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Channel: まちかど逍遥
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マジョリカタイル博物館の2階(台湾)

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嘉義の台灣花磚博物館の続き。

博物館の2階には部屋が2つある。ここもショールームとして公開され、マジョリカタイルに囲まれた生活を
疑似体験できる。いずれの部屋も、新しくガラス張りのお風呂とトイレが設えてあり、一時は宿泊施設として
使っていたようだが、現在は特別な客しか泊めていないとのこと。

うわぁ~~!!
タイルで飾られた天蓋つきベッド、ちゃんと踏み台もある。今日はここで寝るのだ!夢のよう~~


ベッドの横の壁にもタイルフレームがずらりと!!大きな花のデザイン、ふっくらと盛り上がったエンボスタイルは
とてもリッチな雰囲気。同デザインのタイルが、京都の有名物件、さらさ西陣にも使われているが、
やはりチューブライニングのタイルと比べても高価なのだろう、あちらでも一列だけしか使われていない。


部屋はそれほど広くはないが天井がとても高くロフトがある。


上へ上がるとまたまたマジョリカタイルが~~~すごい!!こちらは果物シリーズばかり集めてある。
ざくろ、桃、柑橘の3つは三柑の実と言って縁起のいい果物の定番らしく、さらに多くの果物を加えたデザインも。
ほんとに特別なパワーが発していそうな、特別感のあるタイルだ。


背の部分にタイルがあしらわれた椅子のセットも置かれていた。


壁に貼ってあったリノベーション前の写真を見ると、元は天井が張られたごく普通の部屋だったのが、
天井板を外して小屋裏をむき出しにするととても開放感が出たなぁ!ロフトの上でも立てるほど十分な高さだ。


あぁ、こんな部屋で泊まったら、美しいタイルに囲まれてさぞいい夢を見れるだろう・・・
実際はmayumamaさんは興奮してほとんど眠れなかったと(笑)。私は翌朝話すための英単語を
組み立てるのに頭の中がてんてこ舞いであまり眠れなかった(爆)

作業室として使っている方の部屋も見せてもらった。レイアウトが少し違い、こちらにはベッドがない
代わりに大きなタイルタペストリーが。


女の子が作業台に向かってタイルの色つけをしていた。
徐さんは最近マジョリカタイルの復刻版も製作されている。粘土で整形してエンボスタイルの石膏型をつくり、
素焼きしたタイルに手で釉薬をのせていく。ひとつひとつ丹念に手作りされたタイルは優しい色合い。
1階には電気窯が置かれていた。


もちろん徐さんは窯業の専門家でもないので、窯の温度管理により素地がひどく反ってしまったり、
色むらになったり失敗を繰り返しながら試行錯誤されているようだ。


こちらが花かごデザインのエンボスタイルの石膏型。


その元になる粘土で作った型。これもまた別の職人さんが一から手作業で作られたものだ。→動画


年月を経てみすぼらしくなった建物も、スクラップ&ビルドしてしまうのでなく、割れたり汚れたりした
部分をこの復刻タイルを使って改修することによりリフレッシュして、台湾の独自スタイルの建物の顔を
保ち続けることができる。徐さんの願いはそこにあるのだろう。


ところで博物館の裏には阿里山鉄道が走っている。朝夕にガタンガタンと通り過ぎていく機関車と客車が
窓越しに見えるのだ!阿里山鉄道ビューだなんて、最高じゃないの~~


翌朝朝食を食べに外へ出た帰りに博物館を裏から眺める。ほんとに線路が直接接しているのだ!


よく見るとかわいい冨士山のデザイン!冨士山柄の面格子は台湾ではちょくちょく見かける。
日本を感じさせるデザインを台湾のまちなかで見つけると何だかうれしくなるなぁ!


博物館の前には、解体される古い民居から取り外して運び込まれた、「屋脊」と呼ばれる屋根の棟の部分が
ごろごろと置いてある。


近年古い民居が取り壊され建て替えられるスピードが増しているのは日本でも台湾でも同じ。
以前mayumamaさんと一緒に行ったときに見つけた新化というまちの古民居群ももうなくなってしまったようだ(涙)。→動画


本当はタイル単品でなく、タイルが飾られた建物ごと、集落ごと、文化ごと、残ってほしいと願うのは
現代においては到底無理な話だろうか・・・


台灣花磚博物館の公式サイト

2日目は、同日程で台湾へ来て台北に泊まっていたUさんと、台北に住む私の大学時代の友人との2人が
朝から嘉義へ合流して、徐さんの案内で近隣県の古民居をめぐるスペシャルツアーに出かけたのだった。

続く。

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