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Channel: まちかど逍遥
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千間川跡を歩く

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地下鉄深江橋駅を出て地上に上がると、長方形の街割りを斜めに切り裂くように西北西へ伸びる道がある。


始まって少しの間は整備された遊歩道になっているが、そこを過ぎると普通の道路。


街路樹と言うには妙な配置の緑陰を見ても明らかに廃川跡である。


この道をたどって西へ歩いていくと、どこからともなくいい匂いがしてくる。


道が城東運河の堤防にぶつかって終わるところに、お香を製造している工場があった。
天昇堂香舗」。
昔ながらの家内工業を思わせる木造の建物である。いい匂いの源はここだったのだ。



仕事を終えて帰りはいつも緑橋駅まで歩く。
ジグザグ歩きながら南へ下りてきて、商店街や本町湯やモダンな建物たちを見ながら
少し幅の広い東西の道を渡り地下鉄入口にアクセスすることが多いが、
今日は商店街をまっすぐ歩いて今里筋に出てから南へ折れた。

おや、なんか碑があるぞ。
「千間川(せんげんがわ)と緑橋」。


あぁやっぱり、あの深江橋から斜めに伸びる廃川跡は、城東運河を越えてこっちまで続いていたのか。
もちろんある時期に作られた人工の川であり全く自然の川ではないのでほぼ直線であるが、
この少し広い道幅もしかり、部分的に植樹帯があるなど、少し不自然だとは思っていた。
千間川は城東運河と平野運河を結ぶ水路であったらしいが、1968(昭和43)年頃から
埋め立てられ暗渠化されたようだ。緑橋や深江橋は千間川に架かっていた橋の名だったんだな。


運河を掘削する場合にはもとあった小川など自然の水路を部分的に利用するのはよくあることだが、
この千間川跡の微かに揺らいだ雰囲気から、はるか昔の自然の流れを感じる。


しかしちゃんと平成9年に案内碑が建てられていたとは、お見それしました〜(笑)
でも、最初にこの碑を見てから歩くより、体感してから答を知る方が楽しいんだよ。

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