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Channel: まちかど逍遥
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北海道開拓の村 近藤医院のタイル

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2019年10月の北海道開拓の村の続き。

北海道開拓の村にやってきたのは実はこの近藤医院がめあてだった。トイレにタイルがあるのだ。


木造下見板張りの総二階建て。ペイントはされていないが、バルコニー付きの玄関ポーチが洋館らしさを引き立てているな!


1920(大正9)年築。1958(昭和33)年まで使用されたとか。


玄関を入ると奥までストンと見通せる広い廊下があり、その両側に部屋がある。和室もあるが完全に洋風な構成だ。


玄関にあるかわいらしい受付窓口。この向こう側は事務室兼調剤室かな。左側の和室は待合室だろう。


右側の手前が診察室。デスクやベッド、サイドテーブルなどの調度品があって当時の雰囲気がリアルに伝わってくる。


手術室。床はタイルでなくコンクリート平板のようだ。でも元はタイルだったのではないかな。血などが沁み込むもんね(汗)
まわりの壁は人研ぎ。


おぉ、階段の壁にタイルが貼られているのか!


階段の両脇の壁いちめんに白無地タイル。しかしこれはどうも復刻品のようだ。


そして隅にポイント的にマジョリカタイルが使われている。こんなところにこんな使われ方をしているのは初めて見るかも。
この建物ももちろん移築だが、タイル使いは再現されているはず。面白いなぁ!


ご丁寧にこんな三角形の隅にも。階段の勾配が45度ということだ。


床の通気口のグリル。


裏側へ出っ張った部分にトイレがある。


おお~っ!大便所と男性用小便所の2ヶ所の床に、柄違いでマジョリカタイルが敷き詰められていた!


ポピュラーな柄のタイル。青色が鮮やか!少しきれい過ぎる感じもするが・・・


近寄ってみると、チューブライニングの凸部が擦れて磨耗していたり、使用による擦り傷など、自然に見える。


こちらもよく見る柄。ややムラがあったりして自然な感じ。
目地がなく突き合わせなのは、移築時にそうしたのだろう。階段の壁には目地が入っているし、ましてやトイレのタイルは
単に装飾でなく実用。汚れが下へ落ちてしまうと不衛生で手入れが余計に大変なので、必ず目地は入れるはずだと思う。


・・・しかしそうすると、現状目地無しでぴったり納まっているのは、どういうわけか。。。
トイレを元のサイズよりひと回り狭く作ったか(そんなことはしないだろう)、目地を詰めた分余分のタイルをはめて調整したか
(余分がたくさんあったとは思えない)、すべて復刻タイルで一から割り付けたか(う~ん)。。。
それとも元から突き合わせで隙間をコーキングしてあったか(大正時代に?)、視点を変えて、あえて目地を入れず
定期的にタイルを全部外して洗っていたとか(爆)・・・真実は不明のままである。


廊下の幅木にも白無地タイルやマジョリカタイルが使われていた。


白無地タイルも見るからに復刻品とオリジナル品と思われるものが混在している。またマジョリカタイルもそうなのか!?
一部剥がれていてモルタルに裏型が転写されている部分があり、タイルの断面も見えたが、どうもここのは
復刻品のように思うなぁ。色も少し違っている。


型さえあれば形は全く同じに作れるが、釉薬は100年前と同じものを使えないので、どうしてもニュアンスは異なってくる。
それでも欠損分をレプリカで補充して、医院建築の中でのタイルの使われ方を再現してくれているのはありがたいな!


廣瀬写真館。こちらは再現の建物。近藤医院と同じような無塗装の下見板張り洋館ではあるが、間取りはほぼ和館である。


こちらの武岡商店は1898(明治31)年築。米穀・荒物・雑貨を扱う商店であった。
これぞ、和風とも洋風ともつかない、和洋の要素が入り混じった不思議な外観。さらっと外観のみ・・・


島歌郵便局は1902(明治35)年築。中はガラス張りのカウンターで仕切られていて狭い。


大正後期築の山本理髪店。こちらは小さな建物だが窓の桟や持ち送り、煙突など装飾邸要素も多く、すっきりしていながら賑やか。
1階の連続したひさしが入口部分だけペロッとめくれ上がっているのがカワイイね~

中には壁の鏡やキャビネット、時計や壁のポスターなどもあり、また床屋のおっちゃんとひげをそられているお客の
リアルな人形があって、今でも本当に営業しているような錯覚にとらわれる。
こういう庶民の親しんだ建物が残されているのはうれしいな!

続く。

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