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Channel: まちかど逍遥
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台中のまちをぐるぐる歩く2 (台湾)

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台中の続き。

台中が地上駅だったときの築堤と低いガードがまだ残っていた。はるか頭上の真新しい高架線路と並べて見ると、
いかにも線路の両側の交通を阻害しているように見える。縦貫線が開通して以降つい近年まで100年以上もの間ずっと
何の疑問ももたず見ていたであろう風景が、新しいものができたことによって、突然古臭く不便なものに見えるのだ。


着々と進む撤去工事。築堤がなくなれば見通しもよく街の分断も解消されるので街にとってその方が望ましいだろう。
私的にはこういう刹那的風景に惹かれるのだが、、、次回来た時にはすっかりなくなっているだろうな。
風景はどんどん変わるから、しっかり見て記憶しておきたい。


そしてこちら、1934(昭和9)年築の明治小学校。現在は台中市立大同国民小学。
守衛さんに声をかけて写真を撮らせてもらう。どこでもだいたい快く入れてもらえるのでうれしいなぁ。


広々したセミオープンの廊下が南国らしい。昭和ではさすがに装飾も直線を基本としたシンプルなものとなっているが、
淡いオレンジ色の洗濯板タイルと洗い出し仕上げの組み合わせで、レンガと石材による古典建築のソフト版のような
効果が生まれ、堂々とした威厳をかもし出している。




縦溝入り円柱もクールな印象。


守衛さんにお礼を言ってそこを後にし、少し歩いて旧台中刑務所演武場へ。
今はこの演武場と和風の住宅建築と長屋の宿舎のような建物がリノベーションを経て活用されている。
広い駐車場も整備され一帯はちょっとした公園のよう。
演武場は1937(昭和12)年に建てられ、戦後は台中監獄の監獄官警職員の宿舎として使われていたが
1992年に監獄が移転。獄舎などが取り壊されたあともこれらの建物は残った。


その後大地震や火災に見舞われたが、焼け残ったレンガ造部分を生かして復元したとか。


コンクリート造の演武場はこのとき閉まっていたが、窓ガラスに顔をつけて中を覗くと、現役の道場の雰囲気。
建物がオリジナルに忠実に復元されているとしたら、この壁の凹みは、奉安殿だったのだろうか。


左手の住宅型の建物は茶館になっていたが、お客でなければ玄関から先へは入れず、写真撮影禁止マークが
ついていたので、玄関先のみ・・・




付近には平屋建ての古い日本建築がいくつか残る区画があり、やはりこれも刑務所の職員の官舎だったのだろうか。
屋根の上にドラゴンフルーツのサボテンが覆いかぶさり、庭には大きなマンゴーの木が。




そこから中心部へ戻ろうと歩いていると、、、おっ、なんだこれは。


ここはコーヒー専門店か。プリントのデザインタイルだがレトロな柄で、素敵なタイル使いだな!


お店の内部にもちらりとタイルが見えたので、ちょっと写真を撮らせてもらってもよいかと声をかけて
中へ入らせてもらった。


渋い!!




店内にはタイルのほかにもレンガや透かしブロックなども使われていて、洗練されているわけではないが
面白いインテリアになっている。




お茶しようかとも思ったが、まだ見るところがある。


続く

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