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Channel: まちかど逍遥
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民居のタイルめぐり2(台湾)

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台湾の続き。

北港のまちなかから少し走りやって来たのは、こちらも地主だった蔡家。三合院の民居だが、さっきの林氏の
お宅とは全く違うスタイルの門だな。屋根の上の巻草飾りが軽やか。


護龍と呼ばれる左右の棟の妻壁が道路からよく見えるのだが、これが何かすごいぞ!


レンガ造の壁に、人造石洗い出しによるレリーフが満載!丸窓のまわりには緑色のビーズのようなものが
埋め込んである。写真を拡大して見てもよく分からないが、色のついた粘土を丸めて素焼きしたもの???
まぁとにかく、外から見てもこのゴージャスさなので、タイルも期待できるな・・・


皆に遅れて門を入ると・・・おぉ!中庭の三方を囲む建物の棟にはすべてタイルが見える!


屋脊のを飾る正方形のマジョリカタイルはさっきと同じ感じだが、その上下に端から端まで長方形のタイルが
途切れなく貼られている。またタイルだけではなく、小さな陶片を組み合わせて作られる装飾もあり賑やか!


正身と呼ばれる正面の建物も凝ったデザインが取り入れられていて、アーチのドアの周囲には火を表す装飾が
あったり、壁の足元にまた洗い出しによるフリル状の模様が入っていたり。


日本だと木造家屋では火除けのまじないとして水を表す模様や「水」の文字などを書いたりするが、
火を表す模様など絶対につけないだろう。台湾ではどういう意味があるのだろう、興味深いなぁ。


ドアまわりや柱の洗い出し仕上げに点々と白い粒があるなぁと思ったら、貝殻を埋め込んであるようだ。
今ではもう表面が風化してしまっているが、当時はパール色に輝いていたと思われる。
だいたい均等な間隔で散らばっているところを見ると、ひとつひとつ手で埋め込んだのだな。ご苦労様!


正庁の壁の腰張りには白いタイルが使われていた。 

椅子セットは背の部分に大理石の板がはまっている。思うに、タイル家具は、この大理石がマジョリカタイルに
置き換わったのではないか。。。


面白いのが、柱が基礎に接する部分にコウモリの顔がついているのだ!目にはビー玉がはまっている~~


祭壇のレリーフは彫刻かと思いきや、パーツを別途作って貼り付けたものだそうだ。


屋脊のタイルは外側から見る方が近くで見ることができる。台湾の赤瓦も美しいなぁ~








正身を通り抜けて裏庭へ出た。裏側には驚くほど太いコンクリートの柱が建物の外側に取り付けられていた。
これは921大地震のあとに追加した補強柱だという。
921地震とは、1999年9月21日に台湾の内陸部で起こったM7.3の大地震。台湾における
20世紀最大の地震で甚大な被害を出した。ニュースを聞いたような記憶がうっすらと・・・
もう20年近く前のことだ。


レンガ積の三合院などの古い民居はひとたまりもなかっただろう。その地震で台中あたりに残っていた
民居も多数崩壊したことだろうな。。。


幸いこの地域までは被害がなかったのか、この美しい建物は今私たちの目の前に建っている。
将来に備えて補強するだけで済んだことは幸運なことだ。






正身の妻壁もこの通り。レリーフは何だかタコの足に見えてきた(笑)


続く。

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