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Channel: まちかど逍遥
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金門島でタイル三昧 瓊林 Qionglin(1)

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台湾、金門島の続き。

さわやかな朝!!
金門島には2泊の予定なので丸一日使えるのは今日しかない。気合入れて動こう!
島内をめぐるのは電動スクーターが便利と聞いていたので宿のご主人に頼んで手配してもらっていた。
朝レンタル屋の人が車で迎えに来てくれて金城のまちなかにある店舗へ。


電動スクーターはヘルメットは必要だが運転免許不要で、25kmまでしか出してはいけないことになっている。
どこまで行けるか分からないが、名前をチェックしておいた集落を数珠つなぎに巡っていくつもり。
島の南西端にある水頭から、対角にある金沙鎮の方まで行ってみたいが、、、端々で直線距離40kmぐらい。
寄り道しながら、行って帰ってくるのはちょっと難しいかなぁ。。。
幸いスクーターのレンタルは24時間制なので翌朝8:30まで大丈夫。夕方返却時間に焦らずに済むのは助かるな!


金城の街を出ると広い通りでも交通量は少ない。電動スクーターは本当に自転車感覚でトコトコ走り、アクセルを
最大に回しても30km以上は出ないので安全だ。
なだらかな起伏の田園風景を楽しみながらまっすぐな道を20分ほど走ると、まず最初の目的地、瓊林(Qionglin)に到着。
ここはリボン形をした金門島の中央のくびれた部分に位置する。
広い通りから少し入り込んだところに、洋楼というか、近代建築のような西洋風の建物が2つ並んでいて、
周囲には閩南式の赤瓦の屋並が見渡す限り広がっていた。
向かいには広い駐車場も整備されている。あぁ、ここは街並み景観の保存地区なんだな。


マップに書いてあった説明によると、瓊林のまちは蔡氏の一族が代々住み続けている土地。
閩南式の民居や蔡氏の祖廟など古建築が多く残ることに加え、古典祭礼などの閩南文化も息づいていることから、
2012年に文化資産保存法による文化聚落として金門県で初めて登録されたとか。

2つの建物のひとつは「瓊林戦門坑道」と書かれている。
瓊林は中国と対面する位置にあるため戦略上重要な場所とされ、村内には地下坑道が掘りめぐらされたとか。
坑道は1968年に掘られたという。50年前というと日本では戦後であり高度成長期。結構最近であることに
ドキッとする。。。現在坑道はこの事務所から300mの間が開放されているらしい。


もうひとつは「瓊林民防館」。戦時中の民衆の自衛組織にまつわる資料が展示されているようだ。
今回は戦跡までは見る余裕がないので中には入らず。


民家の前の地面に広げて干してあったのは落花生。金門島はピーナツが特産だとか。


瓊林戦門坑道の事務所にマップが置いてあったのでもらい、早速路地へ迷いこもう。


緩やかに曲がりながら続く道の左右に伝統的民居が並ぶ。次々と現れる美しい辻や路地にいちいち立ち止まり
写真を撮りながらジグザグ歩く。


比較的新しい3階建てのお宅に貼られていたタイルがレトロでかわいい~~!日本の1960’sか1970’sの
雰囲気満載!子供の頃家にあったホーローのお鍋やキャニスターの模様と同じようなタッチじゃない!?




ドアの周囲に書かれた文字は招福の意味合いなのだろうか。


ざっくり整形した石を斜めに積んでいくこの方法を、人の字積みと呼ぶらしい。なるほど目地が人の字になっている。


レンガと同じようなオレンジ色の天然石。何石というのかな?濃淡のグラデーションがあって、大きさもばらばら。
あぁ、ランダムの美。


拍子木状に整形した石を水平に積んでいく方法もある。


赤レンガで全面を積んだ壁、石とレンガが混在したもの、そして平たい瓦を積み上げたもの、そしてそれと石を
混在させた「出磚入石」、漆喰で塗り固めた壁、、ここではあらゆるパターンが見られ、すべてが見事に調和している。


細かな凹凸が豊かな陰影を作り出す。




これらの壁の美的感覚の高さといったら!生まれたときから美しい集落に住んでいると、誰に教わるでもなく
美的感覚が自然と身につくものなのだろうか。。。


モザイクタイル使いの家もある。




こんなところに文字を入れる遊び心も。


気に入った壁をあっちからこっちから、飽きもせず眺め、写真を撮る。誰を待たせるでもなく、好きなだけ。
一人旅ならではの至福の時間だ・・・


続く。

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