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Channel: まちかど逍遥
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西螺戯院

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西螺の続き。

老街はまだ続く。
楕円や六角形がひときわモダンな雰囲気を醸し出しているこの建物は、1941年頃に建てられたもののよう。
昭和16年だと太平洋戦争に突入するころだが、こんな質の高いタイル貼りの商店建築が建てられていたのだな。


「山玉」、あっ違う、「玉山」か。この建物は珍しく1階がトンネル路地になっていた。元からだろうか!?


トンネルの壁には老街の各建物の立面図が描かれたプレートが並んでいた。
それによるとこの建物は1939年頃の築。ここも2階が円弧状に張り出しすというかなり斬新で自由な造形だ。
しかしこのトンネルは車が通るので、のんびりプレートを眺めているととても危険(汗)


そして西螺での一番のお気に入りが、茶商であっただろうこの建物のバルコニー。
手すりに「茶」の文字、しかも文字がおいしそうな緑茶の緑色なのだ!(笑)


老街の中には空き家もあり、使われていない建物は明らかに老朽化が激しく亭仔脚の下を歩くのも危険だ。
しかし台湾のすごいのは、こんなふうに老朽化してすでに崩れているような建物でも、大事に修復して使い続けること。
もちろん部材は新しいものに変わるが、歴史を背負った建物がその場所に存在し続けることに価値があると
考えられているように思う。ここもいつか再生されてまちの賑わいを生み出すことを期待したいなぁ。



老街から少し横道へそれたところに、いきなりこの建物が現れた。西螺戯院。おぉ~!!


これまでにもいろんなところで戯院建築を見てきたが、ファサードの大面積の装飾壁はインパクト大。
しかしここも御多分にもれず廃墟と化しており、入口やきっぷ売り場の窓口は固く閉ざされている。


徐さんについて脇の階段を上って行くと、二階の客席の後ろあたりに出てきた。うわぁ、、、これは、、、


ステージに向かってびっしりと並んだ跳ね上げ式の椅子は荒れ果てている。天井が抜けて明るい日の光が差し込み、
スポットライトのようにステージを照らす。なんとシュールな。。。
私は廃墟は怖いのであまり好きではないが、廃墟マニアにはたまらない光景だろう。


かつて人々がわくわくしながら座ったであろうこの椅子の列を眺めていると、人魂が残っているように感じられ、
どうしようもなくゾワゾワしてしまって、言葉が出ない。。。



代わりの劇場はどこにできたのだろうか。

これは戦後(光復後)の建物だろうがカッコイイ!背の高いヤシ並木を従えた、第一銀行西螺分行。


美形の面格子を発見!!


こちらの軒裏モザイクもかわいい~。通りから見上げる視線を意識ているのだろうか、素晴らしいな!!


モザイクタイル貼りの額縁建築も。


ある商店をふと覗きこんだら、床がタイル!市場の元食堂と同じセメントタイルか。


東市場の前まで戻ってきて螺渓歯科の建物を覗いてみたら、あっ!アールデコ風のドアに色ガラスが~~


一軒一軒中を見せてもらったら、それぞれに素晴らしいインテリアが秘められているんだろうなぁ~~
もう少しじっくり探索してみたいと思わせる、西螺のまちだった。


続く。

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