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Channel: まちかど逍遥
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民居のタイルめぐり4(台湾)

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台湾の続き。

もうそろそろ日が傾いてきたが最後に1軒、水林の海埔村にある許家にやってきた。ここは徐さんも
まだ実際に見たことがなかったというお宅で、道路に面した長い塀には馬車の絵のレリーフが施され、
いかにもセレブ(笑)。ここも三合院だが今日見てきた中で一番前庭が広いな。


1934(大正9)年築。この建物が変わっているのは、両側の建物(護龍)にベランダがついているのだ!!


柱頭飾りのついた円柱が並ぶ回廊は洋館を思わせる。


不思議なことに、このベランダへは上ることができないのだとか!?そう言えば平屋だもんなぁ~
ハシゴなどもどこにもなかった。


そう、そして屋脊にはマジョリカタイルがずらりと!!しかも、その上下にはボーダー状のタイルが
端から端までみっちりと貼られている。リッチ!


軒飾りもついている。


同じ円柱でも正身(正面の建物)の方はカラフルな色に塗られた斗栱がついていて台湾っぽい。


そして・・・何、これは!?カワイイ~~!タイルではなく、人研ぎの平板のようだ。


ここのドア周りにも白い点々。貝殻のかけらを埋め込んであるな。


横へ回ってみよう。
護龍の妻壁には華麗なレリーフ。あれ、この葉っぱのような形の飾り見たことあるな!?
結構ポピュラーなデザインなのか。


家の横からだと護龍の屋根の屋脊に飾られたタイルがよく見える!!きれい~~






正身の妻壁にはライオンが2匹、上からはコウモリがぶら下がっている。洗い出し仕上げのレリーフ。
・・・あっ、さっき北港で見た蔡家と完全にシンクロした!聞けば、何とこの許家は北港の蔡家と同じ職人が
作ったのだとか。どうりで似ているはずだ。デジャブかと思った(笑)


ところでこの家には毎年2~3月にコウモリがやって来て繁殖するのを保護しているそうで、
地元では黄金蝙蝠屋と呼ばれているとか。


ここも蔡家と同様921大地震後に、つっかえ棒のような補強材が建物の裏手に取り付けられた。
裏側はちょっと見映えが悪いが、極力目立たないところで補強して、古い民居を美しいまま残しておられるのは
大変貴重で、ありがたいことだなぁ。


あぁ、今日は一日中古い民居のタイルを満喫できた!
素晴らしい台湾の伝統的民居がまだこうして残っていることはうれしいが、そのうちのいくつかは建物の
大部分が実際には使われておらず、ごく一部の部屋のみで生活しているようだった。このままではいずれ
維持できなくなるのでは・・・と少し心配になったのも事実。
日本統治時代に建てられた日本家屋や洋風建築が大切にされ、改修を経て活用されるのをこれまで各地で見てきた。
同じ時代に作られたこれらの台湾民居も、個人宅ではあるが、残すための支援策があればいいのになぁ。。。


自ら車を運転してくれて一日案内してくれた徐さん、そして通訳してくれた友達に感謝!!

続く。


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