旧横浜市庁舎の続き。
市民広場の吹抜けに作られた階段がまた素晴らしい。軽やかに浮いたような、珠玉の「村野階段」である。
段の高さは普通の半分ぐらいだろうか、とても緩やかで踊り場がたっぷりとられている。階段はわざと雁行させてあり、
転回部分の踊り場は空中に突き出したお立ち台のようだ。
手すりも途中で形が変わっていたり、階段のデザイン一つにおいても既製品を使わず、細部にわたり効果を考えながら
設計されていることが感じられる。
上の方はごく普通の柵のある手すりがついているが、あとから付け替えられたものと思われる。
行政棟の室内はもぬけの殻であまり見どころはないが、壁に取り付けられた村野デザインの時計は今でもカッコイイし、
ドアの蝶番や取っ手など面白い形のものが見られた。
市会棟の方へ移動。
角部屋の議長室には型板ガラスのパーティションが残っていた。
この時計もかわいい。切り貼りしたようになっているのは、移設してあったのを今回のために戻したからだとか。
議場に入ると、輪っかの形の天井照明の一群が目に飛び込んできた。うわぁ、面白い形。
光源は円形のパネルの後ろに隠され、隙間から漏れる光による間接照明。シンプルだがしゃれていて機能的でもある。
天井の両側の白い部分には大きなレリーフがあったのだが、あまりよく見ていなかった(汗)
そして、この議場の両側の壁に設けられた窓に驚嘆!!壁をくりぬいてサッシをはめ込んでいるのではなく、
板壁そのものが一部細く分割されていて、縦型ブラインドのようにそれぞれが回転するのだ!すごいギミック~~
こちら、議長席から見て右側の窓は開けられた状態。この窓を開けたのはもう何十年ぶりだったとか。
そして左側の窓は閉められた状態。ぴっちりと閉じられ、ぱっと見、窓があることに気づかないほど。
なんて面白いんだろう~~!!
ギミックは議場の椅子にも仕込まれている。一見どっしりしたアームチェアは、床から少し浮き上がったように
見える以外はごく普通な感じ。
「座ってみてください」と市の担当者に言われて腰かけてみると・・・うわっ!なにこれ!?
椅子自体がまるでレールのついた引き出しのように、前後に軽くスライドするのだ!しかも、ちゃんと元に戻る。
重い椅子だと引くことができないが、これなら座ったり立ったりもしやすい。あぁなんと気の利いた配慮!
ベニヤの板目が美しい。
階を示す数字も、村野藤吾がデザインしたもの。あぁ、こんなところまで・・・すべてが素晴らしい。
外へ出て外観を見る。
高層の行政棟の柱は、言われないと気づかないが上に行くほど細くなっていると言い、軽やかな印象と同時に、
見上げた時の遠近感が強調される効果があるな。
縦の柱だけでなく水平にも同じぐらいの太さのコンクリート部分が渡っており、格子のように見える。
格子の間に、レンガタイルの壁とガラス窓とバルコニーという3種類のユニットをランダムにはめ込んだようなファサード。
もうなくなったが北九州の八幡図書館もコンクリートの格子状のファサードだったな。
屋上にそびえているのは避雷針を兼ねた鐘塔。この地はかつて運河に面し、もともと魚市場があった場所だそうで、
それにちなんで村野藤吾が漁網を模したデザインで作ったという。いい話~~
建物前の「くすのき広場」には、レンガを詰めたカゴを土台としたベンチがたくさん据え付けられている。
かつてこの場所は車道であったのが地下鉄工事の復旧時に広場となったが、車道に敷かれていたレンガを
再利用したのだとか。
約1時間の見学会だったが、このまま見れずじまいで終わるかと思っていただけにありがたい機会だった。
今後市庁舎の建物はホテルとして生まれ変わるとニュースで知っていたが、何とあのタイル壁画のある市民広場と
議場は解体して高層の行政棟を客室として利用する計画らしい。えぇ~~っ、あれを潰してしまうの!?何で~~(涙)
どちらか言うとその低層の二つが特徴的な空間なのに~~。そのままホテルのロビーにしてほしかったなぁ。。
あれを残す条件の公募にできなかったのかなぁ。。。
外へ出てからも名残惜しく、いろんな方向から眺める。。。
これから工事を経て完成する頃にはとっくに私は大阪へ帰っている(はず)。わざわざ泊まりに来たくなるような
新たな魅力が追加されるだろうか。
市民広場の吹抜けに作られた階段がまた素晴らしい。軽やかに浮いたような、珠玉の「村野階段」である。
段の高さは普通の半分ぐらいだろうか、とても緩やかで踊り場がたっぷりとられている。階段はわざと雁行させてあり、
転回部分の踊り場は空中に突き出したお立ち台のようだ。
手すりも途中で形が変わっていたり、階段のデザイン一つにおいても既製品を使わず、細部にわたり効果を考えながら
設計されていることが感じられる。
上の方はごく普通の柵のある手すりがついているが、あとから付け替えられたものと思われる。
行政棟の室内はもぬけの殻であまり見どころはないが、壁に取り付けられた村野デザインの時計は今でもカッコイイし、
ドアの蝶番や取っ手など面白い形のものが見られた。
市会棟の方へ移動。
角部屋の議長室には型板ガラスのパーティションが残っていた。
この時計もかわいい。切り貼りしたようになっているのは、移設してあったのを今回のために戻したからだとか。
議場に入ると、輪っかの形の天井照明の一群が目に飛び込んできた。うわぁ、面白い形。
光源は円形のパネルの後ろに隠され、隙間から漏れる光による間接照明。シンプルだがしゃれていて機能的でもある。
天井の両側の白い部分には大きなレリーフがあったのだが、あまりよく見ていなかった(汗)
そして、この議場の両側の壁に設けられた窓に驚嘆!!壁をくりぬいてサッシをはめ込んでいるのではなく、
板壁そのものが一部細く分割されていて、縦型ブラインドのようにそれぞれが回転するのだ!すごいギミック~~
こちら、議長席から見て右側の窓は開けられた状態。この窓を開けたのはもう何十年ぶりだったとか。
そして左側の窓は閉められた状態。ぴっちりと閉じられ、ぱっと見、窓があることに気づかないほど。
なんて面白いんだろう~~!!
ギミックは議場の椅子にも仕込まれている。一見どっしりしたアームチェアは、床から少し浮き上がったように
見える以外はごく普通な感じ。
「座ってみてください」と市の担当者に言われて腰かけてみると・・・うわっ!なにこれ!?
椅子自体がまるでレールのついた引き出しのように、前後に軽くスライドするのだ!しかも、ちゃんと元に戻る。
重い椅子だと引くことができないが、これなら座ったり立ったりもしやすい。あぁなんと気の利いた配慮!
ベニヤの板目が美しい。
階を示す数字も、村野藤吾がデザインしたもの。あぁ、こんなところまで・・・すべてが素晴らしい。
外へ出て外観を見る。
高層の行政棟の柱は、言われないと気づかないが上に行くほど細くなっていると言い、軽やかな印象と同時に、
見上げた時の遠近感が強調される効果があるな。
縦の柱だけでなく水平にも同じぐらいの太さのコンクリート部分が渡っており、格子のように見える。
格子の間に、レンガタイルの壁とガラス窓とバルコニーという3種類のユニットをランダムにはめ込んだようなファサード。
もうなくなったが北九州の八幡図書館もコンクリートの格子状のファサードだったな。
屋上にそびえているのは避雷針を兼ねた鐘塔。この地はかつて運河に面し、もともと魚市場があった場所だそうで、
それにちなんで村野藤吾が漁網を模したデザインで作ったという。いい話~~
建物前の「くすのき広場」には、レンガを詰めたカゴを土台としたベンチがたくさん据え付けられている。
かつてこの場所は車道であったのが地下鉄工事の復旧時に広場となったが、車道に敷かれていたレンガを
再利用したのだとか。
約1時間の見学会だったが、このまま見れずじまいで終わるかと思っていただけにありがたい機会だった。
今後市庁舎の建物はホテルとして生まれ変わるとニュースで知っていたが、何とあのタイル壁画のある市民広場と
議場は解体して高層の行政棟を客室として利用する計画らしい。えぇ~~っ、あれを潰してしまうの!?何で~~(涙)
どちらか言うとその低層の二つが特徴的な空間なのに~~。そのままホテルのロビーにしてほしかったなぁ。。
あれを残す条件の公募にできなかったのかなぁ。。。
外へ出てからも名残惜しく、いろんな方向から眺める。。。
これから工事を経て完成する頃にはとっくに私は大阪へ帰っている(はず)。わざわざ泊まりに来たくなるような
新たな魅力が追加されるだろうか。