シンガポールの続き。
スコールのせいで約束の11時にはちょっと遅れてタイルギャラリーに行ったら、Limさんが
「君たちはタイルのことをどこまで知っている?タイルはどこで生まれたか知っているか?」と。
そこからタイルの歴史についての講義が始まった。
タイルの技術はイラクのバビロンから移民と共にスペインへ渡り、イタリア人がスペインで技術を学び持ち帰ったあと
ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリスなどへ伝わり、それぞれの文化や芸術を取り込みながら独自の発展をしていった。
また、デザインの変遷の話から、アールヌーボーのタイルは想像させるデザインであり、イマジネーションを働かせて
眺めればいろんなものに見えてくるという話。実際にいくつかのタイルを手にとって、何に見える?と。
すると花だとばかり思っていた模様が、目玉だったり羊の角だったり、○○だったり・・・(笑)
また中国製のタイルと日本製のタイルの寸法の違いや、釉薬や技法の変遷の話も。
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通常なら30分で話せる内容を、中学英語(今どきの中学生は堪能か!?)レベルの私たちに、図を書いたり
本の記述を見せたり日本語混じり身振り手振りで、2時間かけてレクチャーして下さった。。。
日本では英国製のビクトリアンタイルと、それを模したタイル全般をマジョリカタイルと呼ぶが、同じものを
シンガポールではプラナカンタイル(ニョニャタイル)と呼ぶ。台湾では中国語で「彩瓷面磚」などの呼び方がある。
呼び方は場所により様々なので、単純に「タイル」と呼ぶのが一番間違いなく、共通語であると助言頂いた。
Limさんの奥様がタイの方ということで、ギャラリーに併設のカフェではタイ風のメニューが楽しめる。
ちょっと割高だけど、タイルに囲まれた空間で食べた麺は、大きなエビが3匹。味も洗練されていて、
満足のボリュームで値打ちがあった!
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さぁ、そのあとはLimさんの車で、カトン地区のとなりまち、ゲイラン(Geylang)へ。
私たちが前日までに歩いた通り名を出発前に伝えておいたのだが、それとかぶらないところを連れて行って下さった。
まちなかのすべてのタイルが頭の中に入っているんだな!(驚)
雨がポツポツ降りだす中、私たちが見ていない物件ばかりを次々と案内してくれ、写真を撮っている間に車を
転回して待っていてくれるという、至れり尽くせり。私たちいったいどんなVIPなんだ!?(爆)
小物件はまるでドライブスルーのように(笑)車窓から見て回り、効率よくたくさんのタイルを撮影することができた。
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アニメっぽいスズメと牛のタイルはベルギー製。
かわいらしい色に塗られたショップハウス。日本では歴史的まちなみといえば茶色=木の色と相場が決まっているが、
ここではこういうペンキのカラフルな色、しかもそれぞれの思い思いの色で塗られていること自体が
まちのアイデンティティーなのかもしれないな!
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赤色のクジャクタイルに囲まれた5枚のタイルのうち、中央3枚がLimさんのレプリカタイル。
遠目だとほとんど分からない。レプリカタイルはちょいちょい紛れている。割れてなくなったりどうしようもなく
汚れたりしたタイルを置き換えるのに使われ、タイル貼りのまちなみ景観を維持するのに役立っている。
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これまで歩いたところでも何度も目にしてきた、このプレートは、シンガポールの都市再開発庁による建築遺産賞、
The URA Architectural Heritage Awards(AHA)受賞の証。
うまく修復、保存された歴史的建造物、及びそれに関わった人々を評価、表彰する賞で、1995年に発足した。
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質のいいレプリカタイルは、これから50年、100年経てば改修の歴史に織り込まれまた貴重なものになっていく。
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こちらのテラスハウスは門や塀にもタイルがいっぱい。
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その近くのテラスハウスで面白い例が。同じデザインの三段活用(笑)。
最初がチューブライニングのプラナカンタイル。下が立体的に描かれた絵タイル。その下は二次元的な
デザインとして描かれた絵タイル。
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こちらは左がチューブライニングのプラナカンタイル。右はレプリカ。
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こちらの上はグラデーションが表現された上質な絵タイル。下はペタッとした絵タイル。
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ペタッとした絵のタイルも、それはそれで70年代レトロ風なかわいさがある(作られた年代は不明だが)。
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ショップハウスはどこもほとんど同じつくりだけに、個性を出そうと、建てた人も使う人も切磋琢磨して
きたに違いない。シンガポールに比べると日本では家の外観にはほとんど無頓着と感じる。
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ゲイランの次は前日に歩いたリトルインディアへ。
ここにも見落とし多数!案内してもらった物件はどれも濃密で、これを見ずに帰っていたら後悔してたな~、
というものばかり(汗)。よかったぁ~
ベルギー製タイルでファサードを飾られ、ラベンダーストリート(Lavender st)のランドマークとなっている
この建物は、先述のAHA初年度の1995年に受賞した6物件のうちの一つ。
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オウムのタイルがここにも。背景の少しむらのあるブルーが美しい。茶色バージョンのどんぐりのタイルの
背景のグリーンも落ち着いた色で好きだなぁ~
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ドアや窓はタイルに合わせたブルーにペイント。
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窓下などに羽の生えたドラゴン?などの中国風の漆喰装飾が際立っていた建物。
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こちらは手すり子や持ち送りも細かく塗り分けられていて強いこだわりが感じられる。
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洋風の漆喰装飾がふんだんに施され、タイルは潔く日本製の牡丹のレリーフタイル1種類。これもこだわり。
本に載っていた写真では壁や漆喰装飾の色が全く違っていて、印象は大きく異なる。使う人が変われば
イメージチェンジするのだろう。それでもタイルだけは変わらず、大切に守り継がれている。
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ピンクのリボンのタイルはゴージャスで特別感があるなぁ。これもベルギー製。
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そして最後にディクソン通り(Dickson RD)にある、WANDERLUST HOTELへ。
この建物は1900年代のはじめに建てられ、元は三階建ての建物だったが1945~50年頃増築されたようだ。
前日歩いた時にはすっかり忘れていたのだが(汗)プラナカンタイルの本に載っている中でも絶対に外せない物件。
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ここはすごいな!中央の窓のまわりを飾るカーテンのようにさまざまなデザインのタイルが配されている。
種類はかなり多い。本を見ると魚の組絵タイルやゼラニウムの花のタイル、動物のいる風景の組絵タイルなど、
見たこともないタイルがたくさん。銅版転写、チューブライニング、手描きなど技法もいろいろ混じっている。
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上の方のタイルも正面から見たいんだけど、向かいには上れそうなビルもなく。。。
雨の中だったので薄暗いしカメラを上に向けるのが難しくて、うまく撮れずちょっと残念だったので、
最終日の自由行動のときにちょっと撮り直してきたのだが、やっぱりうまく撮れず(汗)
一枚一枚近くでじっくり見てみたいなぁ!!
尚、1階のアーケード下の壁に貼られたタイルは割と新しいプリントタイルのようだった。
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充実のタイルツアーはこれにて終了。
日曜だから商談は入っていないらしかったけど、ひっきりなしにお客が来るギャラリーを奥様に任せて
私たちのために長い時間を割いてレクチャーや物件案内をして下さったLimさん。
(奥様から何度もメッセージが入ってたみたいでちょっと心配になったけど、、、)
友達だから!また来たらもっとたくさんのタイルを見せてあげるよ!
あぁ何て親切なんだろう。。。感謝感激。ほんとにありがとうございました!!
続く。
スコールのせいで約束の11時にはちょっと遅れてタイルギャラリーに行ったら、Limさんが
「君たちはタイルのことをどこまで知っている?タイルはどこで生まれたか知っているか?」と。
そこからタイルの歴史についての講義が始まった。
タイルの技術はイラクのバビロンから移民と共にスペインへ渡り、イタリア人がスペインで技術を学び持ち帰ったあと
ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリスなどへ伝わり、それぞれの文化や芸術を取り込みながら独自の発展をしていった。
また、デザインの変遷の話から、アールヌーボーのタイルは想像させるデザインであり、イマジネーションを働かせて
眺めればいろんなものに見えてくるという話。実際にいくつかのタイルを手にとって、何に見える?と。
すると花だとばかり思っていた模様が、目玉だったり羊の角だったり、○○だったり・・・(笑)
また中国製のタイルと日本製のタイルの寸法の違いや、釉薬や技法の変遷の話も。
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通常なら30分で話せる内容を、中学英語(今どきの中学生は堪能か!?)レベルの私たちに、図を書いたり
本の記述を見せたり日本語混じり身振り手振りで、2時間かけてレクチャーして下さった。。。
日本では英国製のビクトリアンタイルと、それを模したタイル全般をマジョリカタイルと呼ぶが、同じものを
シンガポールではプラナカンタイル(ニョニャタイル)と呼ぶ。台湾では中国語で「彩瓷面磚」などの呼び方がある。
呼び方は場所により様々なので、単純に「タイル」と呼ぶのが一番間違いなく、共通語であると助言頂いた。
Limさんの奥様がタイの方ということで、ギャラリーに併設のカフェではタイ風のメニューが楽しめる。
ちょっと割高だけど、タイルに囲まれた空間で食べた麺は、大きなエビが3匹。味も洗練されていて、
満足のボリュームで値打ちがあった!
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さぁ、そのあとはLimさんの車で、カトン地区のとなりまち、ゲイラン(Geylang)へ。
私たちが前日までに歩いた通り名を出発前に伝えておいたのだが、それとかぶらないところを連れて行って下さった。
まちなかのすべてのタイルが頭の中に入っているんだな!(驚)
雨がポツポツ降りだす中、私たちが見ていない物件ばかりを次々と案内してくれ、写真を撮っている間に車を
転回して待っていてくれるという、至れり尽くせり。私たちいったいどんなVIPなんだ!?(爆)
小物件はまるでドライブスルーのように(笑)車窓から見て回り、効率よくたくさんのタイルを撮影することができた。
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アニメっぽいスズメと牛のタイルはベルギー製。
かわいらしい色に塗られたショップハウス。日本では歴史的まちなみといえば茶色=木の色と相場が決まっているが、
ここではこういうペンキのカラフルな色、しかもそれぞれの思い思いの色で塗られていること自体が
まちのアイデンティティーなのかもしれないな!
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赤色のクジャクタイルに囲まれた5枚のタイルのうち、中央3枚がLimさんのレプリカタイル。
遠目だとほとんど分からない。レプリカタイルはちょいちょい紛れている。割れてなくなったりどうしようもなく
汚れたりしたタイルを置き換えるのに使われ、タイル貼りのまちなみ景観を維持するのに役立っている。
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これまで歩いたところでも何度も目にしてきた、このプレートは、シンガポールの都市再開発庁による建築遺産賞、
The URA Architectural Heritage Awards(AHA)受賞の証。
うまく修復、保存された歴史的建造物、及びそれに関わった人々を評価、表彰する賞で、1995年に発足した。
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質のいいレプリカタイルは、これから50年、100年経てば改修の歴史に織り込まれまた貴重なものになっていく。
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その近くのテラスハウスで面白い例が。同じデザインの三段活用(笑)。
最初がチューブライニングのプラナカンタイル。下が立体的に描かれた絵タイル。その下は二次元的な
デザインとして描かれた絵タイル。
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こちらは左がチューブライニングのプラナカンタイル。右はレプリカ。
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こちらの上はグラデーションが表現された上質な絵タイル。下はペタッとした絵タイル。
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ショップハウスはどこもほとんど同じつくりだけに、個性を出そうと、建てた人も使う人も切磋琢磨して
きたに違いない。シンガポールに比べると日本では家の外観にはほとんど無頓着と感じる。
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ゲイランの次は前日に歩いたリトルインディアへ。
ここにも見落とし多数!案内してもらった物件はどれも濃密で、これを見ずに帰っていたら後悔してたな~、
というものばかり(汗)。よかったぁ~
ベルギー製タイルでファサードを飾られ、ラベンダーストリート(Lavender st)のランドマークとなっている
この建物は、先述のAHA初年度の1995年に受賞した6物件のうちの一つ。
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オウムのタイルがここにも。背景の少しむらのあるブルーが美しい。茶色バージョンのどんぐりのタイルの
背景のグリーンも落ち着いた色で好きだなぁ~
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窓下などに羽の生えたドラゴン?などの中国風の漆喰装飾が際立っていた建物。
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洋風の漆喰装飾がふんだんに施され、タイルは潔く日本製の牡丹のレリーフタイル1種類。これもこだわり。
本に載っていた写真では壁や漆喰装飾の色が全く違っていて、印象は大きく異なる。使う人が変われば
イメージチェンジするのだろう。それでもタイルだけは変わらず、大切に守り継がれている。
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ピンクのリボンのタイルはゴージャスで特別感があるなぁ。これもベルギー製。
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そして最後にディクソン通り(Dickson RD)にある、WANDERLUST HOTELへ。
この建物は1900年代のはじめに建てられ、元は三階建ての建物だったが1945~50年頃増築されたようだ。
前日歩いた時にはすっかり忘れていたのだが(汗)プラナカンタイルの本に載っている中でも絶対に外せない物件。
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ここはすごいな!中央の窓のまわりを飾るカーテンのようにさまざまなデザインのタイルが配されている。
種類はかなり多い。本を見ると魚の組絵タイルやゼラニウムの花のタイル、動物のいる風景の組絵タイルなど、
見たこともないタイルがたくさん。銅版転写、チューブライニング、手描きなど技法もいろいろ混じっている。
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上の方のタイルも正面から見たいんだけど、向かいには上れそうなビルもなく。。。
雨の中だったので薄暗いしカメラを上に向けるのが難しくて、うまく撮れずちょっと残念だったので、
最終日の自由行動のときにちょっと撮り直してきたのだが、やっぱりうまく撮れず(汗)
一枚一枚近くでじっくり見てみたいなぁ!!
尚、1階のアーケード下の壁に貼られたタイルは割と新しいプリントタイルのようだった。
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充実のタイルツアーはこれにて終了。
日曜だから商談は入っていないらしかったけど、ひっきりなしにお客が来るギャラリーを奥様に任せて
私たちのために長い時間を割いてレクチャーや物件案内をして下さったLimさん。
(奥様から何度もメッセージが入ってたみたいでちょっと心配になったけど、、、)
友達だから!また来たらもっとたくさんのタイルを見せてあげるよ!
あぁ何て親切なんだろう。。。感謝感激。ほんとにありがとうございました!!
続く。