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Channel: まちかど逍遥
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岩科学校を見に行く。

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松崎の続き。



前日は雨が残って薄暗かったけれど、翌日は一転青空!宿で自転車を借りて今日はちょっと遠くまで散策にでかけよう。
昨日見た運河風景も空気がクリア。




さて、まずは「室岩堂」へ向かう。伊豆石の採石場だったところで、江戸時代から1954(昭和29)年まで
稼働していたそうだ。石切場好きの私としては是非見てみたい。
しかし・・・平面の地図では近く見えたのだが、きつい上り坂。。。宿で借りた無料の自転車は当然電動アシスト車
ではなく・・・崖沿いを上るバス道を途中から押し歩き。ハァハァ

ようやく室岩堂の案内看板が見えた!車を停めるちょっとしたスペースもあって、ちゃんと観光スポットとして
整備されているじゃないの。・・・で、室岩堂はどこだ??


なぬ、このそそり立つ崖の下にあるってか!?ええ~~っ、自転車を押してよろよろとここまで上ってきたのに、
また海岸まで降りろというのか。しかもけもの道のような藪の道を・・・・むむ~~~っ。
しかしせっかくここまで来たのだから見ずに引き返すのはもったいないな。。。ここは頑張って行ってみるか。
海ははるか下に見えている。意を決して降り口へ向かったとき、ちょうど下から一組の男女が上ってきたので、
「下までだいぶありますか」と声をかけたところ、「いや、私たちもちょっと降りかけたんだけど、何か動物の
唸り声みたいなのが聞こえたから怖くなって」と。ええ~~っ、野犬!?イノシシ!?まさか熊とか!?
そんなことを聞いたらさすがにひとりで行くのは怖い。動物に襲われても誰にも知られず行き倒れに・・・
やっぱりやめておこう。。。残念だがあきらめて再び坂を下りる(汗)


さて次に目指すは、重要文化財、岩科学校。途中の道のりは坂もなく、長閑な田園風景の中のサイクリングは
とても気持ちいい。
真っ青な秋空の下に現れた岩科学校。まるで三合院のように、両側に別棟が張り出した左右対称の形。


中央に唐破風の載った出入口が突き出し、その2階にはベランダ。典型的な明治の擬洋風学校建築だ。
岩科村戸長であった佐藤源吉によりお寺の境内に開設された岩科学校は、村民の寄付を集めて新校舎を建設、
明治13年にこの建物が竣工した。擬洋風でも和風の趣が強く洋風要素は控えめで、全体的に端正な姿。
とりわけなまこ壁が美しい。設計施工を行った大工棟梁の菊池丑太郎と高木久五郎のバランス感覚は素晴らしいな!


ラティスの天井に龍の絵の組み合わせも意外と違和感がない。


2階は障子窓に幾何学的なデザインの欄干が。


各部屋にはさまざまな資料が展示してある。1階は村の歴史や産業、暮らしに関する資料のほか、改修工事の
記録を伝える展示もあった。


2階の欄干のオリジナル品。


なまこ壁に使われた貼り瓦のオリジナル品。


これは何だ?型押しの版木らしい。実際に押した見本もあったが、これをどういうふうに使うのだろうか?



階段を上ったところの2階のホールには入江長八の鏝絵がある。


天井の中心飾りは華麗な牡丹の花。


欄間には、鳳凰だろうか、ちょっと怖い顔の鳥が。




しかし何と言っても、「鶴の間」と名付けられた2階の奥の部屋がいちばん見ごたえがある。
作法や裁縫の授業に使われていたというこの部屋、VIPルームと言ってもよいほど特別な仕様の部屋なのだ!


四方の壁には鶴の鏝絵があり、これが鶴の間の名の所以である。その数なんと138羽!!
床の間の赤い壁は昇る朝日を表し、それに向かって飛び立っているのだという。
あの鏝塚の壁の鶴はこれのオマージュだな。


床の間の壁は緑色。そしてそこに・・・あの型で押した模様が!ひび割れのような模様は単純な繰り返しパターン
にはなっておらず、たった2種類の版とは思えない効果を生んでいる。
壁の緑色は松葉を表しているとか。しかし、赤・青・緑・・・なんとカラフルな床の間だろう~~~


地袋の杉戸にも直接鏝絵が施されている。「美人賞蓮図」と「山水画」。




こちらが伊豆の長八美術館に保存されている鏝絵がもとあった建物で、移築復元された「開化亭」。現在は売店や休憩所として使われている。


入口と室内の天井に鏝絵が見られる。これらは長八の弟子の佐藤甚三が作ったものである。
移築時に長八の作品だけ美術館へ保存したのだな。






続く

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