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Channel: まちかど逍遥
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旧弘前市立図書館など

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2019年10月の弘前の続き。

旧東奥義塾外人教師館の隣にある、旧弘前市立図書館。ここも東奥義塾の敷地内だったようだ。
1906(明治39)年築。この建物も堀江佐吉の設計施工である。
1931(昭和6)年まで図書館として使用されたあと、堀江家の子孫に払い下げられ、別の場所へ移築されていたものを
再度現在地に移築復元したという。部材はほとんど新しいものと見える。


ドーム屋根を頂く2つの八角形の塔屋をつないだような独特な形。正面から見ると左右対称で縦長窓が等間隔に並ぶ。
すっきり見えるがよく見ると軒先蛇腹などとても凝った装飾が施されている。外人教師館とは違い、和風の趣きも感じられるな、


面白い形の建物なので平面プランがどうなっているのか、とても気になる。入ってみよう。


左側の塔屋部分は、エントランスと階段ホールだった。玄関入って正面には事務室が。
廊下が二手に伸びており、右側の廊下を進むと右側の八角形に突き当たる。


2つの塔屋をつなぐ矩形部分にある図書室は10畳ぐらいの部屋。当時は蔵書がここに納まるくらいの数だったのだな。


そしてこちらが右側の八角形部分。1階は婦人閲覧室となっている。明治の時代に女性が優遇されていたんだな。
5つの窓がぐるりと取り囲み、もう窓だらけという感じ(笑)


八角形の壁に沿うようにつくられた曲がり階段を上って2階へ。


2階は塔屋の部分を除き全体が閲覧室となっている。図書室に比べ閲覧室にかなりスペースをとっているな。


3階へ上る階段は細く急勾配。しかし3階は非公開で階段も立入禁止。残念。。。
もらった資料によると3階には応接室もあるようだが、お客さんもこの急階段を上ったのだろうか(笑)


正八角形の評議室。


面白い形の建物だがうまく使ってあったのだな。まぁ、床面積が小さいだけに図書室と閲覧室が別の階で
上り下りしなければならないのは面倒だっただろう。それに明治時代といえどもやっぱりちょっと手狭だ。
現在は一般公開されているだけだが、こここそカフェや工房などに使えば素敵じゃないかな!


隣にある弘前市庁舎、ここもまた図書館とは違ったカッコよさ!


こちらは雨でどどめ色の写真だけど・・・(苦笑)
水平線が強調されたデザインが目を引く。コンクリートとレンガ(タイル)とガラスの組み合わせがクール!
1958(昭和33)年竣工、前川國男設計の戦後モダニズム建築だ。 市制施行70周年を記念して新築されたという。


休日だったけど1階の事務所に人がおられたので尋ねたら、1階のホールあたりまでなら、とのことで見せて頂いた。


コンクリート打ち放しの柱、梁、階段に、木製パーツの組み合せが温かみを添える。
やはず貼りされた床のレンガタイルもいいなぁ。


この階段あたりがカッコイイ!赤い壁がインパクトあるなぁ~~

弘前には前川國男の建築が8棟も現存するという。弘前は彼自身の生まれ故郷ではないが、彼の母親の出身地ということで
縁があったのだろう。前川建築をめぐるツアーもあり、いずれも現役施設でありながら観光資源としても大切にされている。

こちらのかわいい建物は旧第八師団長官舎。現在は丸ごとスターバックスの店舗になっている。


ちょっと中を覗かせてもらったら、スタバお得意の洗練された空間になっていて、若者でいっぱいだった。
なので写真は撮れず。。
内部を改装されてしまってもこうやって人気店が入ることにより建物が維持できることは大事だな。。


続く。

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