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ポンプ室の上の住宅

前回書いた津守下水処理場、この第一ポンプ室の上が住宅になっているという。そう聞いても正直ピンとこず、
まぁ古いRC造の団地のようなつくりなのだろう、半分吹きさらしの片廊下式で金属性のドアが並んで
いるような・・・何となくそんなイメージを思い描いていたのだったが・・・完全に裏切られた。
思えばそんな造りの団地はせいぜい昭和30~40年代だ。昭和9年といえば、まだまだ長屋の時代。

ポンプ室から、こんな流れ落ちるような三次元曲面の手すりをもつ階段室を通って上階へ行くと、、、
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中廊下の両側に部屋があって・・・校舎みたいだな!?
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窓枠が木でできているな。格子までついている。郵便受けが・・・おや、これは長屋じゃないの!?
この下水処理場で働く人が家族で住んでいた住宅である。
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引き戸の玄関から中を覗いてびっくり!うわっ、和室だ!!畳はめくってあるが、押入れもある、欄間もある、
竿縁天井の、完全な和室。
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透かし彫りの欄間は菊の花など上品な柄。手前の部屋の押入れが板戸になっているのはよく見るな。
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床の間の横にはこんな下地窓までしつらえられていて、これは木造の古いお屋敷の内部と思って見ても
違和感がないくらい「ちゃんとした」座敷だ。戦後の団地よりもずっとしっかりした造りではないか。
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壁の一角がこんな状態・・・(微笑)。
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何とここには20年ほど前まで人が住んでおられたという。ここで子供が生まれ育ち、子供は
ここから学校に通っていたのだ。
「シール貼るのはここの壁だけにしてよ!」というお母さんの声が聞こえてきそうだ。

座敷の隣には小さな水屋(キッチンというよりも、やっぱり水屋だな、これは)がある。
ここで料理して座敷へ運び、ちゃぶ台で家族揃ってごはんを食べている光景が目に浮かぶ。
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そしてまた驚くのは、各住戸の間を分けるように幅半間の細長い空間があるのだ!!それはまさに路地。
路地に面して勝手口が設けられており、水屋からゴミを運び出したりちょっとした洗い物を干したり、
とっても便利そう。お隣にお味噌を借りに行ったりおかずのおすそ分けしたり・・・なんてことが
行われていたかも。一方、戸を閉めれば路地を挟んでいるからプライバシーが保たれていただろうな。
そうするとこれは長屋というより戸建て住宅じゃないか!!RC造のポンプ室の上階に戸建て住宅街があった!?
(正確には二戸一かもしれない。路地の配置をちゃんと確認しなかったので・・・)
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廊下が明るいのはトップライトがあるから。プリズムガラスが使われている。
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戸建て住宅と言ったがトイレは共用で、フロアの端にそれぞれ男性用・女性用分けて設置されていた。
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そしてお風呂も。すごい、まるで銭湯だぁ~!!
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うぉ~~~っ、あのポンプ室の上にお風呂があるとは!!下に水漏れしても・・・ポンプ室だから大丈夫?
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廃墟は好きでない私だが、こんな奇妙な住空間、しかも生活感が生々しく残るリアルな空間が、博物館のように、
そのままの形で手つかずで残っているのを目の当たりにして、鳥肌が立つような興奮を覚えた。。。
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こんな職住近接すぎる環境は私は耐えられないが(苦笑)、綾部のグンゼ社宅とか別子銅山足尾銅山など
昔は大きな工場の周りには社宅群が必ずあったし、必要最低限の住空間や公私の境のない人間関係も
そういうものとして受け入れられていたんだろう。しかしここは全14戸と規模が違う小さな世界。
同居の家族は気苦労もあっただろうなぁ。。。
ここを取り壊す前に、住宅としてのこの建物と、その中の暮らしについてもっと調査されてしかるべき
じゃないだろうか、、、とひしひしと感じた。
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しかしこんな貴重な空間を見ることができてよかったなぁ!

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