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Channel: まちかど逍遥
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函館の近代建築めぐり ~その5

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函館の続き。

坂道を上ったり下りたり、水平移動したり、、、まちなかにあるこんな感じの建物はここでは
特に珍しいものでもなく、普通に当然のように使われている。


S級A級B級の近代建築がごろごろある中では、四角い箱にレリーフがついただけのこんな建物は
まったく目立たず、素通りしてしまいそうになるのだが、店先をちょっと覗いてみると・・・


足元はこんなモザイクタイルで、一段上がった木の床や古いショーケースがとってもいい感じ!
お姉さんにちょっとお話を伺ってみると、元は精養軒というパン屋さんの建物だったのだとか。
現在はオリジナルの皮や布の小物を製造販売する工房兼店舗として使われている。

こんな一見地味な建物も内部はこのように渋い造作が隠れているのだから、ほんとに一軒一軒
おじゃまして中を見せてもらったらどんなすごいものが出てくるだろうか。

同じ並びの建物たち。この辺りは先述の函館大火で焼けてしまった地区だといい、これらの建物は
皆それ以降の復興期に建てられたものだとか。


五島軒レストラン。


日本基督教団函館教会。説明板によると、このハリス監督記念礼拝堂は1931(昭和6)年に建ったもの。


雨が降ってきた。傘はホテルに預けた荷物に入れたままだ・・・すぐに止むかな。。。
平地へ下りてうろついているうちにどんどんひどくなってくる(汗)。




日本最古のコンクリート電柱。1923(大正12)年に函館水電会社(現:北海道電力)が建てたもの。
角錐形、そして現場打ちの電柱というのも珍しいが、もうすぐ100年経つというのに
何と今も現役というから驚く!!道端のすごい産業遺産だ。

雨が本降りになってきて空は暗く止みそうもないので、市電に乗っていったん宿に戻り、預けてある
荷物から傘を取り出して再び街へ出ると、5分もしないうちに雨が止んだ。まったく!!

1日券を買っているので、再び市電で函館どつく前まで行って造船所を見よう。
赤レンガの長い長い倉庫!


函館どつく株式会社という名前の会社なのか。サイトを見たら、ここでも進水式を公開しているらしい。
宇野の三井造船尾道造船と同じく滑走式進水をやっているらしい。見てみたいなぁ。


すでに進水して艤装中の船は見えた。


昨日空振りしてしまった大正湯をもう一度見に行く。
「大正湯」の文字を囲む額縁と、市松模様のタイルがハイカラ!!


こんなかわいくておしゃれな下見板張りのお風呂屋もなかなかないね。黄色い消火栓も素敵!

今日は定休日でないが15時からの営業なので入ることはできない。あぁ。。。とっても残念。

そこからさらに坂を上っていく。途中にあるのが「鯨族供養塔」。リアルなフィギュアは「背美鯨(セミクジラ)」。
遠洋捕鯨会社の捕鯨船船長兼砲手の「天野太輔」という人が1957(昭和32)年に建てたものだとか。
北海道で捕鯨とはあまりイメージがなかったが、函館も捕鯨の拠点だったのか。


ゼイゼイヒイヒイ言いながら坂を上ってきたのは、この建物を見るため。旧ロシア領事館。
ロシア領事館はもともと現在のハリストス正教会の敷地内に建てられたが英国領事館の火事で被災、その後
現在の場所に移って建てられたがまた火災で焼失。現在の建物は1908(明治41)年に建ったものとか。


もうかなり昔に領事館は閉鎖され、青少年宿泊研修施設として使われていたが、現在は空き家らしい。
かわいいイメージの洋館だが、入口のひさしが唐破風なのが、冗談なのか本気なのかよく分からない(笑)。


しかしこの坂、尋常じゃない!!


続く。

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