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下田 なまこ壁と伊豆石のまちなみ

厚木の古民家岸邸に行った日、本厚木駅まで戻ってカーシェアの車を返したら雨が止んでいた。駅前をひと回りしてみるが
面白いものは見つけられず、純喫茶でもないかなと思ったがうまく見つけられず(汗)、駅近くのチェーンカフェで休憩。
スマホで地図を見ていたら、厚木って鎌倉よりも西なんだな、南へ下れば茅ヶ崎なのか、小田原もすぐそこじゃないか、と
あらためて気づいて驚く(笑)。そして天気予報を見ると、今日の夜は100%だが明日の日曜は晴れになっている。
もともとこの週末は下田へ行こうと思っていたので、今から向かって泊まれば明日朝イチから散策できるなと思いつき、
急遽宿を予約してのんびり普通電車で下田へ向かったのだった。さすがに下田駅から宿までは台風の雨で濡れたが今日は寝るだけ。
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・・・というわけで、日曜の朝から下田のまちを散策開始。
伊豆半島の南端に近いところにある下田は海上交通の要衝で、風待ち港として古くから漁業や商業で栄えた。
幕末、ペリー来航の時に開港して日本開国の舞台となったまちでもある。
なまこ壁の町家が多く残る歴史的なまちなみが有名で、だいぶ前から訪問の機会を探っていた。
少し前に行った伊豆大島の旧甚の丸邸が下田の民家のスタイルを移入したものと知って、下田で30度のなまこ壁があるのかどうか、
確かめたくて、今回乗り込んだのだった。
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旧町のエリアに入ると早速なまこ壁の民家が現れた。おぉ~いいねぇ!
台風が多いので屋根は基本寄棟である。切妻だと妻側が風圧を受けやすい。そしてここの建物は軒の出がすごく短いな!
雨をしのぐよりも風を受けないことを重視しているのだろう。
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ちょいちょい目についたのは、瓦の下に石が使われているのだ。ほぉ~~。
いつもそれほどしっかり見ているわけではないが軒裏はだいたい漆喰で塗り固めてあると思う。こんなところに石材が
使われているというのはあまり見た記憶がないなぁ。これは伊豆石だろう。産地らしい特徴だな。
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そして歩いていると、家々の基礎や壁や石畳や、塀や何やと、伊豆石が町中もう至るところで使われているのだ。
木のかわりに石を使っているという感じ。
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なまこ壁の民家はたくさんあり、部分的に使われている建物から全面覆っているようなものまで、いろいろ。
こちらは軒下だけがなまこのパターン。
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こちらは大面積のなまこ壁。修復したのだろう。とても美しくまちなみのイメージアップにかなり貢献している。
ちゃんと伝統的な材料と技術で修復してあるから最初は新しくてもなじんでくる。
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こちらは外構に伊豆石がふんだんに使われたお宅。
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なまこ壁の替わりに壁の下半分に伊豆石が使われていることも多い。
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そしてまた気になるのが、伊豆石の中でも、ベージュの無地のものと、縞模様の入ったものがあるのだ。
伊豆石には、溶岩である「堅石」と凝灰岩である「軟石」の2種類があり、下田を含む伊豆半島南部では軟石が
採れたとマップに書いてあるが、無地の石と縞の石の違いについては触れていない。
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材質的には同じなのかもしれないが、縞模様は地層のようにはっきりしていて、斜め方向の縞ををデザインと
して使っているように見える。縞模様の石はとても派手な印象で、なまこ壁と同じくらいインパクトがある。
何か名前があるはずだけど・・・何と言う石なのだろう。
後日全然違う場所、旧新橋駅で見たのだが、これは「伊豆斑石(まだらいし)」と呼ばれるもののようだ。
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整然とした街割は江戸時代前期に形成されたらしい。ジグザグに歩いて見ていく。立派ななまこ壁のお屋敷は
中もすごいんだろうか。見てみたいなぁ。トイレやお風呂はどうだろうか。
30度のなまこ壁ともうひとつ、甚の丸邸にあった瀬戸の本業タイルも下田にあるのかどうか知りたいのだが。。。

こちらの「安直楼」は唐人お吉が料亭を経営した店で、今は公開している建物のはずなんだけど、閉まっている。
後からもう一度来てみたのだけどやっぱり閉まっていた。残念だな・・・
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こちらは旧松本旅館。今はもう営業されていないが、入口のガラスに「松本旅館」の金文字と、旅館らしい風情が残る。
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たまたまおばちゃんがおられたので入口付近を見せてもらうことができた。入ったところは土間で、天井が一部格天井に
なっていた。
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そして、古い屋根瓦と共に置いてあったのがこちら。これはなまこ壁の貼り瓦だな!四隅に釘穴がある。
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おばちゃんとひとしきりおしゃべり。「楽しんで行って~」「ありがとう~~」
少しだけど見せてもらえてよかった。
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そしてこちらが土藤商店。現在は酒屋で保命酒などを売っており、向かいの蔵をギャラリーとして古道具などを
展示したり売ったりしている。見学がてら、酒粕のアイスを買ってギャラリー内で食べる。
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近世の建物だからだろう、意匠的には特筆するものはないが、風水を考えて作られたらしい図面などもあり
また、昔の下田のまちなみの写真も展示されていて、興味深く見る。瓦屋根がぎっしり。左の方に赤い文字で
書いてあるところが土藤商店。
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商店の店構えは鉄板の外装で覆われてしまっているが建物は古いままで、裏にはちゃんと庭園が作られているのが
フェンス越しに見えた。真ん中に石組の築山があって水面が川のように囲んでいる。そして小さな太鼓橋。
これって甚の丸邸の庭とそっくりだな!
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ぐるっと回ると裏には石積みの蔵もあった。
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海沿いに出ると干物屋さんが並んでいて、イカやキンメなどいろんな魚が干してあった。
干物もおいしそうだけどお昼には新鮮なお魚の刺身が食べたいなぁ(笑)
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台風の雨で漁港の水は茶色く濁っていた・・・
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続く。

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