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Channel: まちかど逍遥
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早野ビルのタイル

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ジェットスターの関西~熊本便が去年復活したので、さっそく使おうとセールでチケットを取った。
時間帯が変わり行きは午後遅くの出発となったので、金曜日に半休を取ってゆうゆうと。
最初の日はもうついたら夕方なので宿へ直行。空港でレンタカーを借りて熊本市内へ向かうが・・・しまった!
金曜の夕方、市内行きの道路はめっちゃ混んでる(汗)。これまでは朝着いて郊外へ走り出すパターンが
多かったから、渋滞に巻き込まれたのは初めて。途中で逃げる道もなくのろのろ・・・あぁ眠くなる~
ようやく宿に着いた頃にはもう日が暮れていた。


ひとりでゴハンを求めて歩いていたら、気になるお屋敷を発見。相当立派なのだが特に説明板などもなく
歴史的人物のゆかりの建物などでもないようだ。


この塀は鉱滓レンガだろう。熊本市内でも使われているんだな。


貼り瓦のようなファサードのお店を見つけた。透かしブロックも使われているようだ。窓から漏れる灯りがなかなか素敵。入ろ!

インテリアが素敵な上に、料理はボリュームもあっておいしくてご満悦~(笑)。ひとりではもったいなかったな。

さて翌日、郊外へ向かう前に熊本市内でちょっと見ておきたい物件がある。それはこちら、市電沿いに建つ早野ビル。
見るからに古色を帯びた風貌はまちなみの中で異彩を放っていた。入口脇には登録有形文化財のプレートがついている。


両隣が駐車場になっているので、敷地の角に向かって階段状に高くなったフォルムがきれいに見えている。
しかしその状況はあまり喜んでいられることではない(汗)


開いたドアから中に入ると目の前に人研ぎの階段が迎えてくれる。ホールは狭いが天井が高いので広がりがある。
階段の勾配は緩め、足元は丸く仕上げてあって柔らかい印象だ。




階段の踏み面は、滑り止めのためか端を土手のように少し高く盛り上げてある。こだわっているな。


矢上信次の設計で1924(大正13)年に完成した早野ビルは、熊本初の民間の貸事務所ビルなのだとか。
少し前に見た銀座の奥野ビルや、大阪の船場ビルヂングなどと似た雰囲気。


レトロなプレミアビルにはやはりおしゃれなクリエイター系の事務所が入っていたが、ペントハウスには
「熊本県精麦共同組合」が入っているのがいいね!ずっと昔から入居しているんだろうな。


型板ガラスがきれい。






手洗い 場も人研ぎ。


屋上に出るドアを開けると・・・うわぁ!


小さな庭があり、その端の犬走りのような部分に、瀬戸の本業タイルがずらりと!うひゃ~~
いや、私はこれを見にここに来たのだ。しかしやはり実物はすごい!


白無地の隅切りした八角形タイルと、2色刷りの銅板転写の同じ模様のタイルばかり大量に使われている。


そして広い方を見やると・・・こちらもすごい。白無地の小口タイルと本業タイルを組み合わせて
中央に十字を作っている。ポイント的に赤色のタイルも使われているな。




すごい~~~、こんなルーフバルコニーにびっしりとタイルが張られているなんて、見たことがないなぁ。
本業タイルだし相当の重量がかかっているだろうに。


錆びた階段を上ったペントハウスの屋上も、元は八角形タイルが貼られていたと見える。
装飾的な塔屋が目の前に。


屋上はこのビルの入居者のオアシスだな。仕事の合間にふらりと屋上へ出てきて、このタイルを眺めながら
一服する、お天気のいい日にタイルの上にお弁当を広げる、入居者どうしタイル話に花を咲かせる・・・(笑)
あぁうらやましいなぁ。


あぁ朝っぱらからビルの屋上で興奮してしまった。
さて次のところへ移動しよう。

続く。

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