春日野会病院の羊

先日仕事で春日野道へ行って坂を上って歩いていたときに、あぁそういえばこの辺に紅塵荘、春日野会病院が
あったなぁ、と思い出した。

以前洋風建築めぐり講座で、建て替え前の最後の機会だということで内部を見学することができたのだが、
公開不可ということでこのブログには書いていなかった。
内部は外観から想像していた以上の素晴らしい空間だった。居室、ホール、階段、テラス・・・建物内の
あらゆる空間に手仕事の素晴らしい意匠が施されており、ステンドグラス、タイル、アイアン、木の造作、
石材、、、どれをとっても工芸品として質の高いものであり、その空間の凄さに驚き圧倒された。
それが壊されてしまうとは惜しくて惜しくて、どうしようもなく悔しい思いに駆られたのだった。。。

そして今坂道を上りながら、離れた場所からでも、すでに建て替えが完了していることが分かった。。。
一応、どうなったのか確かめに、目の前まで行ってみた。


すると、見覚えのある羊が・・・あ、あっちにも。


羊と、竜山石の石積みの一部がかろうじて残されていた他はもうすっかり変わってしまっていた。
う～む。。。もちろん病院はキレイな方がいいが・・・あの濃密な空間は・・・もうどこにもなく、
二度と再現することはできないのだ。。。


羊の頭をなでたあと、やりどころのない複雑な思いが胸に渦巻いたまま、仕事の現場へ向かったのであった。。。