宮原からの続き。
思わぬ寄り道ですっかり遅くなってしまい、石匠館に着いた時にはもう4時だった。滑り込みセーフかな!?
・・・おおっ!
谷筋の集落のはずれに立地する石匠館は、地味な資料館のイメージを勝手に持っていたが、
建物自体が石積み意匠ですごくおしゃれ!外構部も同じ石使いでトータルにデザインされている。
門のところの獅子は何か唐突な感じだが・・・
雨でしっとり濡れた石匠館は、小川に架かった石橋のようにまわりの風景に自然に馴染み
それでいてシンボリックで、とても素敵な建物だった。
建物の写真を撮ってからエントランスへ向かうと、、、おや?・・・「閉館しました」・・・?
えーーーっ、閉まっちゃったの!?ここまで車を走らせて来たのに。しまった!あちこち寄り道
してるんじゃなかった~(汗)
ガラスドアの前で呆然と立ち尽くしていると、、、横の扉から人が。
「入られます?」「もう閉まったんですか?」「入場は4時までなんですが、姿が
見えたんで。どうぞ入って下さい」
あぁよかったぁ~!
いったん消してあった電気もつけてくれて、45分ぐらいまでは大丈夫ですよ、と。
建物は、中国湖北省から3人の石工を呼んで積んだという石の壁に囲まれ、ドームの空間には
柱がない。上から見ると2つの花を組み合わせたような形をしていて大きい方が展示室、
小さい方がホールである。
展示室の中は写真撮影禁止なのは残念だが、中央に組まれた大きなアーチ橋の支保工が壮観!
アーチの石橋を作るには、先に木材でアーチ型の土台(支保工)を組んでおき、
その上に輪石を並べて最後にキーストーン、くさび石とも呼ばれる頂上の石をはめ込むと、
上からの圧力が石どうしを押し合う力となりアーチが強固に保たれる。
そして壁石と呼ばれる橋の側面の石を積み上げて、上が水平になるよう形作る。
アーチの技術はもともと西洋のものだが、種山石工の祖と呼ばれる林七という人が
出島に来ていたオランダ人からその技法を秘密裡に教わり、熊本へ戻って広めたらしい。
そこに展示されているのは、一般的な解説資料もあるが、石橋のありかを無数の点で示した地図や、
何十人もの石工個人の存命年表、石橋の造られた年代を模造紙に記した年表など、すごい年月と
フィールドワークを経てまとめられたであろう手書き手作りの資料の数々。
石工一人一人の人生まで写し取ったようなそれらの資料から放たれるオーラはすごい!
執念、いや愛情だろう、それがもうビシビシと見る者に訴えかけてくるのである。
こぎれいなパネルの資料ではこれほどの訴求力はないだろうから、是非ともそのままにして
おいてもらいたいが、先述のテレビ番組で石工が取り上げられたこともあり予算がついたとかで、
今後ちょっと資料もきれいにしていくと職員の女性の方が言われていた。
あの生々しい資料でないと伝わらないものもあると思うなぁ。。。
展示も、建物も。45分そこそこでは見きれない石匠館である。
石垣や石橋や石が好きだという話をしていたら、お好きなら、と小冊子を頂いた。
ここの展示資料は名誉館長による研究だとのことで、熊本県内の石橋すべてを調査した本も出されて
いるという。
この近くにもいくつかの石橋があるというので、まだ明るさが残っているうちに見に行くことに。
石匠館から川を遡ってさらに山奥方面へ向かい、20分くらい走ったところで石橋発見。ストップ!
谷川橋。集落へアクセスするための人道橋だ。生活に欠かせない身近な橋。
よく見ると鋼鉄製の桁がアーチの上に乗っている。実用面から補強されたのだろう。
さらに進んでみよう。
そろそろ日が落ちてきた。めあての橋はなかなか現れずちょっと焦りながら、帰りはもう
真っ暗なこのくねくね道を走らなければならないことにやや不安も感じながら、、、
おっ、あれだ。ストーーップ!
むむむ、車を停めるスペースがないなぁ。おや、前を走る車がハザードを出している。
あの人も橋を見に来たのか?緩やかなカーブの先でいったん停めようと減速したら、前の車も
同じように停まろうとしている。2台前後に並んで停車したら、前の車から人が下りてきた。
あれっ、さっきの石匠館の方じゃないの!?
雨の中車を下りてこちらに近寄って来られ、
「ここはちょっと危ないのでUターンして反対側の広くなってるところに停める方がいいです。
そこから河原にも下りて見られますから」と。えぇーっ、追いかけて来てくれたの!?
「分かるかなと心配だったんで」
お住まいとは全く反対方向の山の中まで、わざわざ心配して来てくれたらしい。何て親切なんだろう!
感謝、感激!あぁ、東陽町まで来てよかったぁ~
安心して戻って行かれる車のテールランプを見送りながら、心から感謝。。。
おおー、さすがに東陽町で一番の石橋。カッコイイ~!
清らかな水の流れ、背景の山々。その中にひとつ、幾何学的なフォルム。あぁ美しい。
河原から見上げ、渡り、どこから見ても絵になる。いやぁ~いいねぇ!
石積みの段々畑で青々と茂った葉っぱは生姜。
この町は生姜の生産で有名だそうで、川沿いの生姜畑と石橋のコラボは東陽町の原風景だ。
明日は生姜祭という町のいちばんのイベント日だということでテントも張って準備されていたが
この雨はほんとにお気の毒・・・石橋見物には雨も悪くないんだけどね。。。
続く。
思わぬ寄り道ですっかり遅くなってしまい、石匠館に着いた時にはもう4時だった。滑り込みセーフかな!?
・・・おおっ!
谷筋の集落のはずれに立地する石匠館は、地味な資料館のイメージを勝手に持っていたが、
建物自体が石積み意匠ですごくおしゃれ!外構部も同じ石使いでトータルにデザインされている。
門のところの獅子は何か唐突な感じだが・・・
雨でしっとり濡れた石匠館は、小川に架かった石橋のようにまわりの風景に自然に馴染み
それでいてシンボリックで、とても素敵な建物だった。
建物の写真を撮ってからエントランスへ向かうと、、、おや?・・・「閉館しました」・・・?
えーーーっ、閉まっちゃったの!?ここまで車を走らせて来たのに。しまった!あちこち寄り道
してるんじゃなかった~(汗)
ガラスドアの前で呆然と立ち尽くしていると、、、横の扉から人が。
「入られます?」「もう閉まったんですか?」「入場は4時までなんですが、姿が
見えたんで。どうぞ入って下さい」
あぁよかったぁ~!
いったん消してあった電気もつけてくれて、45分ぐらいまでは大丈夫ですよ、と。
建物は、中国湖北省から3人の石工を呼んで積んだという石の壁に囲まれ、ドームの空間には
柱がない。上から見ると2つの花を組み合わせたような形をしていて大きい方が展示室、
小さい方がホールである。
展示室の中は写真撮影禁止なのは残念だが、中央に組まれた大きなアーチ橋の支保工が壮観!
アーチの石橋を作るには、先に木材でアーチ型の土台(支保工)を組んでおき、
その上に輪石を並べて最後にキーストーン、くさび石とも呼ばれる頂上の石をはめ込むと、
上からの圧力が石どうしを押し合う力となりアーチが強固に保たれる。
そして壁石と呼ばれる橋の側面の石を積み上げて、上が水平になるよう形作る。
アーチの技術はもともと西洋のものだが、種山石工の祖と呼ばれる林七という人が
出島に来ていたオランダ人からその技法を秘密裡に教わり、熊本へ戻って広めたらしい。
そこに展示されているのは、一般的な解説資料もあるが、石橋のありかを無数の点で示した地図や、
何十人もの石工個人の存命年表、石橋の造られた年代を模造紙に記した年表など、すごい年月と
フィールドワークを経てまとめられたであろう手書き手作りの資料の数々。
石工一人一人の人生まで写し取ったようなそれらの資料から放たれるオーラはすごい!
執念、いや愛情だろう、それがもうビシビシと見る者に訴えかけてくるのである。
こぎれいなパネルの資料ではこれほどの訴求力はないだろうから、是非ともそのままにして
おいてもらいたいが、先述のテレビ番組で石工が取り上げられたこともあり予算がついたとかで、
今後ちょっと資料もきれいにしていくと職員の女性の方が言われていた。
あの生々しい資料でないと伝わらないものもあると思うなぁ。。。
展示も、建物も。45分そこそこでは見きれない石匠館である。
石垣や石橋や石が好きだという話をしていたら、お好きなら、と小冊子を頂いた。
ここの展示資料は名誉館長による研究だとのことで、熊本県内の石橋すべてを調査した本も出されて
いるという。
この近くにもいくつかの石橋があるというので、まだ明るさが残っているうちに見に行くことに。
石匠館から川を遡ってさらに山奥方面へ向かい、20分くらい走ったところで石橋発見。ストップ!
谷川橋。集落へアクセスするための人道橋だ。生活に欠かせない身近な橋。
よく見ると鋼鉄製の桁がアーチの上に乗っている。実用面から補強されたのだろう。
さらに進んでみよう。
そろそろ日が落ちてきた。めあての橋はなかなか現れずちょっと焦りながら、帰りはもう
真っ暗なこのくねくね道を走らなければならないことにやや不安も感じながら、、、
おっ、あれだ。ストーーップ!
むむむ、車を停めるスペースがないなぁ。おや、前を走る車がハザードを出している。
あの人も橋を見に来たのか?緩やかなカーブの先でいったん停めようと減速したら、前の車も
同じように停まろうとしている。2台前後に並んで停車したら、前の車から人が下りてきた。
あれっ、さっきの石匠館の方じゃないの!?
雨の中車を下りてこちらに近寄って来られ、
「ここはちょっと危ないのでUターンして反対側の広くなってるところに停める方がいいです。
そこから河原にも下りて見られますから」と。えぇーっ、追いかけて来てくれたの!?
「分かるかなと心配だったんで」
お住まいとは全く反対方向の山の中まで、わざわざ心配して来てくれたらしい。何て親切なんだろう!
感謝、感激!あぁ、東陽町まで来てよかったぁ~
安心して戻って行かれる車のテールランプを見送りながら、心から感謝。。。
おおー、さすがに東陽町で一番の石橋。カッコイイ~!
清らかな水の流れ、背景の山々。その中にひとつ、幾何学的なフォルム。あぁ美しい。
河原から見上げ、渡り、どこから見ても絵になる。いやぁ~いいねぇ!
石積みの段々畑で青々と茂った葉っぱは生姜。
この町は生姜の生産で有名だそうで、川沿いの生姜畑と石橋のコラボは東陽町の原風景だ。
明日は生姜祭という町のいちばんのイベント日だということでテントも張って準備されていたが
この雨はほんとにお気の毒・・・石橋見物には雨も悪くないんだけどね。。。
続く。