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Channel: まちかど逍遥
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和中庵

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5月の洋風建築めぐり講座は、ノートルダム女学院の敷地内にある和中庵だった。
その建物のことは全然知らなくて、そもそも鹿ヶ谷という場所にも行ったことがなかったのだが
とても静かで落ち着いた古くからの住宅地のようで、付近には風格ある古い邸宅があったり
どことなく文化的な香りが漂っている場所だった。歩いていてもレンズを向けたい風景がそこここに。

しかしこんな回に限ってカメラを忘れてしまったのだ(愚)
自宅の最寄り駅に着く直前にはっと気づいたのだが、取りに戻ったら確実に集合時間に遅れる。
いつも遅刻が多いので今回は遅れるまいと、あきらめたのだったが・・・やっぱり取りに戻るべきだった。

和中庵は近江五箇荘出身の実業家、藤井彦四郎の邸宅として1928(昭和3)年に建てられた。
大文字山の裾野を切り開いた広大な土地に主屋、客殿、洋館、茶室、土蔵の5つの建物があった。
1949(昭和24)年にノートルダム教育修道女会の修道院となり、2007(平成19)年に
ノートルダム学園に移管。老朽化が激しく一度は解体が決まったが、保存を望む声により
改修・耐震工事が施されたのち教育施設として活用されることになった。
主屋は取り壊されたが、残りの4棟が現存する。

この洋館は広場に面した正面は改修されて何となく建売住宅みたいだが(苦笑)、
向かって右側、傾斜地の下から見上げる外観に特徴がある。スパニッシュ風瓦の載った半円形のひさしを
支える柱がY字型の柱なのだ。京大の楽友会館と共通するというこのY字柱は鉄筋コンクリート造で、
型枠を組んで作られたとの先生の説明があったが、枝分かれする部分の取り付きなど複雑な形なのに
型枠はこんなうまくできるものなのだろうか。


洋館は地下1階、地上2階建てでこじんまりしている。
中に入ると階段周りに貼られた紫っぽい色の大理石に目が釘付け!変わった色だなぁ。
非公開のお風呂場周りに使われた大理は明るいサーモンピンク色。
1階、2階ともにスチールサッシの建具が残っており、暖炉や天井、窓まわりなど見どころいっぱい。
玄関の位置がちょっと変わっていたり、2階に外へ向かって開けられるドアがあったりと不自然な
部分があるのは、今はなき主屋とつながっていたことによるらしい。

Y字柱の玄関の下に地下室の入口があったが、室内から下りる階段はないようで、謎めいている。。。

洋館の2階から渡り廊下で客殿の1階へつながっている。渡り廊下の手すりはガラス張り。
客殿は完全な和館であり、庭に面して開放的な大広間がある。渡り廊下の下の地下室は厨房だとか。


洋館と客殿の間に立って見上げるアングルがとても素敵で気に入った。。。秋にはさらに紅葉が
この起伏のあるお庭を彩るらしい。いいね~


カメラを忘れたらスマホで撮ればいいと思うだろうが、スマホは謎のストレージ不足で(涙)
こねくり回して何とか数枚のみ撮ることができた。。。

あぁ、今度またリベンジの機会があるかな!?あわせて鹿ヶ谷周辺の散策もしたいなぁ。

和中庵の公式ホームページ →こちら

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