以前本に載っていた写真を見て、行きたいと思っていた京都大学花山天文台の
一般公開があったので行ってきた。
あいにくぐずついた天気だったが、山の上でシャトルバスを降りて歩く道すがらの緑が
しっとりつややかに光って、雨もなかなか悪くない。
「花山」は「はなやま」でなく「かさん」「かざん」と読むと、今調べて知った。
華頂→花山と転じたらしく、この山は華頂山とか花山山と呼ばれるそうだ。その美しい名と
裏腹に、途中の東山ドライブウェイの沿道は不法投棄がひどいのは嘆かわしいことだが。
今回の公開は天文学とか宇宙とかに親しむためのイベントであり建築物としての見学は
主催者の意図するところではないようであったが、特にダメと言われるわけでもなく
あちこち見て回った。
白亜のモダニズム近代建築である本館は1929(昭和4)年築。直線と円弧からなる
デザインは当時どれほど先進的なイメージを見る者に与えたであろうか。
起伏のある場所に建っているため入口は2階にある。
中に入ってもやはり幾何学的でクールな空間だが、木製のドア、陶製のルームプレートなどが
適度に印象を和らげる。窓のサッシはすべて新しくなっている。
入って廊下を左手に進むとドームを頂く円柱部分だ。中心部に柱、その周りを回る廊下、
そしてその外側に小部屋がいくつかあるらしくドアが並んでいる。
直径10mぐらいの円筒の中が同心円構造になっているので廊下はかなり狭苦しい。
それに比べ階段は吹き抜けで広く明るい。中3階に秘密の小部屋・・・?
天井に向かってラッパ状に広がる3階の柱。う〜ん、素敵だ!
3階から鉄製の階段を上っていくと、、、おお!
半球型のドームはなんと板張りだ。驚き!
周囲をぐるっとめぐっているレール状の部材と車輪が目に入る。このドームが回るのか?
ガーッと音を立てて回りだした。うわっ!回転展望台みたいだぁ〜
スタッフの人にいろいろ話を聞く。このドームを支える鉄骨は川崎造船所が作ったのだとか。
なるほど、美しい放射状のトラスの骨は船底を彷彿とさせる。
回転展望台は鉄道の技術を使って作られたらしいが、天文台は造船とは面白い。
直径45cmの屈折望遠鏡は星を追ってくるくる回るようになっているが、それを支える
ピラーと呼ばれる支柱は、地震が来ても動かないように、建物の柱とは別に地中に打ち込んだ杭に
固定されているらしい。ただしそれも長年のうちに軸がずれてきて(?)微調整が必要なため、
下階で見たあの太い柱の中には人が入れるようになっているそうな!?
なんと、同心円はもう一重あったのだ!柱の中を覗いてみたかったが、残念ながら立入禁止。。。
望遠鏡は昭和45年に今のものに付け替えられたがピラーは開設時からずっとそのまま使われて
おり、世界的に見てもかなり希少なのだとか。
階段の穴が数枚の扇形の鉄板によりぴっちりと閉められるようになっているのは、室内の空気の
揺らぎをできる限り抑えるためなのだとか。部屋が矩形でなく半球形になっているのも
どちらの方向でも空気を同じ状態に安定させるためという。なるほど。精密な画像を得るために
空気まで制御していたとは。
2Fと3Fの天井に見える台形の開口部の痕跡についてもスタッフの人に聞いてみたが
わからないという。望遠鏡の搬入口だろうか。
建物のことだけでなく、望遠鏡の構造や月、木星や土星の話など興味深い話も聞け、
いろいろ疑問にも答えて下さり、なかなか有意義で楽しい天文台見学だった。
一般公開があったので行ってきた。
あいにくぐずついた天気だったが、山の上でシャトルバスを降りて歩く道すがらの緑が
しっとりつややかに光って、雨もなかなか悪くない。
「花山」は「はなやま」でなく「かさん」「かざん」と読むと、今調べて知った。
華頂→花山と転じたらしく、この山は華頂山とか花山山と呼ばれるそうだ。その美しい名と
裏腹に、途中の東山ドライブウェイの沿道は不法投棄がひどいのは嘆かわしいことだが。
今回の公開は天文学とか宇宙とかに親しむためのイベントであり建築物としての見学は
主催者の意図するところではないようであったが、特にダメと言われるわけでもなく
あちこち見て回った。
白亜のモダニズム近代建築である本館は1929(昭和4)年築。直線と円弧からなる
デザインは当時どれほど先進的なイメージを見る者に与えたであろうか。
起伏のある場所に建っているため入口は2階にある。
中に入ってもやはり幾何学的でクールな空間だが、木製のドア、陶製のルームプレートなどが
適度に印象を和らげる。窓のサッシはすべて新しくなっている。
入って廊下を左手に進むとドームを頂く円柱部分だ。中心部に柱、その周りを回る廊下、
そしてその外側に小部屋がいくつかあるらしくドアが並んでいる。
直径10mぐらいの円筒の中が同心円構造になっているので廊下はかなり狭苦しい。
それに比べ階段は吹き抜けで広く明るい。中3階に秘密の小部屋・・・?
天井に向かってラッパ状に広がる3階の柱。う〜ん、素敵だ!
3階から鉄製の階段を上っていくと、、、おお!
半球型のドームはなんと板張りだ。驚き!
周囲をぐるっとめぐっているレール状の部材と車輪が目に入る。このドームが回るのか?
ガーッと音を立てて回りだした。うわっ!回転展望台みたいだぁ〜
スタッフの人にいろいろ話を聞く。このドームを支える鉄骨は川崎造船所が作ったのだとか。
なるほど、美しい放射状のトラスの骨は船底を彷彿とさせる。
回転展望台は鉄道の技術を使って作られたらしいが、天文台は造船とは面白い。
直径45cmの屈折望遠鏡は星を追ってくるくる回るようになっているが、それを支える
ピラーと呼ばれる支柱は、地震が来ても動かないように、建物の柱とは別に地中に打ち込んだ杭に
固定されているらしい。ただしそれも長年のうちに軸がずれてきて(?)微調整が必要なため、
下階で見たあの太い柱の中には人が入れるようになっているそうな!?
なんと、同心円はもう一重あったのだ!柱の中を覗いてみたかったが、残念ながら立入禁止。。。
望遠鏡は昭和45年に今のものに付け替えられたがピラーは開設時からずっとそのまま使われて
おり、世界的に見てもかなり希少なのだとか。
階段の穴が数枚の扇形の鉄板によりぴっちりと閉められるようになっているのは、室内の空気の
揺らぎをできる限り抑えるためなのだとか。部屋が矩形でなく半球形になっているのも
どちらの方向でも空気を同じ状態に安定させるためという。なるほど。精密な画像を得るために
空気まで制御していたとは。
2Fと3Fの天井に見える台形の開口部の痕跡についてもスタッフの人に聞いてみたが
わからないという。望遠鏡の搬入口だろうか。
建物のことだけでなく、望遠鏡の構造や月、木星や土星の話など興味深い話も聞け、
いろいろ疑問にも答えて下さり、なかなか有意義で楽しい天文台見学だった。