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Channel: まちかど逍遥
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合田邸へ行ってきた。その3

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5月の合田邸の続き。

そしてこれ!!中庭に面して洋館が建っている。洋館の中は現在非公開だが、外観だけでもかなり見ごたえがある。


この洋館の入口にタイルが乱張りされたポーチというかテラスがあるのだ!これを見たかった!






入口ドアの上にはアールデコデザインのグリルがはまっている。ドアまわりには下駄歯のような装飾、
軒下もレリーフが。


テラスの乱貼りタイルは、二丁掛の大きさと思われる細長いもの及びそのカケラが目立ち、比較的大型の
正方形タイルも使われている。


乱貼りは泰山タイルが得意だが、ここのはどうだろうか。雰囲気的にはちょっと違うような気がするな。。。


質感は布目や縦溝などいろんなものが混じっているが、やはり床だからだろう、あまり凹凸のあるものはないな。
凝ったレリーフタイルなどは見あたらず、いくつか混じるイナズマ型のタイルが唯一デザインの入ったもの。
このイナズマタイルは泰平タイルに似ているが・・・


宇宙色の青が美しい~~!


壁に一枚、凹凸のあるレリーフタイルがポイント的に貼られていた。


軒には銅板が巻かれており、そこにも意匠が施されている。


洋館の壁の腰から下は型押しの二丁掛タイル貼り。入口がやたら高くなっているのは、半地下室があるため。
左右の窓にはステンドグラスがはまっていたらしいが、入口ドア両脇の照明器具などと共に、ある時期に
処分(売却)されてしまったとか(涙)


こちらの離れは訪れた客人のための部屋で、主屋とともに房太郎によって建てられた。


廊下から見学。この1階は貼られていたふすまの色から金の間、銀の間と呼ばれているそうだ。
建具が鳥かごのようなスケスケの格子になっているのは、傷んでいた障子紙を剥がしたため。


デザイン化されたあやめの模様が素敵だな!




2階へ上る。2階の奥の座敷は「えじぶとの間」と呼ばれている。それは書院の部分にはまっていた格子やらんまが
異国情緒あふれる「えじぶと模様」だったことによる。それらの建具は今はすでになく、昔の写真が展示されていたが、
エジプト風なのかどうかはよくわからないが、確かに風変わりでエキゾチックな模様だった。


広縁の天井がこんな八角形の入った格天井(の一種?)。八角形の部分には照明器具が下がっていたと思われる。
外側にはまったガラス窓の桟は凝った割付、欄干もひし形を取り入れるなど、かなり派手な印象。


床もちょっとひねりの利いたデザインの寄せ木で、縁側というよりも細長い部屋のよう。


外側のガラス戸は外して全面開放できる。季節のいいときは気持ちいいだろうなぁ~


そして外したガラス戸を収納する戸袋まで、透明のガラス張りである。これには驚いた!!
もちろん眺望や採光を妨げないための工夫である。思えばなぜなかったのか、グッドアイデアじゃない!?


そして外側のらんまの部分にはまった建具に注目。麻布が貼られたような、柔らかに光を通すガラス。
実はこれは太さ1mmもない細いガラスの棒を縦横に重ねたものなのだ。こんなのは初めて見たなぁ!!


傷んでいる部分を見るとよく分かるだろう。落ちているのを手に取って見せて下さったが、シャープペンシルの
芯のよう。さしづめガラスの織物。なんと繊細な細工だろうか!

あぁ、どこもかしこもこだわりの詰まった、凝縮された空間で、見るところ見るところ圧倒されまくり。

この旧合田邸では現在、オーナーの方のご友人である泉川さんを中心とする「合田邸ファンクラブ」が
多度津の栄華を伝えるこの建物を中心にまちを再び盛り上げていこうと、定期的な片付け、清掃活動や、展示、
イベント企画などを行われている。
私たちが伺った時も行事のために作業されていたが、年配の方から高校生まで、皆楽しそうに動き回っておられた
のが印象的で、とても頼もしく感じた。合田邸の素晴らしい建物が今後も維持されるように、私も応援したいなぁ。

続く。

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