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Channel: まちかど逍遥
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岩手旅 岩手銀行旧本店2

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2020年3月の岩手旅の続き。

2階も1階に劣らずゴージャス!こちらの部屋は現在多目的ホール(小)として使われている。
円形の天井の割付がインパクトあるな!天井の同心円部分は、放射状に板を張ってある。


玄関戸のように豪華な装飾を載せたドアが並び、迷路に入り込んだようだ・・・


換気口も美しくデザインされている。


2階の回廊から、営業室、エントランス方面を見下ろす。


旧支店長室と旧第一応接室にはお揃いの蛇紋岩の暖炉がある。白い大理石で円形にかたどられた中央部から、
貼り合わせられた蛇紋岩の目地が放射状に広がっている。


蛇紋岩を彫刻してあるのは珍しい。石自体の模様が派手だし、硬くて彫刻には向いていないと思われる。


これらの部屋では岩手の産業史や金融史について展示されている。
本州最北エリアに位置する岩手だが、北上山系で採れた良質の砂鉄や木炭により古くからたたら製鉄が行われ、
江戸末期に早くも洋式高炉が建設された。1874(明治7)年に官営釜石製鉄所が設立、河蒸気船「岩手丸」
の航路や鉄道も開業し、インフラが発達した。


第一次世界大戦後の不況に1923(大正12)年の関東大震災が追い打ちをかけ、日本は恐慌に陥る。
金融の安定化をはかるため「銀行法」が制定され、資本金100万円以上でないと銀行と認められなくなった。
さらに1931(昭和6)年の凶作で不況に拍車がかかり盛岡銀行や既存の銀行が次々と休業。そのような
状況の中で、金融機能を回復させるために新たな銀行「岩手殖産銀行(現岩手銀行)」が誕生したのである。
1936(昭和11)年、元盛岡銀行本店だったこの建物に本社を移した。

岩手銀行のマスコット、がんちゃん。こういう人形の貯金箱、昔あったなぁ。三和銀行のワンサくんとか。

全ての部屋で天井のデザインが異なる。これは旧第一応接室だったか。


照明の台座の円形装飾も全部違う。


客溜まりの上の吹抜けには2階の床が張られ部屋として使われていたが、保存修理工事で吹き抜けに戻された。
回廊の華麗なスチールの手すりは古い写真を元に復原されたもの。


こちらは行員用の階段。とは言っても2階の応接室や支店長室へつながる階段、やはり美しく作りこまれている。
球体にビーズが埋め込まれたような親柱の柱頭。地球儀のように思える。


おや、さっきのと同じ写真!?いえ違います。これは旧第二応接室だったかな。


1階の旧重役室と旧第二応接室でお揃いの暖炉。




ドアの上の装飾も部屋ごとにデザインが異なっている。




こちらは支配人室への入口。奥には金庫室がある。


営業室との仕切り用の衝立にはクジャクの透かし彫りが。素敵なデザイン。


金庫室のドアの上には小さなドアがついていた。閉じ込められたときに脱出するためだとか!?




あぁ、さすが重要文化財。全館すべてが優美で華麗な装飾に覆われ抜かりない。こんな建物が町の中心に
建ち並んだ、当時の岩手の産業の隆盛ぶりがうかがえる。


続く。

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