どこかへ行こうと思いながら決めかねているうちに日本でもコロナウィルスの影響が大きくなってきた3月初めの週末。
近場で出かけることにして、三ノ宮バスターミナルから約40分、淡河(おうご)にやって来た。
三ノ宮発着のバスは1日に3往復。始発の9時のバスに乗って、トンネルを抜けたらいきなり風景がガラッと変わり
「神戸市」という地名が信じがたい山間に突入(笑)。都心と田舎がこんなに近いまちも珍しいだろう。
着いたらまだ10時前。少し待ってめあての淡河宿本陣跡に入る。
淡河は豊臣秀吉によって湯乃山街道の宿場町として整備され、商業地としても繁栄したまち。
この建物は、参勤交代の大名や貴人が宿泊する「本陣」として指定された村上家の邸宅であった。
村上家は淡河のまちなみを整備し大庄屋も務めた。また寺子屋を経営するなど教育の面での貢献も大きく
淡河の発展の中心にあった家である。
ここが主玄関か。
センスを感じるしつらい。
入口を入ると土間がずっと奥まで続く。その通り土間に面して3部屋が並んでいる。
建物は、江戸中期に建てられた西座敷、1912(明治45)年築の南座敷・北座敷、土蔵、茶室、納屋などからなる。
60年以上も空き家であったこの建物を地域交流・情報発信の拠点とすべく、2016年から淡河宿本陣跡保存会の
方々が中心となり、少しずつ整備を進めさまざまな取り組みを始めておられる。
カフェやショップがあるほか、レンタルスペースとしても使える。そして見学のみでもOKだ。
通り土間の奥にある納屋は、現在は開放的な多目的スペースとなっていて、置かれたピアノや薪ストーブが
温かいだんらんの空間づくりにひと役買っている。
そこから外へ出ると、主屋と納屋と土蔵と茶室とにぐるりと囲まれた心地よい中庭。見る庭でなく、ここで
いろいろ広げて作業できる実用の庭だ。
この縁側、いいなぁ!
蔵の横から裏の駐車場へ抜ける。
外から見てみるとこの蔵の立派なこと!!この地域の蔵に特徴的な、花弁状の装飾がついた小さな丸窓が、側面に5つも!
そして・・・おや、この毛むくじゃらの建物は何だ!?
中へ戻って見に行こう。
それは蔵の奥に建つ小さなお社だった。戎神社らしいが・・・屋根だけでなく壁まで茅葺きとは!
屋根と壁が自然につながった美しいフォルム。壁の表面に現れた茅の茎は完璧に平らに刈り上げられ、タワシみたい。
これはこのあたりの伝統的な様式なのだろうか?しかしこんな風変わりなの見たことないなぁ。
珍しくて舐めるように眺め回す(笑)
あとでお茶を飲みながら、ここのことが掲載された雑誌をパラパラ見ていたら、茅葺き職人集団「くさかんむり」の
棟梁を務める相良さんという方が、オランダやドイツで学んできた「最先端」の茅葺きを、日本の様式とリミックス
して表現した最初の作品だとわかった。表面的な奇抜さだけでなく、長年の修行と経験で培われた確かな技術を
ベースに、土地の個性と向き合い新しい茅葺きの形の模索した、そして茅葺きへの愛が詰まった作品である。
そう言えば、入口を入ったところにあった扇形のカウンター、変わったテクスチャーだなと思っていたら、
あれも茅(もしくは藁?)で出来ていたんだな!
中庭に突き出した離れの棟は茶室とそれに付随する便所・風呂場である。小さく簡素な建物なのにこんな立派な
鴟尾がついているのが何だか不釣合い。
土壁の足元をふさいだ木の板には、通気のためだろうか、こんな穴が。。。いろいろ面白いなぁ。
茶室を回り込んでみると横の庭には堀があるのだが、船が乗り入れていたんじゃないかと思うほど、深くて幅広い。
さらに回りこむと正面の庭の方へつながり水路は細く浅くなっていた。
続く。
続く。
近場で出かけることにして、三ノ宮バスターミナルから約40分、淡河(おうご)にやって来た。
三ノ宮発着のバスは1日に3往復。始発の9時のバスに乗って、トンネルを抜けたらいきなり風景がガラッと変わり
「神戸市」という地名が信じがたい山間に突入(笑)。都心と田舎がこんなに近いまちも珍しいだろう。
着いたらまだ10時前。少し待ってめあての淡河宿本陣跡に入る。
淡河は豊臣秀吉によって湯乃山街道の宿場町として整備され、商業地としても繁栄したまち。
この建物は、参勤交代の大名や貴人が宿泊する「本陣」として指定された村上家の邸宅であった。
村上家は淡河のまちなみを整備し大庄屋も務めた。また寺子屋を経営するなど教育の面での貢献も大きく
淡河の発展の中心にあった家である。
ここが主玄関か。
センスを感じるしつらい。
入口を入ると土間がずっと奥まで続く。その通り土間に面して3部屋が並んでいる。
建物は、江戸中期に建てられた西座敷、1912(明治45)年築の南座敷・北座敷、土蔵、茶室、納屋などからなる。
60年以上も空き家であったこの建物を地域交流・情報発信の拠点とすべく、2016年から淡河宿本陣跡保存会の
方々が中心となり、少しずつ整備を進めさまざまな取り組みを始めておられる。
カフェやショップがあるほか、レンタルスペースとしても使える。そして見学のみでもOKだ。
通り土間の奥にある納屋は、現在は開放的な多目的スペースとなっていて、置かれたピアノや薪ストーブが
温かいだんらんの空間づくりにひと役買っている。
そこから外へ出ると、主屋と納屋と土蔵と茶室とにぐるりと囲まれた心地よい中庭。見る庭でなく、ここで
いろいろ広げて作業できる実用の庭だ。
この縁側、いいなぁ!
蔵の横から裏の駐車場へ抜ける。
外から見てみるとこの蔵の立派なこと!!この地域の蔵に特徴的な、花弁状の装飾がついた小さな丸窓が、側面に5つも!
そして・・・おや、この毛むくじゃらの建物は何だ!?
中へ戻って見に行こう。
それは蔵の奥に建つ小さなお社だった。戎神社らしいが・・・屋根だけでなく壁まで茅葺きとは!
屋根と壁が自然につながった美しいフォルム。壁の表面に現れた茅の茎は完璧に平らに刈り上げられ、タワシみたい。
これはこのあたりの伝統的な様式なのだろうか?しかしこんな風変わりなの見たことないなぁ。
珍しくて舐めるように眺め回す(笑)
あとでお茶を飲みながら、ここのことが掲載された雑誌をパラパラ見ていたら、茅葺き職人集団「くさかんむり」の
棟梁を務める相良さんという方が、オランダやドイツで学んできた「最先端」の茅葺きを、日本の様式とリミックス
して表現した最初の作品だとわかった。表面的な奇抜さだけでなく、長年の修行と経験で培われた確かな技術を
ベースに、土地の個性と向き合い新しい茅葺きの形の模索した、そして茅葺きへの愛が詰まった作品である。
そう言えば、入口を入ったところにあった扇形のカウンター、変わったテクスチャーだなと思っていたら、
あれも茅(もしくは藁?)で出来ていたんだな!
中庭に突き出した離れの棟は茶室とそれに付随する便所・風呂場である。小さく簡素な建物なのにこんな立派な
鴟尾がついているのが何だか不釣合い。
土壁の足元をふさいだ木の板には、通気のためだろうか、こんな穴が。。。いろいろ面白いなぁ。
茶室を回り込んでみると横の庭には堀があるのだが、船が乗り入れていたんじゃないかと思うほど、深くて幅広い。
さらに回りこむと正面の庭の方へつながり水路は細く浅くなっていた。
続く。
続く。