカータイルを作っていたという。
ここは、少し前に見に行った関の粘土工業所と同じように、施工例のショールームを兼ねていたそうだ。
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せっ器質の無釉モザイクとは、この床に貼られているタイルのことで、低温で焼き締まり吸水率が低い。
土自体に色がついている素地タイルなので磨り減って色がはげることもない、床用にぴったりのタイル。
くっきりした色のタイルを自由自在に組み合せて模様が描ける。
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花模様、ボーダー、チェック、その他の幾何学模様・・・いろんなパターンで貼られていた。
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斬新なデザインの床!!
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事務所の床のタイルは白い土埃をかぶっていたが、雑巾で拭くと驚くほど鮮やかな色があらわれた!!
途中からまた掃除大会が始まった(笑)
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あっ、これは、少し前に京都で見た石田愛商店のタイルそのままじゃないか!あれは東窯工業製品だったのか。
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なかっただろう。各社独創的なデザインの考案にしのぎを削っていたに違いない。
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創業家の杉江さんの名にちなんだ、杉の木が3本並んだ社章もモザイクで表現。
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タイルの裏形にも同じマークがあしらわれていた。
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廊下やエントランスホールなどカーペット状に敷き詰める場合のボーダー部分のパターンか。
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戦後の無釉モザイクタイルとは土の質が違うように思われる。戦後のは厚みが薄く、マイルドな色合いなので
見ればだいたい判別がつく。
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そして、事務所の四方の壁には施釉タイルが貼られていた。これが驚くことに、一見泰山か山茶窯かと思うような
美しい窯変の美術タイル系!!こういうタイルが常滑で作られていたイメージは全くなかったなぁ。
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常滑で釉薬タイルを製造していたのはINAXと東窯工業と陶栄社という3社だけだったという。
INAXは外装タイルやテラコッタなど大物のイメージだった。陶栄社という会社は知らなかった。
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鮮やかな辰砂の赤色。鮮やかな赤色を均一に出すのは難しいとか。
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釉薬は全て自社で調合して作っていたと言う。大山崎山荘美術館のマントルピースのタイルが東窯工業製品だそうだ。
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もしかしたら、これまで泰山っぽいと思って見ていたタイルのうちには、ここの製品もあったかもしれない。
・・・というか、大いにあり得る。意外と目にしているところにあるのかもな。タイルは何も語らないが。。。
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見る人が見れば、他社にはない特徴的な釉薬や焼き加減による発色の違いなどで、メーカーを判別できるだろうか。
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地味だが味わいのあるタイルたち。
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この網代模様も、山茶窯の専売特許ではなかったんだな。
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金庫の後ろの壁にはこんなレリーフタイルも隠れていた。
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しかし戦前の昭和一けた代には軍事物資として砥石の製造をするようになり、軍需工場として操業停止を免れたそう。
戦後もタイルを作っている余裕などなく、実用品の砥石に切り替えたのだとか。
砥石も「焼き物」だということを初めて知った。
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社長さんもタイルを作っていた時代はまだ子供だったので詳しくは知らないということだったが、
興味深いお話を聞きながらUさんと2人でタイルオフィスの拭き掃除&撮影の1時間半は至福の時間だった。
ありがとうございました!!
続く。