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Channel: まちかど逍遥
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嘉麻の常盤館に泊まる。

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伊田から少し南下し嘉麻市にある常盤館という旅館にやって来た。ここが今宵の宿。
鉄道網の空白地で休日はほとんどバスも走っていない不便な場所だが、やはりここも炭鉱で栄えたまちで、
かつては国鉄上山田線が通っていたが、石炭産業が斜陽となり1988(昭和63)年に廃止された。


こんなローカルなところにある旅館だが、これが実に最高だった!木造旅館好きの友人がチェックしておいて
くれたもので、ここに泊まるのをメインにプランを組み立てたのだった。


外観以上に内部がおもしろい。玄関を入ると、長い廊下が奥へと続いている。




玄関脇には洋室が設けられている。現在は待合室ぐらいにしか使っていないようで。ちょっともったいないな。。
大きな戦艦の模型が飾ってあった。


さて、長い廊下を奥へと案内され、お部屋へ。途中の廊下の床は古い旅館でよく見かける那智黒と丸太の
輪切りを埋め込んだ意匠。


輪切りの木は艶があって固そう。ケヤキだろうか。


丸太に開いた穴を松に見立ててあるのも楽しい。


こっちはカエルだ!?わざとあけてあるのかな?




私たちの部屋は二階の角部屋の「梅の間」。廊下が二方に回っており、窓はすりガラスの縁取り、型板ガラス、
木製の格子、などを組み合わせてとても凝っている。


お庭全体を見渡せる特等席、いや特等部屋。他にお客はいなかったからね。
つつじの季節にはいちめん真っ赤になるという。花を楽しむために訪れるリピーターもいるという。


泊まった部屋の天井は、端から端まで、2間の長さの一枚板だ!




食事をいただいた「つつじの間」。


書院には折り鶴の組子が。


そしてお料理が絶品!!どれもこれもが本当においしくて、高級料亭にも引けをとらないと思う。
明治36年創業で現在5代目という常盤館。温泉地でもないし付近には特筆するような観光地もなさそうなのに
今まで120年、炭鉱閉山後も続いてきたのは、お料理のおいしさによるところが大きいのだろう。
特に冬のふぐ料理が名物なのだとか。またいつか食べに来たいな~


夜にはライトアップされたお庭を見下ろし、内側から照らされた障子や型板ガラスを廊下側から愛でる。
昼に見るのと夜に見るのでは印象が全然違う。この楽しみは宿泊してこそだ。
ガラス張りの廊下は外から見ても行灯のように光輝いていたことだろう。




続く。

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