7月の沖縄の続き。
宿からふらふら歩いてまちなかの建物を見に行く。
「那覇文化芸術劇場なはーと」。数年前に来た時モノレールの車窓からちらっと見えて気になっていたのだ。
国際通りとゆいレールの高架にはさまれた久茂地のまちなか、住宅や小さな飲食店が建ち並ぶエリアに、
どーんと建っていた。手前の古いビルからすると要塞のようだが・・・
コンクリート打ち放しの壁は大ホールの部分なのだろう、ぐるっと回っていくと、表側はダブルスキンの
スクリーンに覆われたファサードである。フリーハンドのような柔らかい曲線が重なる。
なんとなくニュー新橋ビルを思い出させる、織物のようなメッシュは見た目に涼しげだ。
なはーとは2021(令和3)年10月にオープンしたところなので、前回見たのは竣工間近な状態だったの
かもしれないな。
1階の壁はいろいろな形の花ブロックが積み上げられていてかわいい。
こっちが正面のようだな。大きな建物だが「手の届くような」スケール感。圧迫感はあまりない。
数ブロックを併せた大きな区画は、もともと何があったのか?検索してみると、久茂地小学校の跡地らしい。
そして前回見に行った、那覇市民会館が老朽化したので代わりに計画された施設だったのだ。
内部は外観の印象よりも広くて高さがある。花ブロックは内部にまで続いていて、建物の中に建物があるような
ちょっと不思議な空間だ。
WEB上で見つけた建設記念誌によると、2015(平成27)年に行われたプロポーザルで、香山・久米・
根路銘設計共同体の基本設計案が最優秀となった。外観のメッシュは首里織をイメージした「皮膜」で、
建物はグスクや美ら海など沖縄の歴史や自然もモチーフとし、路地やアマハジなどの沖縄の伝統的な生活空間の
イメージも取り込んで作られている。
「美ら海に潜る」大劇場は写真で見ても幻想的な雰囲気で、機会があったら入ってみたいなぁ!
記念誌には、構想から建設、オープンまで、関わった人々の想いがぎゅーっと詰まっている。
→こちら
同じく久茂地のまちなかで、目の端にちらっと見えてはっとして見に行ったら、、、なにこのファサード、
焼き物じゃないの!!
うぉ~~っ、なまこ釉薬のたっぷりかかった焼き物が、アシンメトリーなビルの右半分の壁の3階まで
みっしり積み上げられている!これは壺屋焼なのか?
「自由民主会館」。政党の事務所なのか。
おや、ひとつだけ、何か文字が書いてあるぞ。ペンキで塗りつぶされたようだが・・・「沖縄建設会館」?
これはこの建物のもとの名前だろう。建築時に建物の名前を刻印したタイル(テラコッタ?)をはめ込んだが、
移転した時に塗りつぶしたと見える。
それにしても、あぁなんと美しいのだろうか。。。惚れ惚れと眺めまわす。完全に怪しい(笑)
隙間を見ると、筒状か半円筒形断面で、互いに差し込めるような構造になっているようだ。
タイルというよりテラコッタかな?心棒に固定しているのだろうか。
屋根の形も面白い。X型の梁が4本突き出し、その上に屋根が載っている。倉の置き屋根のように浮いて見える。
こんな美しいビルがあったなんて知らなかったなぁ。・・・と、後で「沖縄島建築」という本を買って
見ていたら、載っていたじゃないの!それによると、国建の仲宗根宗誠という沖縄の建築家の設計で、
1967(昭和42)年竣工。やはり旧沖縄建設会館とあった。
しかしそれ以上詳しいことは書かれておらず、ファサードのテラコッタのことは分からないままだ。
政党のビルだと覗きこんだりしていたらテロリストと間違われて通報されそうだし気を付けないとな(苦笑)
またかっこいいビルがあるなと思ったら、國場組のビルか。角が透かしてあるのが良い。
検索してみると、國場ビルディングは1970(昭和45)年竣工、國場組本社と多数のテナント企業が
入っている。
四方の犬走はこんな小石の洗い出し仕上げで、柱の足元を見ると美しくすりつけてある。洗い出しの土間は
エントランスまで続いている。大きなビルだがこういう手作業の跡が見えるのがいいな!
県庁前の舗道はみんさー織の模様をそのまま写したこんなタイル敷き。うわぁ~かわいい。
うまいことやっているなぁ!考えてみればタイルと織物は相性がいいんだな。
続く。
宿からふらふら歩いてまちなかの建物を見に行く。
「那覇文化芸術劇場なはーと」。数年前に来た時モノレールの車窓からちらっと見えて気になっていたのだ。
国際通りとゆいレールの高架にはさまれた久茂地のまちなか、住宅や小さな飲食店が建ち並ぶエリアに、
どーんと建っていた。手前の古いビルからすると要塞のようだが・・・
コンクリート打ち放しの壁は大ホールの部分なのだろう、ぐるっと回っていくと、表側はダブルスキンの
スクリーンに覆われたファサードである。フリーハンドのような柔らかい曲線が重なる。
なんとなくニュー新橋ビルを思い出させる、織物のようなメッシュは見た目に涼しげだ。
なはーとは2021(令和3)年10月にオープンしたところなので、前回見たのは竣工間近な状態だったの
かもしれないな。
1階の壁はいろいろな形の花ブロックが積み上げられていてかわいい。
こっちが正面のようだな。大きな建物だが「手の届くような」スケール感。圧迫感はあまりない。
数ブロックを併せた大きな区画は、もともと何があったのか?検索してみると、久茂地小学校の跡地らしい。
そして前回見に行った、那覇市民会館が老朽化したので代わりに計画された施設だったのだ。
内部は外観の印象よりも広くて高さがある。花ブロックは内部にまで続いていて、建物の中に建物があるような
ちょっと不思議な空間だ。
WEB上で見つけた建設記念誌によると、2015(平成27)年に行われたプロポーザルで、香山・久米・
根路銘設計共同体の基本設計案が最優秀となった。外観のメッシュは首里織をイメージした「皮膜」で、
建物はグスクや美ら海など沖縄の歴史や自然もモチーフとし、路地やアマハジなどの沖縄の伝統的な生活空間の
イメージも取り込んで作られている。
「美ら海に潜る」大劇場は写真で見ても幻想的な雰囲気で、機会があったら入ってみたいなぁ!
記念誌には、構想から建設、オープンまで、関わった人々の想いがぎゅーっと詰まっている。
→こちら
同じく久茂地のまちなかで、目の端にちらっと見えてはっとして見に行ったら、、、なにこのファサード、
焼き物じゃないの!!
うぉ~~っ、なまこ釉薬のたっぷりかかった焼き物が、アシンメトリーなビルの右半分の壁の3階まで
みっしり積み上げられている!これは壺屋焼なのか?
「自由民主会館」。政党の事務所なのか。
おや、ひとつだけ、何か文字が書いてあるぞ。ペンキで塗りつぶされたようだが・・・「沖縄建設会館」?
これはこの建物のもとの名前だろう。建築時に建物の名前を刻印したタイル(テラコッタ?)をはめ込んだが、
移転した時に塗りつぶしたと見える。
それにしても、あぁなんと美しいのだろうか。。。惚れ惚れと眺めまわす。完全に怪しい(笑)
隙間を見ると、筒状か半円筒形断面で、互いに差し込めるような構造になっているようだ。
タイルというよりテラコッタかな?心棒に固定しているのだろうか。
屋根の形も面白い。X型の梁が4本突き出し、その上に屋根が載っている。倉の置き屋根のように浮いて見える。
こんな美しいビルがあったなんて知らなかったなぁ。・・・と、後で「沖縄島建築」という本を買って
見ていたら、載っていたじゃないの!それによると、国建の仲宗根宗誠という沖縄の建築家の設計で、
1967(昭和42)年竣工。やはり旧沖縄建設会館とあった。
しかしそれ以上詳しいことは書かれておらず、ファサードのテラコッタのことは分からないままだ。
政党のビルだと覗きこんだりしていたらテロリストと間違われて通報されそうだし気を付けないとな(苦笑)
またかっこいいビルがあるなと思ったら、國場組のビルか。角が透かしてあるのが良い。
検索してみると、國場ビルディングは1970(昭和45)年竣工、國場組本社と多数のテナント企業が
入っている。
四方の犬走はこんな小石の洗い出し仕上げで、柱の足元を見ると美しくすりつけてある。洗い出しの土間は
エントランスまで続いている。大きなビルだがこういう手作業の跡が見えるのがいいな!
県庁前の舗道はみんさー織の模様をそのまま写したこんなタイル敷き。うわぁ~かわいい。
うまいことやっているなぁ!考えてみればタイルと織物は相性がいいんだな。
続く。