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Channel: まちかど逍遥
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タイル旅金門島 金城の夕散歩

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去年の9月に行った台湾の旅をいいかげん書かないと1年経ってしまう(汗)。
台湾はその後もう1回行っていて、さらに3月にも行こうとしていたのだがコロナ禍のため行けなくなった。
お金を払って7月に変更し望みをつないでいたが、ピーチは8月まで運休が決まり、返金と相成った・・・(泣)

さて、2018年の7月に初めて行った狂喜乱舞のタイルパラダイス、金門島。2泊3日の滞在では全然足りず、
全く未踏のエリアもあったので、1年後にもう一度行こうと計画した。
台北の松山空港から午後に金門入り。今回の宿は古民居ではなく普通の安宿(それほど安くなかったけど)だが
便利な場所だ。荷物を置いたらさっそく金城のまちなかを散策開始。


有名どころ、「許金鐘洋楼」は宿からすぐ近く。見に行ったら、、、あら、改修中!?いや、改修待ちだな。


表側は見ることができた。1933年竣工。
金門島にはこういった洋風意匠をもつ「洋楼」があちこちで見られる。前にも書いたとおり、金門島には少なくとも
51町村に133棟もの洋楼があった。しかし現在その多くは廃墟となり建物の内側にまで草が入り込んでいる
始末で・・・(涙)。ここはまだ住んでおられるから幸せな建物である。。。




こちらは赤レンガに扁平アーチの「許允選洋楼」。ここは前回チラリとだけ見たな。商店街から横丁を覗き込んだら
その奥にあったのだ。


高さ抑え目でシンメトリー。1915年築。金門島の洋楼は、純洋風ではなく閩南建築の特徴もあわせ持つのが
面白い。日本で和洋折衷の建物があるように、閩洋折衷建築(!?)。
金門島の洋楼はほとんどが、南洋へ渡って一旗上げた華僑たちにより、1920年代~30年代に建てられたという。
この洋風は、東南アジアに進出していたイギリスなどの西洋人が建てた西洋館のイメージを真似たものと思われるが、
さらに台湾の地に適応した形にアレンジされているのが面白い。


亭仔脚の壁は同じレンガ色でも、六角形の磚だ。腰から下は條石。ここだけ見ると完全に中国風の民居だもんね。


そして窓付近にはこんなタイルも~~(笑)。これは50年ほど前に貼られたものだろう。レトロでかわいい!


ところで、壁に貼ってあった雑誌のコピーを見てびっくり!・・・なんと、許允選洋楼の前は川だったのだ!!
まわりには閩南建築の民居がたくさん見える。


今は商店街の裏側という感じだが、建物の前は割と広い空間である。あっ、そうか、ここは暗渠になっているのだ!


まわりをうろついてみると、粉々に解体された赤レンガの民居が・・・これはさっきの古い写真に写っていた建物だ。
あぁ、無残。。。(涙)


古い井戸は健在。覗き込んだら水面が見えた。


また少し歩いて見つけた洋楼。


この建物のコンクリート部分の肌がこんな年輪みたいな模様だった。これはどうやってつけるのだろう!?


金城のまちなかは表通りには隙間なく商店が並んでいるが、一本裏手に入ると古い建物がいろいろあって楽しい。
簡素な三合院民居も飾らない美しさがある。


金城のまちに残る洋楼の数は、水頭に次ぐ多さで、適当に歩いているだけで結構見つかる。割と新しく建てられた
ようなものもあり、洋楼スタイルはすっかり金門スタイルになっているわけだ。


路地裏では家々が思い思いの方向に向いて、好きなところまで張り出して建っていて、路地はあくまで建物の
隙間という感じで、細くなったり太くなったり(笑)。通路と家の敷地の境界はいったいどうなっているのか・・・


こちらは、また有名な「陳詩吟洋楼」。ここも覆いがされていてよく見えないのが残念だが、ちゃんと
保全するための改修工事待ちなのだから、うれしいことだな。




その隣にも洋楼があった。ここはカフェをやっているようだ。


こちらは空き家か・・・


陳詩吟洋楼には素晴らしいタイルがあるのだ。


1階のドアと窓の間の壁に貼られたタイルコンポジション。半分の幅のボーダータイルで額縁のように囲んだ中に
数種類のタイルが並べられている。よく残っていてくれた!
空き家だと、明らかにタイルが剥がされたような跡が見られたりするので、盗難には本当に注意してほしいなぁ。


建物の裏側を見ようと、横の路地を奥へ入って行くと、、、おや、裏の原っぱの向こうに見えるのは・・・!?


続く。

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